2020/02/25
音楽の話 その69 (シュガー・ベイブ)

シュガーベイブは「はっぴいえんど」の解散コンサートで知りました。
ファーストアルバム「SONGS」が出るということなのですぐにレコード店に直行です。

アルバムのジャケットがとても渋いのです。
おばさん二人にどんな意味があるのか不思議でしたが後から分かりました。
デザインは山下達郎の友人の金子辰也という人で、フランスの作家アンドレ・モーロワの文章とオランダの写真家ニコ・ジェスの写真で構成された「パリの女」という本の写真を模して書いたものだそうです。
特に意味はなさそうです。

さっそくA面に針を落とします。
とってもかっこいい「SHOW」で幕開けです。
抜群のセンスです。コーラス、ギターのアドリブ最高、でも最高なのは達郎のボーカルです。
この当時このような曲はありませんでした。
エンディングがまた良い。
2曲目は「SHOW」に勝るとも劣らない「DOWN TOWN」です。
なんて楽しいのでしょう。
村松邦男のギターは好きです。

3曲目はター坊(大貫妙子)の「蜃気楼の街」です。
とても頼りないボーカルがまた良い。
4曲目もター坊の「風の世界」です。
私は大好きです。
ユーミンでもなく美奈子でもなくなんとも表現できない世界観を持っているター坊が良い。
次の「ためいきばかり」は村松邦男の曲です。
B面1曲目はター坊の「いつも通り」名曲です。
サックスがイイね。

2曲目は「すてきなメロディー」歌詞は伊藤銀次・大貫妙子・山下達郎、曲は大貫妙子・山下達郎でコーラスがいいね。
3曲目は待ってました達郎!「今日はなんだか」ピアノが最高です。
アバンギャルドなピアノが弾けるのですね。
ター坊最高。
エンディングのホーンも最高。
4曲目は「雨は手のひらにいっぱい」この曲もいいね。
ウォールオブサウンドだね。
5曲目は「過ぎ去りし日々”60’Dream”」は60年代(ニューヨーク)の曲を意識して作ったそうです。
確かにそれっぽい。
特にピアノ。

最後は「SUGAR」はベースが効いているね。
とても楽しい曲。
「SONGS」が発売になった1975年当時、国内外にこのような楽曲を作るバンドはありませんでした。
よく聞いていた10ccと双璧のバンドです。
やはり山下達郎と大貫妙子の才能とセンスが混ざり合ったとても不思議な音楽です。
今聞いても全く色褪せず、個人的には山下達郎のベストの時期のアルバムだと思います。
また大貫妙子の原点のアルバムでもあるのです。
いちばんの魅力はメンバー全員が大切に手作りでコツコツ作り上げたアルバムなのでとても温かいことです。
ヒット性はなく、一部の人にしか受けないアルバムです。
二人の活躍がなければ日の目を見なかったでしょう。
私にとって、とても甘酸っぱいアルバムです。
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