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映画の話 その99(オテサーネク)

144ブリスロウォ

以前「アリス」でお話ししたヤン・シュヴァンクマイエル監督の「オテサーネク」です。
「オテサーネク」とはチェコの民話で食人木の怖い話です。
1オテサーネク

あらすじは『不妊に悩むホラーク夫妻は、アパートの隣人シュタードレル氏の勧めで購入した別荘にやって来る。
夫のカレルは別荘の庭で赤ん坊のような形をした切り株を見つけると、ノイローゼの妻ボジェナをなぐさめるために切り株を赤ん坊の形に整えてプレゼントする。
4オテサーネク

ところが、ボジェナはその切り株を息子と思い込んで溺愛し、自分が産んだと見せかけるために妊娠したように振る舞うようになる。
カレルは何度も切り株を処分しようとするものの、結局は妻の望みを聞いてやってしまう。
3オテサーネク

そして8ヶ月が過ぎたところで、ボジェナが出産したふりをすると、「オティーク」と名付けられた切り株は自らの意思で動き出し、恐ろしい食欲であらゆるものを食べるようになる。
見る見る成長したオティークが、飼い猫だけなく、訪ねて来た郵便配達人や福祉事務所の女性まで食べてしまうと、この事態に、ホラーク夫妻はオティークを地下室に閉じ込めることにする。
2オテサーネク

ところが、「オテサーネク(食人木)」の民話を読み、かねてからオティークの存在に気付いていたシュタードレル夫妻の娘アルジュビェトカが、実の弟のようにオティークの面倒を見るようになると、オティークもアルジュビェトカの言うことを聞くようになる。
5オテサーネク

しかし、しばらくして食料を用意できなくなったアルジュビェトカは、アパートの住人を「エサ」に選ぶようになり、遂にはホラーク夫妻もオティークに食べられてしまう。
立て続けに人が消えて行くことを不審に思ったアパートの管理人は、オティークの存在に気付くと、泣いて止めるアルジュビェトカを押しのけて、民話で怪物オテサーネクを倒したキャベツ栽培の農婦のように鍬を持って地下室に下りて行く』という話です。
まさにヤン・シュヴァンクマイエル監督のためにあるような民話です。
そして映画の中でも重要な役割をする絵本の「オテサーネク」は監督の奥さんエヴァが民話を元に絵本にしました。
監督は自分のことをシュールレアリストと言っていますが、エヴァもシュールレアリストに間違いありません。
オープニングクレジットの赤ん坊の泣き声と音楽が不安を誘います。
そして魚のように水槽から網で取り出され、新聞紙に包まれ売られる赤ん坊は、いきなりシュヴァンクマイエル監督の世界です。
シュタードレル家の食事ほとんどシチューかスープのようなもので得意の口のアップ、アパートの性欲が衰えない老人、専門書を読む、とてもこましゃくれた子供アルジュビェトカ、家庭菜園でキャベツを作っている管理人のオバさんがシュヴァンクマイエル監督の世界を作り出しています。
この世界が好きな人にはたまらない映画です。
なを「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界」では「オテサーネク」のメーキングが見られます。


エヴァ・シュヴァンクマイエル 「オテサーネク」
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8-2ウィジョヨクスモの花


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