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映画の話 その100(ピアニスト)

146ドゥルノ
今回はミヒャエル・ハネケ監督の「ピアニスト」です。
ピアニスト1
今までに「ファニーゲーム」「隠された記憶」を見ましたが、それなりに良い映画でした。
「ピアニスト」は最高傑作です。
ミヒャエル・ハネケとイザベル・ユペールは最強のコンビです。
普通では描写しない様なシーンが沢山出てきますが、すべてが必然です。
これらのシーンがなければこの映画は成り立ちません。
ウィーンの名門音楽院でピアノ教師として働く39歳のエリカは、今までずっと過干渉な母親の監視下で生きてきました。母親に対して愛憎入り混じった感情を抱きつつも、突き放せずにいます。
母親も子離れ出来ずにいます。
ピアニスト4
ファッションや恋愛などとは無縁の人生を送らざるを得ず、ましてや男性と付き合ったことすらありません。
その欲求不満を晴らすかのように倒錯した性的趣味を密かに持つようになります。
ポルノショップに入り個室でポルノビデオを見ながらゴミ箱をあさり、前の客が使用したティシュを嗅いで、恍惚としています。
またカーセックスを覗き、自分を慰めたり、カミソリで陰部を傷つけたりします。
しかし彼女には罪悪感など全くなく、夜の生活の一部になっています。
それが見ていてとても辛く重いのです。
そんな彼女の前に若い学生のワルターが現れ、彼女に一目惚れして求愛します。
ピアニスト3
エリカは突然の出来事に警戒し(今までに恋愛経験が全くない)、彼を拒絶しますが、ワルターはあきらめず、エリカが勤める音楽院に編入までしてきます。
それでも彼に対して厳しい態度を崩さないエリカですが、ある時、化粧室で熱烈にキスをされたのをきっかけに、自らの倒錯した性的趣味(マゾヒスト)をワルターで満たそうとします。
ところが、あまりの倒錯した要求にワルターは幻滅し、エリカに侮蔑の言葉をぶつけて立ち去ります。
エリカはワルターに会うためにアイスホッケーの練習場にやってきます。
ピアニスト
そして道具部屋でフェラチオをします。
あまりに喉の奥に入れたのでモドシテしまいます。
あわてて口を濯ぐエリカ、そのままワルターにキスをしますが、口が臭いと拒絶されます。
エリカはショックを受けるが、後日になって、深夜にエリカの家に突然やって来たワルターは、エリカの母親を部屋に閉じ込め、その部屋の前で不本意ながらも「エリカの希望通りに」エリカを殴りつけて犯します(おそらく初めての男性経験)。
ことを終えたワルターは「互いに秘密にしておこう」と言い残して帰ってしまいます。
寝室で母親の横で眠るエリカ、エリカを責める母親、突然母親の上に乗りキスをするエリカ、驚く母親、とても重要なシーンです。
翌日、顔を腫らしたエリカはナイフをバッグに忍ばせて自分が代理で演奏するコンサート会場にやって来ます。
ロビーでワルターがやって来るのを1人で待っていたエリカでしたが、ワルターが親戚達と現れ、何事もなかったかのように明るく爽やかにエリカに挨拶し、会場に入って行くのを呆然と見送くります。
忍ばせていたナイフで左胸を刺し、血を流しながら街中に歩み出て行くところで終わりです。
ピアニスト5
とても重い映画です。
エリカと母親の関係がとても複雑です。
この映画の根幹をなします。アニー・ジラルドとイザベル・ユペールの演技は特筆ものです。
それにしてもイザベル・ユペールと言う女優は天才です。
少し「マドモアゼル」を思い出しました。
若い時のジャンヌ・モローとオーバーラップします。
エンディングで胸にナイフを刺すエリカの表情は一生忘れられません(トラウマになるかも)。
ミヒャエル・ハネケ監督は只者ではありません。

8-2ウィジョヨクスモの花


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