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寺院の彫刻 その72(シヴァ22パールヴァティーと結婚するシヴァ)

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今回の題材は「パールヴァティーと結婚するシヴァ」です。
1結婚
物語のあらすじは
『シヴァ と父親ダクシャの仲違いのために自殺した最初の妻サティーは神々の力によってパールヴァティーとして蘇る。
シヴァはパールヴァティーとの結婚を決意し、パールヴァティーの信念を試そうと試みた。
シヴァは年老いたバラモン僧の姿をとり、苦行に精を出すパールヴァティーに近づき、腹がたいそうすいていると述べ食事を求めた。彼女は喜んで、身体を清め終えたら食事に来るように告げた。
老人はパールヴァティーの庵の近くの河へ行き、河の中に入ってワニに捕らえられようと企んだ。
彼はパールヴァティーに助けを求めた。
彼女は川岸まで来たが、腕を伸ばして彼を助けることは出来なかった。
というのも彼女の夫になるシヴァ以外には、たとえ人を助ける場合でさえ、決して身体に触れては行けないという誓いを持っていたからである。
彼女は途方に暮れてしばらくの間じっと立っていたが、客が間もなくワニに飲まれてしまうことがわかっていたので誓いを棄てて彼女は腕を伸ばし,年老いたバラモン僧をつかみ河から助け上げた。
彼はパールヴァティーに感謝し、本来の姿を現した。
彼女もシヴァ以外の人の手を握ったことの汚名をから免れることになったので,シヴァに非常に感謝し、彼に身を委ねた。
その後シヴァとパールヴァティーの結婚式が催された』という話です。
多くの詩人たちがパールヴァティーに注目し、数多くの賞賛を浴びせました。
その結果人々の心に彼女こそ至上の美、世界中の美が凝縮した存在であるという評価を持つに至りました。
この彫刻はなかなか見つかりません。
特に有名なのはエローラとエレファンタの石窟の彫刻です。
西インドのエローラ29窟(6世紀後半)の彫刻は中央で手を握りあるシヴァとパールヴァティー、左右にはヴィシュヌとラクシュミー、ブラフマー、上方にはたくさんの神々がそれぞれ乗り物(ヴァーハナ)に乗って駆けつけています。
ガンダルヴァやアプサラも集まります。
パールヴァティーは少し恥ずかしそうです。
2E-CAVE29008
エレファンタ石窟(6世紀)の像も構図的にエローラとほとんど同じですが、こちらの方がはるかに出来が良いです。
下部の崩壊が惜しまれます。
3ELEPHANTA
同じ西インドにある石窟JOGESVARI(6世紀)の入り口上部の彫刻です。
わかりにくいのですが中央に手を繋ぐシヴァとパールヴァティー、パールヴァティーの足下には跪く4面のブラフマーが確認できます。周りには沢山の神々が祝福に集まっています。
4JOGESVARI
東インドのブヴァネーシュヴァルにはたくさんのシヴァ寺院があります。
その中でも特に古い寺院に彫刻されています。
PARASURAMESHWAR寺院(7世紀中頃)の楣に素晴らしい彫刻があります。
中央に腕を取り合うシヴァ とパールヴァティー、向かって左には男神、ガルーダやブラフマー、スーリヤなどの神々が捧げ物をしています。
右側には女神が並んで祝福をしています。
5PARASU056-2
7世紀初めのSATRUGHNESHWAR寺院にもパールヴァティーと結婚するシヴァの彫刻があり、たくさんの神々が集まっていますが、シヴァ とパールヴァティーがよくわかりません。
6SATRG013
7世紀後半のSVARNAJALESHWAR寺院でも見つかりました。
7SVARNAJALESHWAR
南インドではPATTADAKALのKASHIVISHVANATHA寺院(8世紀後半)のマンダパにある柱にあります。
なかなか良い彫刻です。
8KASHIVISHVANATHA
MAHAKUTAにあるMAHAKUTESHVARA寺院(7世紀中頃)寺院の彫刻はとても細かく素晴らしい出来です。
9MAHAKUTESHVARA
マディヤ・プラデーシュ州のグワーリオールの城壁(10世紀)でも見つかりました。
インドラやヴィシュヌ、ブラフマーが祝福しています。
10Gwalior Fort10c
同じマディヤ・プラデーシュ州のパダバリにあるBATESWAR寺院(6〜12世紀)でも見つかりました。
11Batesar temple6-11c2
この題材が伝わっていなかったのか、あるいは人気のないモチーフだったのか、残念ながら東南アジアでは見つかりませんでした。

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映画の話 その73(男と女)

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クロード・ルルーシュ監督の「男と女」は以前とりあげましたが、BSで放映していたのを見てもう一度なぜこれほど感動したのか考えたいと思います。
男と女1
第1にストーリーがとても単純で誰にでもわかりやすく、主人公の心の動きが理解しやすい点です。
スタントマンの夫(ピエール・バルー)を事故で亡くしたスクリプト・ガールのアンヌ(アヌーク・エーメ)は、娘をドービルの寄宿学校に預け、パリで一人暮らしをしています。
ある日、娘に会うために寄宿学校に行った帰り、パリ行きの列車を逃してしまいます。
そんなアンヌにカー・レーサーのジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)という男性が車で送ると申し出ます。ジャン・ルイも同じ寄宿学校に息子を預けており、また、妻(ヴァレリー・ラグランジュ)を自殺で亡くしていました。
このパリまでのドライブをきっかけに2人が恋に落ちていくお話です。
男と女2
登場人物は4人と2人の子供でとてもシンプルです。
第2に音楽がすばらしい。
天才フランシス・レイの音楽はどのシーンを取ってもぴったりです。
そしてもう1人ピエール・バルーです。
男と女3
サンバをこよなく愛し映画中の曲「サンバ・サラヴァ(邦題:男と女のサンバ)」は、ヴィニシウス・ヂ・モライスとバーデン・パウエルが作った曲「サンバ・サラヴァ」をピエール・バルーがフランス語に訳して自ら歌ったものです。
また歌手のニコール・クロワジールの声もこの映画にあっています。
第3に設定の妙です。
パリとドービル、ル・マン、モンテカルロ、ブラジル、アンヌの職業のスクリプターは女性の人気職業です。
記録係で監督の右腕です。
ジャン・ルイのレーサーは当時の憧れの職業で世界最高のスポーツはカーレースでした。
男と女8
私の時代はジャック・ブラバム、ジム・クラーク、ジョン・サーティース、など花形レーサーにみんな夢中です。
F1、ル・マン、モンテカルロラリー、インディ500など特に普通の車で参加できるモンテカルロラリーは人気でした。
映画でも優勝候補はミニクーパーです。
日本でもミニは大人気でソレックスやウェーバーのツインキャブ、ナルディのハンドルなどに改良してマーシャルのフォグランプを4つもつけたミニが銀座・原宿を走り回っていました。
そこにムスタングです。
映画の中には名車フォードGT40も出てきます。
そしてレースは実写です。
男にはたまりません。
最後は監督の演出とカメラワークです。
男と女6
オープニングは霧と汽笛、アンヌの「赤ずきん」の読み聞かせ、オルガンがゆっくり流れ漁船が港に戻る。
タイトル、ジャン・ルイはアントワーヌの運転する車で街をドライブ、海岸のボードウォークをゆっくり流します。
ここでメインテーマです。
もう完璧ですね。
シーズンオフのドービルが最高です。
望遠で捉える老人と犬が繰り返し出てきます。
男と女4
この映画はカラーとセピアのモノトーンが入れ替わります。
素晴らしい演出だと思ったら、予算の関係で、野外はカラー、屋内はモノトーンとなったとのことです。
それが素晴らしい効果を生み出します。
なぜならセピアの中のアンヌは信じられない美しさを表現するからです。
男と女9
オープニングの素晴らしさもさることながら、エンディングも見事です。
この終わり方しかないと思いました。
今見ても名画は色褪せません。

P.S. 大好きなアンナ・カリーナが亡くなりました
  心より御冥福をお祈りいたします

8-2ウィジョヨクスモの花


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石の巡礼 その19(狛坂磨崖仏)

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今回は滋賀県琵琶湖の南東にある金勝山の中腹の岩肌に刻まれた異国情緒漂う狛坂の磨崖仏です。
ここへ行くには2時間半のハイキングです。
色々な行き方がありますが今回は桐生キャンプ場の駐車場からスタートです。
車を止めて林道を歩き始めます。
少し歩くとオランダえん堤がありとても素晴らしいロケーションです。
狛坂磨崖仏1
渓流に沿って落ち葉の林道を進むと上を新名神高速道路が通るトンネルを抜けます。
だんだん登りがきつくなってきます。
小川のせせらぎと小鳥のさえずりが気持ちよいのはここまでで、突然道が細くなりさらに急になります。
すると木立がなくなり巨岩が至る所に出ている韓国の南山みたいなところを抜け、再び林の中をひたすら登ります。
狛坂磨崖仏2
韓国慶州の南山ほどキツくはありませんがもう登るのが嫌になった頃、突然林の中に石垣が現れます。
これが816年建立された狛坂寺の跡で石垣と礎石だけが残ります。
その少し開けた薄暗い中に巨石が見え、そこに写真で見た我が国屈指の如来三尊が鎮座しています。
狛坂磨崖仏3
登山の疲れが吹っ飛びます。
中尊は弥勒如来と言われており両側に菩薩立像、頭上には蓮華座上の如来三尊が2組、左右にも蓮華座に立つ菩薩像が彫られ、向かって左側の小岩に如来三尊が彫られています。
狛坂磨崖仏4
彫られた年代ははっきりしていませんが、平安時代初期の810年から824年ごろとの説が有力です。
奈良時代後期との見方もあります。今まで見てきた磨崖仏や石仏とは感じが明らかに違います。
韓国、特に慶州の磨崖仏によく似ています。実際、作者は像の作風から渡来人と考えられています。
狛坂磨崖仏5
おそらく新羅系の石工と思われます。4世紀末から5世紀の始めにかけて秦氏と漢氏が朝鮮半島から我が国に集団渡来しました。朝廷は秦氏に山背と近江、漢氏には大和と河内に居住を許しました。
秦氏は京都盆地を拓き、近江の湖東を開拓し、農耕、養蚕、機械などの文化を伝えました。
そして商業を営み、財産を蓄えていきます。一方漢氏は朝廷の中枢で活躍する政治家や武官を輩出して、権力の座を占めていきます。
5世紀末から6世紀にかけて高句麗に滅ぼされた百済の民がこぞって亡命してきます。
彼らは大陸の新しい技術を日本へもたらしました。
そして技術の分野に応じて鍛冶部、鞍部、陶部、錦部などの部民に編成され、古代国家の基準となる部民制を成立させるもととなりました。
また諸博士、仏師など技術者を大和朝廷にさしだし、大和、河内、山背、摂津の畿内に次々と寺院が建立されました。
7世紀の中頃には、百済、高句麗、新羅の人々が亡命してきます。
琵琶湖の南部、東部(湖南、湖東)にはこれら渡来人が多く住んでおり、当然優れた石工や彫刻師が工房を持っていたと思われます。
実際私が慶州の南山に登り、磨崖仏を見て回った時と、とても雰囲気が似ていると思いました。
<韓国慶州 南山の磨崖観音像>
狛坂磨崖仏6磨崖観音立像
また花崗岩の質もよく似ているそうです。
渡来系の人達が、故郷を思い、この地に磨崖仏を彫った可能性は十分考えられます。
<韓国慶州 南山の七仏庵石仏>
狛坂磨崖仏7七仏庵石仏
湖東・湖南の旅は何故かワクワクします。

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音楽の話 その67(はっぴーえんど2)

ガンジーファ - 018
「はっぴーえんど」のセカンドアルバム「風街ろまん」は発売日に購入しました。
なんとジャケットは4人の顔写真です。
はっぴいえんど2
とても面白いアイデアだと思いました。
見開きの内側には当時流行していた宮谷一彦のイラストで懐かしい都電が描かれています。
そこには松本隆の書き下ろしで「風狂い」が掲載されていました。
「はっぴーえんど」と同じ世代なので近代化で急激に失われゆく古きよき日本(東京)の姿を「風街」という架空の街にみる、といったテーマがよくわかります。
期待感をもってA面(風)に針を落とします。
ベースラインが特徴的な「抱きしめたい」です。
この一曲で歌詞も曲も演奏も数段進歩したことがわかります。
自分たちの目的に対する自信が伝わります。
そういう意味でも1曲目にふさわしい曲です。
2はっぴーえんど2
2曲目は「空いろのくれよん」は苦手なカントリーですが、松本隆の詩が素晴らしく、大瀧詠一の曲もぴったりです。
3曲目の「風をあつめて」も松本隆の詩と細野晴臣の曲とがぴったりで、「ゆでめん」とは大違いです。
細野晴臣の代表曲です。
オルガンがたまりません。
続く「暗闇坂むささび変化」も細野晴臣の曲です。
大瀧詠一のハモリも良いです。
当時、麻布は何もないところで、暗闇が広がっていました。
六本木で働く怪しげな人たちがたくさん暮らしていました。
5曲目「はいからはくち」は松本隆にしか書けない詩、鈴木茂にしか弾けないギター、細野晴臣にしか弾けないベース、大瀧詠一にしか歌えません。
したがって「はっぴーえんど」の代表曲です。
3はっぴーえんど2
「ハイカラ・イズ・ビューティフル」というのは当時のコマーシャルのパロディです。
いよいよB面です。
「夏なんです」はMoby Grapeの影響を感じますが完全に「はっぴーえんど」の世界です。
松本隆の詩と細野晴臣の曲が完全に同じ世界を表現しています。
「ゆでめん」ではあまりしっくりいっていなかった松本隆と細野晴臣のコンビは最強になりました。
「花いちもんめ」はみんなから勧められ作った鈴木茂のデビュー曲。
「あしたてんきになあれ」は独特の歌詞とテンポが面白い。
4はっぴーえんど2
「颱風」は大瀧詠一の作詞作曲、もろトニー・ジョー・ホワイトですが、完全に大瀧詠一になっています。
こういう曲を歌う大滝詠一はとても楽しそうです。
「春らんまん」はバッファーロー・スプリングフィールド風の曲。
鈴木茂のギターが良い。
「愛餓を」はおまけです。
5はっぴーえんど2
「ゆでめん」はウエットな感じで湿度がとても高く洗濯物が乾きません。
「風街ろまん」はちょうど良い湿度でとても過ごしやすいです。
次の「HAPPY END」はとてもドライで乾燥しているので火の元に注意です。
そして解散してしまいました。
したがってこの風街ろまんはとても聴きやすく、万人が認める最高傑作です。
このアルバムの中に、これからたどる4人の全てが現れています。
このアルバムが果たした役割は計り知れません。
私はこれから4人の音楽を求めていくことになり、荒井由実を知るのです。

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気になる話 その26 お人形様

サンチーお人形様
福島県の郡山周辺にある阿弥陀来迎供養塔を調べていましたら、郡山の北東にある田村市の船引町にお人形様と言われる風習があるのを知り、来迎供養塔を見学しながら行ってみました。
田村市は滝桜で有名な三春町の隣の町で私が訪れた4月の終わりはまだ桜が少し残っていました。
三春町
お人形様とはいわゆる人形道祖神で秋田の人形道祖神と同様に、集落から悪霊や疫病の侵入を防ぎ、道中安全や交通安全など、さらに子宝、豊作などを祈願したと思われます。
またこのお人形様は、久比毘古命(くいびきのみこと)を祀ったとされ、この神はかかしを神格化したものであり、 田の神、農業の神、土地の神であるので、収穫祭や小正月に「かかし上げ」の祭りを行うところもあります。
現在は磐城街道沿いの田村市船引町の三つの集落、屋形・朴橋(ほうのき)・堀越の三体と船引の駅に一体あります。
以前はこの他にも、芦沢光大寺、大越町牧野の田村市に二ヶ所、さらには田村郡三春町芹ヶ沢横台道の津島神社などにあったといわれていますが現在はありません。
基本的に身の丈4メートルほどになり、なぎなた、刀を持ち、両手を広げ、通せんぼのしぐさをしています。 

顔は大鬼の形相で、外から悪いものが入ってこないように、にらみをきかせています。
まずは屋形地区のお人形様を見に行きます。
屋形お人形様
芦沢地区で、朴橋のお人形様とともにまつられているもので、かつては街道の北側の丘に南向きに立てられていましたが、現在は、屋形地区の公園内に西向きにまつられています。

お人形さまの大きさは、背丈がおよそ4メートル、お面は高さが125センチメートル、幅80センチメートル、厚み10センチメートルという木彫りのもので、ベンガラによる赤、胡粉による白、砥の粉による茶、松煙墨による黒で彩色しています。
屋形お人形様2
作り方は4本の支柱の骨組みに桟をわたし、頭上には竹籠をかぶせ、支柱のまわりはムシロで囲んで胴とします。
藁の腹帯には幣束をはさんで、右手にナギナタ、左の腰に刀をはさんでいます。

このほかに人形の部品として作るものには前掛け、耳、手、腕、帯、ナギナタ、木刀、幣束があり、前掛け、耳、手、腕、帯は藁で作られます。
頭には杉の葉をタテガミのようにつけ、面のまわり全体に杉の葉によってヒゲがつけられています。
朴橋のお人形様は芦沢字朴橋地内にあり、現在の主要地方道郡山大越線に面した北側の丘の上に街道を見下ろすように立っています。
朴橋(ほうのき)お人形様
屋形のお人形様とほとんど変わりませんが、、屋形の白い歯をむきだしにした大きい口とは違って口もとは小さく、しかも金歯です。
朴橋(ほうのき)お人形様2
また、屋形の獅子のようなひげに対してほおひげもなくさっぱりとした感じがします。
堀越のお人形様は明治40年以来87年ぶりに現在の三春門沢線と郡山大越線の分岐点にある明石神社境内に復元されたお人形様です。
堀越お人形様
もともとは、神社から150メートル程西の堀越字丸森地内の畑の片隅に立っていたもので、つい先頃まではその畑内に立っていた跡が残っていました。
堀越お人形様2
なぜ明治40年にお衣替えや祭礼が断絶したのかという詳しいことはわかっていませんが、おそらく明治38年の大飢饉に由来するものといわれています。
面は屋形や朴橋のお人形様よりも古いものでおそらく江戸時代に作られたものです。
それを新たに色付けしたものです。
最後に一体おまけです。船曳駅構内のホームにあります。
船引駅内のお人形様
少し小ぶりですがしっかり作られています。
私が行った時は新しく作り変えられていませんでしたので、顔の周りの杉の葉が茶色でした。
船引駅内のお人形様2
どんどん昔の風習がなくなるなか、船曳町の方々の努力でこの重要なお人形様の風習はしっかりと受け継がれていると思いました。
さらにあと二ヶ所も復活したらなー。
屋形

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映画の話 その72(トト・ザ・ヒーロー)

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 今回はジャコ・ヴァン・ドルマル監督の「トト・ザ・ヒーロー」です。
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こういう映画は好きです。
ストーリーは老人ホームで余生を送る主人公トマの一人称で語られるので実際の話なのか、彼の妄想なのかわかりません。トマは自分が産院の火事によって取り違えられた赤ん坊だと思っています。
トマは両親と姉とダウン症の弟と幸せに暮らしています。
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飛行機のパイロットであった父がピアノを弾き、姉のアリスがトランペットを吹く楽しい家庭です。
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同じ日に生まれた前の家に住んでいるアルフレッドとはライバルです(取り違えられた赤ん坊はアルフレッドと考えています)。
ある日父親が飛行機事故で亡くなります。
とても仲が良い姉は火事で亡くなってしまいます。
トマはアリスに対しては兄弟以上の感情を持っていました。
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トマは成長し測量学を学び生計を立てています。
ある日姉のアリスそっくりのエヴリーヌに出会い、二人は愛し合いますがエヴァリーヌはなんとアルフレッドの妻でした。アルフレッドもまたアリスが好きで、彼女の面影を求めてエヴァリーヌと結婚しました。
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愛し合っている二人でしたがトマはエヴァリーヌから離れます。
そして一人で生きてきて、現在は老人ホームに入っているのです。
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ある日トマは老人ホームを脱出してアルフレッドに会いに行きます。
アルフレッドはエヴァリーヌと離婚し自分と同じ老人になっていました。
アルフレッドはトマとエヴァリーヌの関係は知っており、いまでもエヴァリーヌと時々あっていました。
そして今でもエヴァリーヌがトマのことを愛していることを伝え、二人を合わせます。
一方アルフレッドが殺し屋に狙われていることを知ったトマはアルフレッドになりすまし、殺し屋の弾丸に倒れるのでした。
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ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の初監督作品とは思えない、余裕の大人のファンタジーです。
カメラはカンヌ映画祭でカメラ・ドールに輝きました。
いちばん記憶に残るのは音楽です。
しつこいくらいかかるシャルル・トレネ作曲のシャンソン「ブン(Boum)」です。
父がピアノを弾き歌い、姉のアリスがトランペットを吹く家族みんなが楽しそうなシーンが最高です。
庭のチューリップも楽しそうに踊ります。
主役はトマではなくアリスです。
アリスのサンドリーヌ・ブランクがとても魅力的なのです。
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子供の皮を被った大人の女性です。セクシーなのです。
ドキッとするシーンがたくさんあります。
猫の死骸、母がスーパーで頭に生肉を乗せているシーン、アリスがマリア像を壊すシーン、アリスのヌードなどは監督のセンスがにじみ出ています。
アリスが大人になったようなエヴァリーヌ(ミレーユ・ペリエ)も大好きです。
レオス・カラックスの「ボーイ・ミーツ・ガール」の印象が強烈ですがとても良い演技をしています。
「ボーイ・ミーツ・ガール」の時は歯並びが欠点でしたが、綺麗になっていて驚きました。
トマが憧れる映画の主人公トトの挿入も秀逸です。
悲劇なのですが、とても楽しいジャコ・ヴァン・ドルマル監督の逸品です。

8-2ウィジョヨクスモの花


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