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気になる話 その35 伊東忠太2

24忠太
今回は東京の建築作品を見ていきます。
初めは築地本願寺です。
1築地本願寺
大谷光瑞により依頼され昭和6年に起工し、3年の工期を経て昭和9年に落成され現在に至っています。
いちばんの見所は怪獣ではなく、その外観です。
古代インド建築を取り入れた異様なファサードは一見してお寺には見えません。
アジャンターなど古代インドの仏教窟で仏塔を祀ったチャイティヤ窟のファサードを用いた意匠は伊東忠太でしかなし得なかったでしょう。
2A-CAVE9001.jpeg
そのほか内部階段の仏教説話「三畜評樹」を取り入れた象、猿、鳥の動物達も面白いのですが、写実的で伊東忠太の魅力をあまり感じません。
3築地本願寺
4築地本願寺
5築地本願寺
それよりも正面階段の手すりの左右の獅子が素晴らしい出来です。
羽を持ちグリフィンのようで阿吽になっています。
7築地本願寺 6築地本願寺
不思議なことに手すり上部の獅子は阿吽が反対になっています。
8築地本願寺 9築地本願寺
地下階段の手すりには伊東忠太らしい意匠が見られます。
10築地本願寺
湯島聖堂はお茶の水にある孔子廟です。
現在の建物は1935年に伊東忠太によって設計されたものです。
11湯島聖堂
私はこの近くに住んでいましたから、子供の頃は時々遊びに行きました。
子供にとっては異様なムードで怖かった記憶があります。
ここの見所は屋根の動物(怪物)たちでしょう。
屋根の上から不審者を見張っている鬼龍子と言われる猛獣です。
12湯島聖堂
写実的でとても迫力があります。
樋になっていれば教会建築のガーゴイルですね。
そしてシャチホコです。
13湯島聖堂
鬼犾頭といい魚の体に竜の顔、二本の脚と角をもっているふしぎな生き物で、頭から勢いよく水を吹き出しています。
もちろん火事に対するおまじないです。
そのほか翼を持った狛犬のようなものも見られます。
14湯島聖堂
湯島聖堂敷地内にある斯文会館の屋根にも謎の生き物が見られます。
15湯島聖堂
東京都慰霊堂は墨田区の横綱町公園内にあり、関東大震災や東京大空襲で亡くなった約16万3,000人の遺骨が納められています。
昭和5年に建てられ三重塔を持った寺院風のとても不思議な建物です。
16東京都慰霊堂
ここにもたくさんの不思議な妖怪がいます。
一番興味を持ったのは内部の照明になっている妖怪です。
照明のボールに噛み付いている妖怪は忠太の傑作です。
17東京都慰霊堂
屋根には翼を広げた鳥の妖怪がたくさんいます。
18東京都慰霊堂
隣の東京都復興記念会館にも忠太好みの妖怪が入り口の上から見張っています。
19東京都慰霊堂
屋根の上にも獅子が見張っています。
20東京都慰霊堂
遊就館は九段の靖国神社の境内にあり、1932年に新しい和風の意匠を取り入れたコンクリート造りの和洋折衷で作られました。
21遊就館
特に妖怪がいるわけではなく、入り口に鬼の彫刻があります。
22遊就館
また小窓にはめ込まれた格子の意匠も素敵です。
23遊就館
次回は伊東忠太渾身の作、妖怪達の楽園、一橋大学を訪れます。

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石の巡礼 その28(庚申塔4湘南の庚申塔2)

AA1_0302のコピー
湘南には古い庚申塔がたくさんあります。
前回はその中から青面金剛を刻んだ庚申塔を見てみました。
今回は猿を刻んだ庚申塔を見てみます。
茅ヶ崎市の円蔵にある輪光寺には全国でも古い寛永17年(1640年)の三猿庚申塔があります。
1輪光寺の庚申塔
舟形光背の上部には種字が中央上には烏帽子を乗せた、聞がザルその下に言わザルと見ザルが彫刻されています。
とても可愛い猿たちです。
この後三猿は横一列になるのですがどうしてこの構成になったのかわかりません。
二番目は藤沢の伊勢山公園にある庚申塔です。
2藤沢・伊勢山公園
承応2年(1653)の造立で板碑型で日輪と月輪が彫られています。
上方に胎蔵界大日如来の種子(アーンク)を、その下に梵字光明真言(3行)を彫りつけた、真言密教系の庚申供養塔です。
造立者として本願畠次左衛門以下9名が基礎部に刻まれています。
三番目は茅ヶ崎市矢畑にある本社宮の庚申塔です。
3本社宮の庚申塔
明暦2年(1656年)造立で笠付き塔です。
日輪と月輪はなんとかわかりますが他はよくわかりません。
三猿も磨耗が激しく、表情はよくわかりません。
四番目は茅ヶ崎市浜之郷の龍前院の庚申塔です。
4龍前院の庚申塔
明暦3年(1657年)造立、板碑型でいわゆる「龍前院型」と言われるようになったオリジナルです。
三猿は特徴的でとても愛くるしく、まん丸の小さな目と額のシワが独特です。
上部の日輪、月輪、梵字が何と無くわかります。
五番目は茅ケ崎市堤にある建彦神社です。
5建彦神社の庚申塔
万治2年(1659年)造立です。
「龍前院型」の庚申塔なのですが不思議なことに2猿です。
聞かザルがおりません。
理由は謎です。
同じ万治2年(1659年)造立の庚申塔が藤沢の常光寺にあります。
6常光寺(藤沢)の庚申塔
「龍前院型」ではありません。
笠付き角柱型で上部はキリーク・サ・サクで、阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩の阿弥陀三尊の種字が彫られています。
中央には大日如来の真言が下部には1猿、1鶏が彫られています。
茅ヶ崎のものとはタイプが異なります。
次も万治2年(1659年)造立の庚申塔で藤沢市遠藤の御嶽大神にあります。
7御嶽大伸(藤沢)の庚申塔
「龍前院型」の庚申塔です。
次は茅ヶ崎市柳島の八幡神社の庚申塔です。
8八幡神社の庚申塔
万治3年1660年造立で笠付き3年「龍前院型」です。
3猿はとてもシンプルでグッドデザインです。
寛文3年(1663年)の庚申塔が平塚市の正福寺にあります。
8−2正福寺(平塚)の庚申塔
「龍前院型」ですが保存状態が良くないので表情はわかりません。
次は寛文5年(1665年)造立、茅ヶ崎市赤羽の西光寺です。
9西光寺の庚申塔
「龍前院型」で目がとても可愛い3猿です。
足の指も綺麗に彫刻されています。
藤沢の宝珠寺の庚申塔は寛文六年(1666年)造立でとても忠実に「龍前院型」を守っています。
10宝珠寺(藤沢)の庚申塔
寛文7年(1667年)造立の茅ヶ崎市本村の八王子神社の庚申塔は本社宮と同じ笠付き塔です。
11八王子神社の庚申塔
違いは屋根の破風です。
3猿も縦に長くなっています。
最後は茅ケ崎市香川にある諏訪神社の庚申塔です。
11ー2諏訪神社の庚申塔
寛文10年(1670年)の造立で「龍前院型」ですが唐破風笠付角柱型になりとても立派です。
以上猿を刻んだ庚申塔を見てきましたが時代はくだりますが、とても興味のある庚申塔が江ノ島にあります。
群猿奉賽像の庚申供養塔と呼びますが角柱型の4面に36匹の猿が彫り出されています。
12江ノ島群猿奉賽像庚申塔のコピー 13江ノ島群猿奉賽像庚申塔2のコピー
基壇は岩座のように造られ、塔身の基座には蛇が巻き付いているように作り出されているのは、弁財天信仰にちなんだものです。
36匹の神猿はそれぞれ異なった姿態で山王神の神徳に奉賽しているという構図です。
三番叟の格好をした猿が御幣と扇子を持ち、踊ったり、綱渡りをしたりしています。
とても楽しそうな庚申供養塔です。

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映画の話 その91(ブギーナイツ)

129ペトル
ポール・トーマス・アンダーソン監督のブギーナイツです。
ブギーナイツ1
1970年代のポルノ業界の内部を描いた映画ですが内容がとても深い映画です。
エディ(マーク・ウォールバーグ)は高校生ですがクラブでバイトしています。
そこでポルノ監督のジャック(バート・レイノルズ)にスカウトされます。
巨根と抜群の精力でエディは一躍スターになります。
ブギーナイツ2
ポルノ映画賞を総なめにして絶頂期になりますが、成り上がりの傲慢さで仕事を失い、ドラッグに溺れ、人々から忘れられる、と言うのが大まかなストーリーですが複雑に家庭問題や社会問題が絡みます。
ジャックはとても強い絆で結ばれているファミリー、いわゆるジャック組を持っています。
しょっちゅうジャックの家にファミリーが集まり撮影したり、パーティーを開いたりしています。
ファミリーにとってジャックは威厳のある父親、妻のポルノ女優のアンバー(ジュリアン・ムーア)は優しい母親です。
ブギーナイツ6
人々は色々な悩みを抱えています。
アンバーはポルノ女優で麻薬の逮捕歴がある為に、親権争いで子供を元亭主に取られ会うことが出来ません。
マネージャーのビルは妻が他の男とどこでもセックスするので悩んでいます。
エディと同じ高校生のローラーガール(ヘザー・グラハム いつもローラースケートを履いている)も学校で浮いた存在で中退してポルノ女優をしています。
ポルノ俳優のバックはオーディオショップで働いていますが、ポルノ俳優と言うことで銀行の融資が受けられません。
録音のスコティはゲイです。
ブギーナイツ4
その頃ポルノは映画からビデオに変わる転換期で、映画を愛するジャックは悩みます。
それでなくてもジャックは性のはけ口だけではなく、ポルノにストーリー性や芸術性を求めます。
しかしスポンサーは家庭で見ることの出来る低予算で沢山早く出来るビデオにシフトしたいのです。
70年台はポルノ関係者と言うだけで、差別の対象です。
ジャック組は社会的弱者でファミリーで絆を強くしなければ生きていけないのです。
ファミリーのメンバーも一人、一人、ファミリーから抜けて社会から制裁を受け、ぼろぼろになって戻ってきます。
ジャックとアンバーは優しく迎えるのでした。
ブギーナイツ3
従ってこの映画の主題は家族です。
楽しく過ごした子供時代、そして反抗期、家出など子供の成長を見守る父親、母親の家族愛の映画なのです。
最後には観客に素敵なプレゼントが主役のエディからあります。
それはそれは素晴らしいプレゼントです。

8-2ウィジョヨクスモの花



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食べ物の話 その26(チキンソテー)

128ガレン
私はチキンソテーが大好きです。
昔はどこの洋食屋のメニューにもありました。
ハンバーグステーキと同じ鉄板で熱々の状態で出てきます。
お皿で出てくる場合もありますが、やはり鉄板です。
チキンソテー5
狐色に焦げ目がついた憎いやつです。
皮はパリパリ中はジューシーなやつです。
ソースは醤油系かグレービー系です。
付け合わせの温菜はフライドポテト、グリーンピース・コーン、ニンジンが定番です。
チキンソテー2
メニューの中でもかなりリーズナブルなところも一押しです。
家の近くにとても美味しくて安い鶏肉屋があるので時々家でも作ります。
大山地鶏のお店で骨付きのもも肉で作ります。
オープンで焼いて鉄板がないのでお皿にもります。
クリスマスのチキンもこれですが、手で持ってかぶりつけるように骨にデコレーションした紙を撒き雰囲気を出します。
チキンソテー4
チキンソテーを食べるとき思い出すのがインドです。
以前、中央インドを旅行してハイライトのカジュラホに着きました。
それまでは2星のホテルで夕食はいつも近くの食堂のカレーです。
カジュラホの街はとても小さく遺跡の他は全く何もないところですが、有名な観光地のため様々なホテルが存在します。
いつも2星か3星のホテルなのでここでは最高の5星のホテルに泊まることにしました。
ホテル内は空調が効いてとても快適です。
部屋も綺麗でプールも洒落ています。
遺跡を見学して汗だくで飛び込むプールは最高です。
パラソルとデッキチェアも完備され、冷たいオシボリもあります。
気分はマハラジャです。
夕食はどうしようか考え、外の食堂はこのマハラジャ気分に合わないのでホテル内のレストランへ行くことにしました。
もちろん一番いいTシャツを着て。
レストランはカジュラホの素敵なインテリアでとてもいい雰囲気です。
チキンソテー5
この時期観光客はあまりいないので、レストランも空いています。
テーブルに案内される時に見てしまったのです。
アメリカの観光客が食べているチキンソテーを。
しかも鉄板で。
もうたまりません。
席に着くなりメニューを広げ、肉料理を探します。
ありました。
チキン・ディライトという名のチキンソテーが。
おもむろにオニオンスープとチキンディライトとサラダをオーダーします。
インドではことの他トマトスープが美味しいのですが今日はチキンソテーですのでオニオンスープです。
インドでは生野菜を食べる習慣がほとんどありません。
食堂にある生野菜はトマトとオニオンとキュウリとニンニクぐらいです。
それがここでは日本と同じミックスサラダがフレンチドレッシングで出てきます。
チキンソテー
パンはバターロールが出てきました。
ライスでもよかったのですが、インディカ米なのでやめました。
インディカ米はインド料理には抜群に合うのですが、チキンソテーでがっつり食べるのはジャポニカ米なので今日はパンです。
そしてなんとデザートのカラメル・サンデーまで食べ、コーヒーです。
インドでこんなことをして良いのかと考えながらマハラジャを体験したカジュラホでした。
どこで食べてもチキンソテーは美味しい!

P.S.自宅の近くに夫婦で経営している洋食屋があります。
そこのチキンソテー(チキンファンタジー)が最高です。
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ご夫婦が高齢なのでいつまで続くが心配です。

8-2ウィジョヨクスモの花


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MEMORIES 1970冬

思い出表紙のコピー2
「KENちゃん、こっち」、僕は従姉に呼び出された。
場所は「六本木クローバー」、店内はほぼ満席だ。
昨日電話で友達のKが僕にお願いがあるので8時にクローバーへ来てくれと言う。
僕が従姉の前に座り、コーヒーを頼むと同時に、足首まである黒のマントに黒のタートルネック、黒のミニスカートのKが息を切らせて階段を上がってきた。
Kは15歳だ。
挨拶はするがちゃんと話したことはない。
「KENちゃん、お願いがあるの、人形を貸してもらえるかしら」とK。
昨日の従姉の電話は学校の美術の提出物が出来ていないので僕が以前、従姉に見せたスズキ・コージ風の人形を思いだし、Kのために貸してもらえないかというものであった。
この人形はコーラなどのビンに紙粘土を巻き付け造形して絵具で彩色をし、乾燥したらラッカーを塗って終了なので、とても簡単なため何体も作った。
主に個性的なジャズミュージシャンやロッカー達が題材になった。
「いいよ、今度家にきて選んで」と言ったところで従姉は待ち合わせがあるといって席を立った。
僕は年下の女の子と何を話してよいかわからず、日常会話をした。
わかったことは映画、本、音楽などの知識は相当なもので、僕らはすぐにうちとけた。
もっと話したかったが、Kが父親と待ち合わせをしているので、次の土曜日に目白の「カフェ水野」で合う約束をする。
「カフェ水野」はちょうど僕たちの家の中間にあり、高校時代からよく利用していた。
Kも仲間とよく行くらしい。
「カフェ水野」は目白のはずれ、田中角栄宅の前にあり、とても不便な場所にもかかわらず、日本女子大の学生、OG、遠くから来る常連さんで賑わう。
24時間営業なので夜中もにぎやかである。
ガラス張りの建物の1階にあり、2階は兄弟の服飾デザイナー正夫夫婦のアトリエである。
窓際の席が空いていたのでコーヒーを飲み、外を眺めていたらKがきた。
僕の家に行き、人形を選ぶ。
やはりスズキコージ風の魔女を選んだ。
僕の家は本郷でKは西落合。彼女の家まではちょっとしたドライブである。
車の中でいろいろ話しているうちにいろいろわかった。
Kの母親はT音楽大学のピアノ科の教授である。
偶然、私の母の親戚もT音楽大学のピアノ科の教授で、Kに聞いたら友人であった。
Kの家は瀟洒な住宅街の奥にあり、とても静かなところである。
古いがとても洒落た別荘風の建物で、すぐにKの母親Tが出てきた。
玄関のすぐ脇はTの仕事部屋で30畳位の広い部屋に、スタインウエイとヤマハのグランドピアノがおいてある。
ここでいろいろお話をした。
Tはヘビースモーカーで灰皿はポール・モールの吸い殻の山である。
Tと母親の親戚のMとはとても親しく仲が良いらしい。
Kの部屋は二階にありペントハウスになっていて、天井は屋根の傾斜そのままで低い。
古いがとてもすてきな造りで、入り口のドアーに「去年マリエンバードで」のポスターが貼ってある。
「どんな映画?」
「兄が貼ったのでよく知らないけど、とても難解みたい」
「タイトルがすてきだね」
「観てみたいわ」
Kはストーブをつけた。
屋根の傾斜に沿った窓からは冬枯れた庭が見える。
庭の所々にオブジェが配置されているのがわかる。
Kはピンクフロイドの「原子心母」をかけた。
僕たちはKの本棚にある本について語った。
Kはマンディアルグが大好きで兄の影響が強いと言っていた。
次にKはスリードックナイトの「It Ain't Easy」をかけた。
とても印象的な曲が入っていた。
「Your Song」エルトン・ジョンの曲であった。
Kの部屋はとても居心地がいい。
このままだと夜が明けてしまうのでTに挨拶してKと「カフェ水野」で会う事を約束して帰る。
とても素敵な予感がする。
空を見上げると星が沢山瞬いていた。

♣︎9

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