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寺院の彫刻 その62(シヴァ12 ラーヴァナに恩恵を授けるシヴァ2)

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今回は東南アジア諸国の「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」の彫刻を見てみます。
まずはアンコールワットへ行きます。
スーリヤヴァルマン2世が12世紀初めに建立した寺院です。
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一番外側の第一回廊は壁面に素晴らしい彫刻があることでも有名です。
「マハーバーラタ」「スールヤヴァルマン王の偉業」「乳海攪拌」「天国と地獄」などが壁一面に彫られ一大絵巻の感があります。
この壁面彫刻は有名ですが、回廊のコーナー内部にある彫刻はあまり知られていません。
しかし、たくさんの神話が彫られているのです。
内部は暗く、さらに彫りが浅いためわかりにくくなっています。
南西のコーナーにはこれまでにお話ししてきた「ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ」「乳海攪拌」「ラーマーヤナ」の各エピソードとともに今回の「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」が彫刻されています。
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少し上部にあり、暗くわかりにくいのですが、10の頭と20の腕を持つあのラーヴァナが見えます。
ラーヴァナの周囲は森で様々な植物、動物がとても細かく彫られています。
さらに上を見上げるとぼんやりシヴァとパールヴァティーが見えます。
ほとんど気づく観光客はいません。
かなりの技術を持った彫り師が彫った傑作です。
次はアンコールワットとほとんど同じ時期に建立されたトマノン寺院へ行きます。
建立は同じスーリヤヴァルマン2世です。
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こじんまりした寺院ですがこの寺院の破風や楣には「ラーマーヤナ」などインド神話が色々彫刻されています。
「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」は破風に彫刻されていますが、保存状態が良くありません。
10の頭と20の腕を持つあのラーヴァナは認められますが、山頂のシヴァとパールヴァティーは何とか分かる程度です。
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またこの寺院には可愛いデヴァターもたくさん彫られています。
次はクメールの至宝と言われるバンティアイスレイ寺院へ行きます。
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この寺院の南経蔵の東面破風にインドに勝るとも劣らないカイラーサ山を揺さぶるラーヴァナの彫刻があります。
967年にジャヤバルマン5世の王師ヤジュニヤ・ヴァラーハが菩提寺として建立した寺院で、バラ色砂岩のとても美しい寺院です。
リンガの参道から堀で囲われた境内に入ると狭い敷地に建物が沢山あります。
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南経蔵の東面破風にはカイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ、驚くカイラーサ山の住民、頂上ではシヴァの膝の上で怯えるパールヴァティー、が赤色砂岩に厚肉彫りで彫られています。
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王師ヤジュニヤ・ヴァラーハはバラモンでインドに精通しており、素晴らしいセンスをしています。
意匠も技術も最高です。
カンボジアのバッタンバンにある博物館にはアンコール期の彫刻が色々展示されています。
その中に「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」の楣を見つけました。
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保存状態は良くありませんが分かります。
ラーヴァナのすぐ上にシヴァとパールヴァティーです。
面白い意匠で10世紀のものだそうです。
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以上が私の見た東南アジアの「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」です。
他の地域には見つけることができませんでした。

ホームページ  www.ravana.jp

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