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気になる話 その19 ERNST HAECKEL

サンチ−2塔035
以前箱根の強羅温泉に友人たちと行きました。
たっぷり源泉掛け流しのお湯を堪能した後、翌日の予定を考えました。
この旅館はポーラ美術館に近かったので、ポーラ美術館へ行くことにしました。
ポーラ美術館は林の中にあるとても近代的な美しい博物館でした。
1ポーラ美術館
その時は「エミール・ガレ―自然の蒐集」というエミール・ガレの展覧会を行なっていました。
私はガレやラリックが大好きなので興奮して入場しました。
ここでエルンスト・ヘッケルに出会うのです。
ガラス工芸の分野におけるアール・ヌーヴォーの旗手として知られるガレは、文学や哲学、修辞学、音楽、植物学、鉱物学、そして生物学といったように、多岐にわたる関心を有しており、特に森と海に魅了されました。
3ガレクラゲ
したがってガレの作品には森の植物、昆虫、動物、海の生物などが多いいのです。
その中で海の生物を研究、参考にしたのがヘッケルの書物です。
4ガレクニダリア文花器
この展覧会にはヘッケルも紹介され、「驚異の海」というコーナーで参考にした著書「生物の驚異的な形」も展示してありました。
その図版にとても興味を持ったのです。
ヘッケルは1834年に生まれ、医者で比較解剖学の教授になりました。
2エルンスト・ヘッケル
画家としても認められ、特に生物画家として高く評価されています。
有名な「生物の驚異的な形」は当時百科事典が流行し、この本も各家庭に浸透したと言われています。
この時代19世紀後半はジュール・ヴェルヌの『海底二万里』の流行に代表されるように、19世紀後半は海洋学や海の生物についての関心が一際高まった時代でもありました。
ガレ自身も「深海に潜る勇敢な海洋学者たちが、大洋の神秘をわれわれにもたらしてくれ、研究者は海の七宝螺鈿ともいえる珍しい物体の形態を写生し出版して芸術家に供してくれるのです。」と言っています。
5ガレクモヒトデ文蓋物「
生物学者だけでなく、アール・ヌーヴォーやユーゲントシュティールといった20世紀初頭の芸術や建築にも大きな影響を与えています。
ヘッケルの研究はクラゲなどの無脊椎動物、放散虫(海産プランクトン)の図解研究が有名です。
この「生物の驚異的な形」の放散虫の幾何学的美しさは驚異的です。
早速取り寄せたこの本は放散虫、クラゲ、クモヒトデ、ナマコ、貝、フグ、カメ、カエル、コウモリ、ハチドリ、シダ、ラン、など100枚ほどの美しいイラストで構成されています。
6ヘッケル1
8ヘッケル3
9ヘッケル4
10ヘッケル5
11ヘッケル6
12ヘッケル7
見ていると放散虫もフグも植物のランも同じ仲間に見えてくるから不思議です。
この本のタイトル「Kunstformen der Natur」は「生物の驚異的な形」と訳されていますが、「自然の芸術的形態」の方がぴったりします。
この本の最重要テーマの一つが対称性と秩序です。
これが自然の芸術的形態だと思います。
ヘッケルの影響はアールヌーボーのガレだけではなく、建築家のルネ・ビリにも影響を与え、1900年パリ万博の入り口の門もまさに放散虫類です。
14ルネビネの1900年パリ万博の入り口
植物学者で写真家のカール・ブロスフェルトもヘッケルに触発されて植物のクローズアップ写真を沢山残しました。
15ヘッケル
ヒメシャラの林が美しい、箱根の美術館でとても素晴らしい体験をいたしました。

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寺院の彫刻 その64(シヴァ14ガンジス河の下降を受け止めるシヴァ)

PANATA132.jpg
今回は「ガンジス河の下降を受け止めるシヴァ」の彫刻です。
ガンガダーラ3
『昔アヨーディヤー国に徳の誉れ高いサガラ王がいた。
彼は跡継ぎがないことを悩み二人の妻を連れてヒマラヤ山で苦行をおこなった。
100年が過ぎたときブリグ仙が現れ「そなたの妃の1人は王家を興す1人の息子を生み、もう1人の妃は勇猛で名声の高い6万人の息子を生むであろう。どちらが良いか妃達自身で選びなさい」と恩寵を与えた。
そこでケーシニー妃はアサマンジャという1人息子を産み、スマティ妃は大きな瓢箪を産み落とした。
そしてこの瓢箪から6万人の息子達が誕生した。
ガンガダーラ
アサマンジャは頭は良かったが素行が悪く、善良な人々を苦しめたのでサガラ王は都から追放した。
6万人の息子達は皆美しい若者に成長した。
そこでサガラ王は馬祠祭を執行することにした。
馬祠祭は領土の主権者であることを知らしめるもので、1年間、1匹の馬を領土内に自由に歩き回らせた後、神々の犠牲にするものである。
馬が失踪したり、奪われたりすることは大変不名誉なことなので、武装した護衛兵が馬に従うことになっている。
サガラ王は追放したアサマンジャの息子アンシュマット王子に護衛させた。
ガンガダーラ4
ところがその大切な馬が忽然と消えてしまったのである。
サガラ王はすぐ6万人の息子に捜索を命じた。
あらゆる所を探したが見つからなかったので大地を掘り下げて捜索した。
この捜索は地中世界の蛇族、アスラ、羅刹などの住民をことごとく殺し、ついに地下界まで掘り進んだ。
そしてカピラ仙の住居の傍らで草を食む馬を発見した。
王子達はカピラ仙が馬盗人だと思い、殺そうとした。
カピラ仙は6万人の王子に向かい「フン」と一声発すると、あっという間に王子達は灰塵となってしまった。
王子達から連絡がないことを心配したサガラ王はアンシュマット王子に彼らの追跡を命じた。
ガンガダーラ5
知恵と能力と威厳を持つ王子はカピラ仙の住居を探し当てた。
彼は礼儀正しい勇士だったので、カピラ仙は馬を帰し、王子達が灰塵に帰したことを語った。
そして彼らの魂を天国に導くためには、天界を流れるガンジス河の水をかけて供養する必要があることを教えた。
やがてアンシュマット王子は王位を継承し、彼の孫バギーラタ王は6万人の大叔父の供養を成就させるために苦行を続けた。
1ヶ月に1度しか食事をとらず、腕を上に挙げたままの日々が長く続いた。
その不屈の姿にうたれたブラフマー神はガンジス河を地上に降下させても良いと許可を与えた。
ところが天界の大河が地上に降下する際、猛烈な衝撃が地上を襲う。
そこでバギーラタ王はシヴァにクッションになってもらうよう祈った。
祈りはシヴァ神に通じ、シヴァ神は天界から流れ落ちるガンジス河の水を自らの頭髪で受け止めた。
シヴァの頭髪で力を弱められたガンジス河は7つの支流となって大地を潤した。
この河で清められた6万王子の灰塵は元の身体に戻り、天国へ導かれた。
こうしてシヴァ神はガンガダーラという名称を受けた』という話です。
ガンガダーラ2
彫像としてはシヴァが上方の手でガンガー河を受け止めるために、頭髪をつかんで広げている姿で表されます。
隣にはパールヴァティーが寄り添い、上方にはガンガー女神が認められます。
この彫刻は南インドで特に気に入られたようです。
南インドのマハバリープラムにとても興味深い彫刻があります。
1APENAN005
ガンガーが下降する前、バギーラタが苦行しているところです。
大きな岩一面に彫刻されており、中央にはガンガーが流れ、そこにはナーガが彫刻され、向かって左側には片足で両手を上にあげて苦行をしているバギーラタ、その隣にシヴァ神、下方にはヴィシュヌの寺院、中央のガンガーに向かって集まる神々、動物など、右側にも巨大な象を始め、神々や動物がガンガーに集まる様子が彫られています。
ARJUNA'S PENANCEーガンガーの下降」といい大スペクタクルです。
2APENAN010
7世紀中頃に彫られ、当時は中央のガンガーに水が流れていたそうです。
近くに試し彫りをしたのか未完成の「ガンガーの下降」があります。
バギーラタとシヴァはわかります。
3彫りかけA002
同じくマハバリープラムにあるADIVARAHA MANDAPA(7世紀中頃)です。
石窟寺院で内部には沢山の彫刻があり、その中に「ガンジス河の下降を受け止めるシヴァ」があります。
4腕で髪を持ち上げ、上部には合掌しているガンガー女神が彫刻されています。
3ADIVA001
 隣のKANCHIPURAMにあるKAILASANATHA寺院(7世紀末)の壁龕にはパールヴァティーを伴い4腕で髪を持ち上げているシヴァが彫刻されています。
4KAILASANATHA
この寺院の周壁の小堂にも髪を持ち上げ、上部には合掌するガンガー女神が彫刻されたパネルがあります。
同時期のIRAVATANESHWARA寺院にもあります。
6IRAVATANESHWARA
「ガンジス河の下降を受け止めるシヴァ」の最高傑作はTIRUCHIRAPPALLIの LALITANKURA CAVE(7世紀初め)です。
ガナの上に片足を乗せ4腕で髪を広げ、上部にはガンガー女神、周りには神々を従え、容貌も衣装も素晴らしい出来です。
6TIRUCHIRAPPALLI LALITANKURA(CAVE)
AIHOLEの RAVANAPADI CAVE(6世紀後半)にも素晴らしい彫刻があります。
パールヴァティーを伴い4腕で髪を広げ上部には合掌するガンガー女神(三面)が彫刻され隣には苦行をしているバギーラタが彫刻されています。
7RAVANAPADI
東インドのBHUBANESWARにある8世紀のSISIRESHWAR寺院です。
パールヴァティーは見当たらず4腕で右上にガンガーが彫刻されています。
7Sisireshwara-020
ELEPHANTA(6世紀後半)の彫刻は4腕で髪を広げ、パールヴァティーを伴い、上部にはガンガー女神が、二人の周りには沢山の神、女神、天人、天女が集まって祝福しています。
8ELEPHANTA
GANGAIKONDACOLAPURAMにあるチョーラ朝の巨大寺院BRIHADISHVARA寺院(11世紀中頃)の彫刻はパールヴァティーを伴い4腕で髪を広げ、髪の上にガンガー女神が彫刻されていますがあまり出来が良くありません。
9GANGAIKONDACOLAPURAM
MELAKKADAMBURにあるAMRTAGHATESVARA寺院(1100年)の彫刻は厚肉彫で彫像です。
ガナを踏みつけパールヴァティーを伴い、髪を広げています。
上部には合掌するガンガー女神が認められるオーソドックスな像です。
10MELAKKADAMBUR.jpg
「ガンジス河の下降を受け止めるシヴァ」の彫刻は特に南インドでは好まれて彫刻されたモチーフです。
東南アジアでは見つかりませんでした。

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映画の話 その60(未来世紀ブラジル)

91スンタヌ
テリーギリアム監督の未来世紀ブラジルです。
テリーギリアム美術満開です。
ブラジル1
あらすじは20世紀のどこかの国。
情報省はテロの容疑者「タトル」を「バトル」と打ち間違えてしまい、無関係なバトル氏を無理やり連行していく。
それを一部始終見ていた上の階に住むトラック運転手のジル(キム・グライスト)が抗議をするも、全く相手にされない。一方、情報局に勤めるサム(ジョナサン・プライス)は、このミスをなんとかするために試行錯誤していた。
近頃サムは、夢の中でナイトの格好をして、美女を助け出すというおかしな夢を見ていたが、情報省に抗議に来ていたジルがその美女にそっくりだということに気づく。
ブラジル5
ある日、サムが家に帰るとダクトが故障しており、非合法のダクト修理屋と名乗るタトル(ロバート・デ・ニーロ)が勝手に直してしまう。
ブラジル3
サムはまた夢の中でサムライの怪物と戦い、美女を救う夢を見る。
ブラジル2
サムはジルの正体を知るために断っていた昇格を望み、友人であったジャック(マイケル・ペリン)の元を訪ねる。
そして、様々な事柄が複雑に絡まりあっていくというものです。
モンティ・パイソンのテリーですから風刺とお笑いはお手の物です。
近未来なのに、妙にレトロな所が素晴らしい。
特にレストランや母親の家の中はまるで19世紀のアール・ヌーボーです。
ブラジル4
そしてそこに住民を管理する巨大なダクトが居座ります。
そもそもハエなどがいないはずの情報局の部屋で神経質な役人が叩き落としたハエがコンピューターに入り誤作動を起こし無関係なバトルが逮捕されてしまうのです。
サムは夢の中で羽をつけた戦士で空を自由に飛び回り、ジルと思われる美女を助けるために鎧兜のサムライの怪物(大魔神?)と戦うのです。
ブラジル6
結局情報省から追われる、サムとジルですがなんとか結ばれたその日に二人とも逮捕されてしまいます。
サムは友人のジャックから拷問を受けますが、タトルと仲間に助け出されます。
そしてジルと二人で遠くへ逃げて幸せに暮らす・・・・・というのは拷問に耐えかねたサムの妄想でした。
ジルは殺されていました。
サムは朦朧として一人「ブラジル」のメロディを口ずさむのでした。
ブラジル7
全編を通して流れる音楽「ブラジル」は1939年のアリ・バホーゾの作品「ブラジルの水彩画」です。
ギリアムがウェールズの鉄鋼の街で夕日を見ていた時に流れてきて、イメージが広がって出来たということです。
サンバの曲ですがニーノ・ロータの曲のようでもありますね。
隅々にオマージュが沢山ありますがそんなこと知らなくても楽しい映画です。
私はテレイン夫人と娘のシャーリーが大好きです。
テリーギリアム美術は最高!

8-2ウィジョヨクスモの花


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石の巡礼 その11(石尊神社不動明王三十六童子)

AA1_0287のコピー
今回は前回に引き続き不動明王の眷属三十六童子を見に行きます。
前回は神奈川県鎌倉市今泉にある称名寺を訪れましたが、今回は山梨県北杜市白州にある石尊神社を訪れます。
白州は南アルプスに囲まれ名水尾白川が流れ、サントリーの白州蒸留所がある風光明媚なところです。
サントリーの白州蒸留所のすぐ裏には霊山雨乞岳が聳えその麓に石尊神社があります。
1参道松並木
参道には赤松の巨木が松並木を形成して独特の雰囲気を漂わせています。
参道を抜けるととても急な長い石段があり、この上に拝殿本殿があります。
3参道
この超急な石段の左右に三十六童子が所々安置されているのです。
高所恐怖症の私はこの急な石段から急な斜面に立っている童子のところへ行って写真を撮ることは拷問です。
上りはまだ良いのですが下りが問題です。
怖くて後ろ向きにおり、童子を見つけて写真を撮らなければなりません。
幸い石段の中央に鉄パイプの手すりがついているのでこれにしがみつきます。
石段を登りきると正面に拝殿が建っています。
3拝殿
拝殿の前には不動明王三尊や童子が10体左右に分かれて安置されています。
15不動三尊
神社は神仏習合の形態をとっていたために参道や境内に不動明王三十六童子が残っているのです。
不動明王は一般的に矜羯羅(こんがら)、制多迦(せいたか)の二童子を従え不動三尊の形で表されます。
六童子を加えて八大童子を従える場合、さらに三六童子を従える場合もあります。
<阿婆羅底童子・伊醯羅童子>
4阿婆羅底童子
5伊醯羅童子
<因陀羅童子・烏婆計童子>
6因陀羅童子
7烏婆計童子
<虚空蔵童子・計子爾童子>
8虚空蔵童子
9計子爾童子
<計子爾童子・獅子光童子>
9計子爾童子
10獅子光童子
<智慧幢童子・波利迦童子>
11智慧幢童子
12波利迦童子
<法挟護童子・不明>
13法挟護童子
14不明
<虚空護童子・光網勝童子>
16虚空護童子
17光網勝童子
<仏守護童子・宝蔵護童子>
19仏守護童子
20宝蔵護童子
不動明王を本尊としている寺院では八大童子や三十六童子を安置しているところがありますが、三十六童子は容姿や持ち物が儀軌で決められているわけではなく、特に順番もありませんので、どの像がどの童子を表しているのか分かりません。
手掛かりは像に掘られている名前ですが野外に安置されているため風化や破損でこれも分からない像があります。
なんとか恐怖心に打ち勝ち写真を撮りました。
参道脇に立派な土俵があります。
23土俵
土俵は江戸時代末期から続く奉納相撲のためでした。
今も毎年行われています。
神社のそばを清流が流れています。
サントリーがここに蒸留所を作った訳が分かりました。
空気も水も美味しく、さらに霊山雨乞岳の霊気も含んでいます。
とりあえず三十六童子の名前を列挙しておきます。
矜迦羅童子、制叱迦童子、不動恵童子、光網勝童子、無垢光童子、計子爾童子、智慧憧童子、質多羅童子、召請光童子、不思議童子、羅多羅童子、波羅波羅童子、伊醯羅童子、獅子光童子、獅子慧童子、阿婆羅底童子、持堅婆童子、利車毘童子、法挟護童子、因陀羅童子、大光明童子、小光明童子、仏守護童子、法守護童子、僧守護童子、金剛護童子、虚空護童子、虚空蔵童子、宝蔵護童子、吉祥妙童子、戒光慧童子、妙空蔵童子、普香王童子、善爾師童子、波利迦童子、烏婆計童子の三十六童子です。

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音楽の話 その59(トム・ウェイツ)

ガンジーファ - 076
トム・ウェイツの「Closing Time」アルバムはジャケ買いしました。
うらぶれたクラブの酔いどれピアノ弾きの雰囲気がとても気に入ったのです。
トムウエイツ1
カントリーぽい曲はあまり好きではないのですが、A面一曲目の「Ol' '55」は結構好きでした。
やはりブルージーな「Virginia Avenue」や「Midnight Lullaby」に惹かれます。
「Little Trip to Heaven」と「Lonely」は最高です。
この曲だけで買う価値はあります。
「Grapefruit Moon」も佳作です。
トムウエイツ3
哀愁漂う「Closing Time」はエンディングにふさわしい曲です。
セカンドアルバム「The Heart of Saturday Night 」のジャケットも最高です。
トム・ウエィツのことを知らなくでもジャケ買いです。
トムウエイツ2
A面に針を落とした瞬間にニヤリです。
「New Coat of Paint」この一曲でノックアウトです。
なんてカッコいんでしょう。
「San Diego Serenade」曲も歌い方も良い。
もっともセレナーデとついた曲に悪い曲はありません。
カウントから始まる「Semi Suite」も最高です。
トムウエイツ8
「Shiver Me Timbers」メチャクチャ良い曲ですが、イーグルスに任せましょう。
ベースラインと語りがカッコいい「Diamonds on My Windshield」、タイトルナンバー「The Heart of Saturday Night」、クラリネットが素晴らしいオールドタイムなブルース「Fumblin' With the Blues」さすがTom Scott!!、美しい「Please Call Me, Baby」、とても楽しそうに歌っている「Depot, Depot」、「New Coat of Paint」と双璧をなす「Drunk on the Moon」、勤めていたピザ屋がはねてからとサブタイトルの付いた「The Ghosts of Saturday Night 」ととてもジャズ色が強くなった好みのアルバムです。
その後はあまり聞いてはいませんでしたが、1985年の「Rain Dogs」の一曲目「Singapore」を聞いてぶっ飛びました。震えがきました。
トムウエイツ10
つづく「Clap Hands」との繋ぎも見事です。
プログレッシブです。
「Cemetery Polka」も涙ものです。
レニングラードカウボーイズが出てきました。
「Jockey Full of Bourbon」「Tango Till They're Sore」、キースの「Big Black Mariah」、マリンバをはじめパーカッションが効いている「Diamonds & Gold」、メロディアスなでもパーカッションやオルガンが面白い「Hang Down Your Head」、そのまま「Time」につながりA面は終わり。
トムウエイツ9
B面はこれまた最高のタイトルナンバー「Rain Dogs」から始まる。
「Midtown」「9th & Hennepin」とインストと語りが続き、ブルース「Gun Street Girl」、ロックンロール「"Union Square」、カントリー「Blind Love」、大好きなJohn Lurieのサックスが聞ける「Walking Spanish」、Bruce Springsteenが歌いそうな一番ポピュラーな「Downtown Train」、「Bride of Rain Dog」はインスト、最後は絞り出すようなボーカルからラグタイム風に変わる「Anywhere I Lay My Head」で終了です。
私はA面の流れが大好きです。
とにかくすごいアルバムです。

ベストアルバム 「The Heart of Saturday Night 」
        「Rain Dogs」


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気になる話 その18土偶

サンチ−2塔032
以前から縄文文化には興味がありました。
特に土偶に興味を持ちました。
尖石縄文考古館に行って国宝の「縄文のビーナス」長野県茅野市米沢棚畑遺跡出土、
1縄文のビーナス長野茅野中期
「仮面の女」神長野県茅野市中ッ原遺跡出土を、
3仮面の女神長野茅野後期
是川縄文館では八戸市風張1遺跡出土の「いのりん」を
4合掌土偶青森八戸後期
見ました。
是川縄文館ではたくさんの土偶が綺麗に展示され見入ってしまいました。
実際は土偶を見に行ったわけではなく、旅の途中でよっただけですが、強い感銘を受けました。
秋田を訪れた時には鹿角市にある縄文時代のストーンサークル大湯環状列石まで足を運びました。
P9150795.jpeg
そんな折、上野の国立博物館で縄文展が始まりました。
日本中の縄文文化が上野に大集合です。
もちろん有名な国宝、重文の土偶はほとんど集まります。
<中空土偶北海道函館>
5中空土偶北海道函館
どんなに混んでいようと見なければなりません。
案の定、開館時間に合わせていったのですが、入場券売り場は長蛇の列で、鶯谷方面へ伸びています。
夏で9時頃には30度近くになっています。
入場券は買いましたが、今度は入場制限です。
20分ほどで入館できました。
入口は混み合っていますが順番に見ていかなければ大丈夫です。
目的は土器と土偶なのでどんどん奥に入っていきます。
火焔土器はすごい迫力です。
<火焔土器新潟十日町中期>
14火焔土器新潟十日町中期
巨大なエネルギーを感じます。
いよいよ土偶です。
なんと国宝の土偶5体が勢ぞろいです。
一番感動したのは「縄文の女神」 山形県西ノ前遺跡です。
2縄文の女神山形舟形中期
縄文から急に現代です。
なんという美しいプロポーションでしょう。
頭部も衣装も最先端です。
この土偶が原宿を歩いていたら、格好良さにみんな振り返るでしょう。
もう一つは神奈川県横浜市稲荷山貝塚出土の筒型土偶です。
筒型土偶神奈川横浜後期
縄文の美を再発見し、日本美術史を書き換えた岡本太郎の太陽の塔を思い浮かべました。
絶対この土偶にインスパイアされたのだと確信しました。
そのほか福島県福島市上岡遺跡出土の「しゃがむ土偶」です。
しゃがむ土偶福島福島市後期
とってもまともなのです。
一説によるとお産をしている像と言われています。
それでは土偶とは一体なんなのでしょうか。
<ハート形土偶群馬東吾妻後期>
9ハート形土偶群馬東吾妻後期
説はいっぱいありますが、謎です。
わかっているのは女性が圧倒的に多い、それも乳房、正中(せいちゅう)線、妊娠した腹部、女性器臀部など特定の部分だけ具体的に表現されたものが多い。
<みみずく土偶千葉佐倉後期>
12みみずく土偶千葉佐倉後期
故意に破壊されたと見られる状態で出土することが多い。
集落のゴミ捨て場などに投棄された状態で出土されることが非常に多い。
特に東日本からの出土が多いなどです。
<みみずく土偶千葉銚子後期>
13みみずく土偶千葉銚子後期
これらの事から女性の生殖機能を強調しているので、多産、安産などを祈る意味合い、故意に壊したと思われるもが多いので祭祀などの際に破壊し、災厄などをはらうことを目的に製造された、身体の悪い所を破壊することで快癒を祈った、などが考えられますが決定的なものはありません。
その他イノシシ、クマ、イヌ、サルなどの動物土偶も出土しています。
私の土偶の印象は全く想像外の造形なのです。
弥生時代以降の人々が創造したものは感覚的に理解できるのですが、5000年も前の人たちがこのような物を創造したことは理解できないのです。
例えば遮光器土偶は現在では目をデフォルメしたものと言われていますが、私としてはエスキモーの遮光器をつけた姿か宇宙人の方が理解できるのです。
<遮光器土偶青森つがる晩期>
6遮光器土偶青森つがる晩期
<遮光器土偶宮城大崎晩期>
7遮光器土偶宮城大崎晩期
またよく出てくる三本指の土偶も三本指の宇宙人の方が納得します。
<三本指土器山梨南アルプス中期>
17三本指土器2山梨南アルプス中期
<三本指土器神奈川厚木中期>
16三本指土器神奈川厚木中期
従って自分の想定外の造形に心を惹かれるのだと思います。
縄文時代はミステリアスです。

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