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寺院彫刻 その82(スカンダ 東南アジア)

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スカンダは東南アジアに伝わりました。
まずは彫像から見ていきたいと思います。
カンボジアのプノンペン国立博物館には6〜7世紀の孔雀に乗るスカンダ像が2体あります。
1体は羽を広げた孔雀にまたがり、とても良い顔をしています。
1 6〜7世紀孔雀に乗るスカンダ
もう1体は孔雀にまたがり左手で孔雀の首をつかんでいます。
2 6〜7世紀孔雀に乗るスカンダ2
ジャカルタの国立博物館にも8世紀の孔雀にまたがるスカンダの像があります。
3 8世紀ジャワ国立博物館
いかにもジャワ的です。
ベトナムのダナンにあるチャム彫刻博物館には10世紀のミソンで発見された像があります。
4ミソン10世紀
残念なことにスカンダと孔雀の首から上がありません。
スカンダは孔雀の上に立ち手にはヴァジュラのようなものを持っています。
寺院ではカンボジアのBANTEAY SAMRE寺院の破風に彫刻されています。
5SAMRE046 2
6SAMRE089
インドの隣のネパールのBHAKTAPURにあるヴィシュヌ寺院に孔雀に乗るスカンダ像があります。
7カトマンドゥ
日本にも中国経由でスカンダは入ってきました。
仏教において韋駄天となりました。
増長天の八将の一神で、四天王下の三十二将中の首位を占める天部の仏神です。
一般的には道教の韋将軍信仰と習合した影響で、唐風の甲冑をまとって剣を持つ若い武将の姿で描かれます。
元来はスカンダに由来するため、六面十二臂の少年神で孔雀に乗ります。
夜叉が仏舎利を奪って逃げ去った時、これを追って取り戻したという俗伝から、よく走る神、盗難除けの神として知られるます。
しかし韋駄天(スカンダ)が俊足なのは日本だけのようです。
木造韋駄天像はありますが、孔雀に乗っている像はありません。
京都の萬福寺には江戸時代の像があり、甲冑をまとい剣を捧げています。
9萬福寺江戸時代
岐阜県の乙津寺の像は鎌倉時代の造立で厨子に入っています。
10乙津寺鎌倉末期
やはり甲冑をまとい剣を持っています。
京都の泉湧寺舎利殿には鎌倉時代に描かれた韋駄天図の壁画があります。
11泉涌寺鎌倉時代
この題材は先に述べた夜叉(鬼)が仏舎利を奪って逃げ去った時、韋駄天がものすごい速さで追いかけ、仏舎利を取り戻したことを描いています。
そしてついに石像を見つけました。
それは上野にある西光寺の境内にありました。
大きな丸彫の韋駄天像です。
12西光寺
韋駄天は甲冑をまとって剣を持つ武将の姿です。
この像は秀吉の朝鮮入国の際、同行した藤堂高虎が朝鮮から持ってきたものと言われています。
韋駄天は甲冑をまとい剣を持っていること、足がとても速いことによって武将にとても好まれたようです。

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