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映画の話 その82(かくも長き不在)

109ノゴギニ
マルグリット・デュラス脚本、アンリ・コルピ監督の「かくも長き不在」です。
デュラスが大好きで、原作だけでなく脚本を担当した「Hiroshima mon amour 」、「Moderato cantabile」、「Mademoiselle」などの映画はデュラス色が出た素晴らしい作品でした。
今回もアンリ・コルピ監督との関係が素晴らしく名画になりました。
かくも長き不在
物語はパリ祭の日、パリでカフェを営むテレーズ(アリダ・ヴァリ)の店はいつものように常連客がツールドフランス、アルジェリア、バカンスをどうするなど話し合っている。
テレーズは結婚したが16年前にゲシュタポに夫を連れ去られてしまい消息不明で、手伝いのマルティーヌと店を切り盛りしている。
トラック運転手のピエールが恋人である。
翌日、薄汚れたホームレス風の男(ジョルジュ・ウィルソン)が「セビリアの理髪師」の「陰口はそよ風のように」を口ずさみながら通り過ぎる。
かくも長き不在2
その男を見てテレーズは顔色が変わる。
ゲシュタポに連れ去られた夫に瓜二つだった。
ホームレスの後をつけセーヌの辺りのバラックに住んでいることを突き止める。
しかし男は記憶喪失で過去のことは全く覚えていない。
かくも長き不在4
テレーズは男を店に誘う。
店には夫の叔母と甥を呼んでおいて、確かめてもらうがはっきりしない。
しかし彼女は確信する。
かくも長き不在3
今度は食事に誘う。
そこで彼女はいろいろ昔のことを聞き出すがホームレスは記憶にない。
しかし好物のチーズは同じだった。
食事が終わり、二人はオペラを聴き一緒に歌う。
そして踊った。
かくも長き不在5
その時彼女の手が彼の頭に触る。
そこにはとても大きな傷跡があった。
ゲシュタポの拷問の跡。
たまらず彼女は「あなたは私の愛した人にそっくりなのよ」と言ったが男は困ったような顔をして帰り支度を始め、彼女と握手をして店を出ていく。
店の外では、常連客がテレーズの様子を伺っていた。
彼らは出てきた男に「アルベール!」と彼の本名を呼ぶ。
テレーズは我慢できなくなり、大声で「アルベール・ラングロワ!」と叫ぶ。
男は反射的に立ち止まり、両手をあげる。
かくも長き不在6
戦争時の恐ろしい記憶が蘇った。
その直後、男は全速力で走り出し、トラックの行き交う道路へ飛び出していく。
そしてアベールはまたいなくなってしまった。
テレーズは「冬を待ちましょう」と寂しげに呟く。
冬になって行くあてがなくなれば、彼はきっと帰ってくると。
かくも長き不在7
空き地を歩くホームレスの男から始まります。
「陰口はそよ風のように」を歌いながら。
パリ祭のシーンが入り、花火そして彼女のカフェです。
まずモノトーンがとても美しい映画です。
忙しく働くテレーズの脇の下の汗が印象的です。
ジュークボックスが重要な役割を果たします。
鏡の使い方も上手です。
ホームレスのバラックの前を流れるセーヌ川の中洲にはなんと昔はルノーの工場があったんですね。
ホームレスが食事に招待され、用意した個室に入ろうとした途端の拒否反応、鏡に写る頭の傷跡、最後に呼び止められたときの手のあげ方に戦争の恐怖を感じます。
古きパリの人々の生活が垣間見られます。
いいですね。

8-2ウィジョヨクスモの花


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