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石の巡礼 その9(姫路不動院十二天)

AA1_0285のコピー
兵庫県姫路市にある不動院境内の墓地にはとても珍しい石仏群があります。
西国三十三観音霊場を曼荼羅のように見立て、外側に十二天を六天づつ、二つ配したもので、石柱に「願主一心寛政七年(1795)乙卯」とあります。
1不動院1
十二天の刻像は他には知りません。
八方天に梵天、地天、日天、月天を加えたもので、梵天は天に、地天を地に、日天と月天を日と月に、八方天は八方角に割り当てます。
八方天はインドでも同じで方位神(DIKPALAS)と呼びます。
北は毘沙門天―財宝神クベーラ、北西は風天―風神ヴァーユ、西は水天―水神ヴァルナ、西南は羅刹天―ニルリティ、南は焔摩天―冥界神ヤマ、南東は火天―火神アグニ、東は帝釈天―雷神インドラ、東北は伊舎那天―イーシャナです。
不動院では六天づつ、二つに分かれて彫られています。
向かって右側の石造物には帝釈天、火天と焔摩天、梵天、日天と伊舎那天が彫られています。
左側には風天、羅刹天と水天、地天、毘沙門天と月天が彫られています。
帝釈天はインドではインドラ神として手には金剛杵(稲妻のシンボル)を持っています。
この像も右手に持っています。
2帝釈天 東インドラ
    2帝釈天3-20b4b
火天はアグニ神で象徴の火がバックに彫られていますが、この像も後ろに火が彫刻されています。
3火天 東南アグニ
    3火天3-20b5b
焔摩天は冥界神ヤマで閻魔大王です。
手には人頭杖を持ちます。
4焔摩天 南ヤマ
    4焔摩天3-20b6b
梵天はブラフマーで四面四臂なのですぐにわかります。
5梵天(ブラフマー)
    5梵天3-20b1b
日天はインドではスーリヤ神で右手に日輪を左手には蓮華を持っています。
6日天 スーリヤ
    6日天3-20b2b

伊舎那天はインドではシヴァ神で象徴の三叉戟を持っています。
この像も右手に三叉戟、左手に杯を持っています。
7伊舎那天 東北イーシャナ
   7伊舎天3-20b3b



反対側の石造物には風天が彫られています。
風天はインドではヴァーユ神で旗を持っています。
8風天 西北ヴァーユ
   8風天
羅刹天はインドではニルリッティで死を神格化した神で剣を持つ。
9羅刹天 西南ニリチ
    9羅刹天3-20a6b



水天はヴァルナで縄と剣を持ちます。
10水天 西ヴァルナ
    10水天3-20a5b



地天はインドではプリティヴィーという女神でこの像では花を盛った器を持っています。
11地天(ヒリチビ)
    11地天3-20a1b
毘沙門天は多聞天です。
インドではシヴァでこの像も宝棒(三叉戟)と左手には宝塔を載せています。
12毘沙門天 北ヴァイシュナーヴァ
    12毘沙門3-20a3b
月天はインドではチャンドラでこの像は右手で月輪を捧げています。
13月天 チャンドラ
    13月天3-20a2b
日本の八方天はインドの方位神と酷似しており、中国経由で日本に入ってきたことがわかります。
不動院の石仏はとても魅力的です。
中心に西国三十三観音霊場の本尊を石塔に刻み、その周りに四天王を祀り、石塔の前に亀の石像を祀ります。
左右の灯籠には八咫烏と餅つきをする兎を彫り、左右に十二天を祀ります。
いつまでも見ていたい不思議な空間でした。

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