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寺院の彫刻 その80 東南アジアのガネーシャ

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今回は東南アジア地域のガネーシャを見てみます。
ガネーシャは東南アジアにも広がりました。
プノンペン国立博物館には2臂で牙とお菓子の入ったお椀を持っている7世紀のガネーシャ坐像と
1ガネーシャ7世紀8(P)2
前アンコール期の立像があります。
2前アンコール期(P)
とても写実的な像です。
そのほかに10世紀後半と思われる座像があります。
3ガネーシャ10世紀後半
寺院彫刻はありませんが東メボン寺院(10世紀)の楣に可愛いガネーシャが彫刻されています。
4E-MEBON074 2
正面の神はインドラ神で神象のアイラーヴァタに乗っています。
ガネーシャはネズミではなく馬に乗っています。
これと同じ楣がタイのMUANG KHAEK寺院(10世紀)に残っています。
ガネーシャは単独で彫刻されることはあまりなく、シヴァ神の楣に彫刻されていることが多いようです。
PREAH PITHU寺院(12〜13世紀)の楣にもナタラージャとともに彫刻されています。
5PITHU041
それはタイのクメール寺院でも同じです。
ベトナムのダナンにあるチャム歴史博物館にはミソン遺跡で発掘された7世紀の素晴らしい立像があります。
6MYSON E-1 7C
8世紀の坐像もあります。
7ミソンE−18世紀
アンコール遺跡やチャンパ遺跡では思ったほどガネーシャはでてきませんでした。
それに比べるとインドネシアには沢山のガネーシャ像があります。
ドゥルガーのところでお話ししたようにインドネシアの初期寺院では東正面左右には門神ドゥパラパーラが、南面にはグル(シヴァ自身)、西面にはガネーシャ、北面にはドゥルガーが壁面に彫刻されていたので寺院の西面の壁龕にガネーシャが残っています。
8世紀に建立されたゴドン・ソンゴ寺院の第3寺院の西面のガネーシャです。
 8ゴドンソンゴ
9世紀前半のサンビサリ寺院西面のガネーシャは保存状態がとても良いです。
9SANBISARI015 2
LOROJONGGRANG寺院(9世紀)のシヴァ堂西面のガネーシャも内部に安置されているので保存状態は最高です。
10LOLO057.jpg
8世紀のディエン高原の遺跡群に付属している博物館があります。
この遺跡から出土した石像を展示しており、その中にガネーシャ像もあります。
11DIENG068 2
ジャカルタ国立博物館には中央ジャワのマゲランと
12マゲラン9〜10
スマランから出土した9〜10世紀の魅力的な像が展示されています。
13スマラン9〜10
東ジャワには傑作がたくさんあります。
ブリタール市近郊のボロ寺院(13世紀)は現在何もありませんが素晴らしいガネーシャ像1体が残っています。
裏面の彫刻がとても凝っています。
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東ジャワの彫刻には表と裏が全く違う彫像が多く見られます。
SINGOSARI寺院(13世紀)にあった像も素晴らしい出来です。
16GANESA(SINGOSARI) 2
東ジャワのガネーシャはドクロが好きで基壇もドクロです。
日本にもガネーシャは伝わりましたが、形態が違います。
ガネーシャは仏教(密教)に取り入れられ大聖歓喜天としてチベット経由で伝わったようです。
その過程で象頭人身の男女が抱き合う双身像として入りました。
17大聖歓喜天
なぜ抱擁像なのかと言いますと、毘那夜迦(ビナーヤカ)の王である歓喜王が衆生に害を及ぼそうとした時、観音菩薩が大慈悲心をおこして毘那夜迦(ビナーヤカ)婦女の身となり、歓喜王の欲望をおこさせ、毘那夜迦婦女の身体に触れるためには、未来の世が尽きるまで仏法を守護すること、修行者達を守護すること、今後衆生に対して悪事を働かないこと等の約束を取り付けたうえで抱きあったとの物語が伝えられています。
この大聖歓喜天は仏教を守護し財運と福運をもたらす天部の神として全国に広まりました。
18鳥見神社(歓喜天)
全国の聖天様はこの神を祀っていますが、抱擁像のため秘仏になっています。
インドで生まれたガネーシャがそれもパールヴァティーの垢から生まれたガネーシャが日本で聖天様になっているなんてとても面白いですね。

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