2018/11/28
気になる話 その14(ナマハゲ)

ナマハゲには昔から興味がありました。
そしてついにナマハゲの旅が実現しました。
なんとその3ヶ月後にナマハゲはユネスコの世界無形文化遺産に「来訪神」のひとつとして提案されたのです。
実にめでたい。登録されれば良いな。
ナマハゲとは男鹿半島周辺で行われてきた年中行事、あるいはその行事において、仮面をつけ藁の衣装をまとった神の使いを指すとのことです。
ナマハゲの行事は江戸時代には行われていたようで、写真は江戸時代の紀行家である菅江真澄が記した「牡鹿乃寒かぜ」でナマハゲについて書かれています。

大晦日の晩、それぞれの集落の青年たちがナマハゲに扮して、「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡ります。
男鹿の人々にとってナマハゲは、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす、年の節目にやってくる来訪神です。
ナマハゲを迎える家では、昔から伝わる作法により料理や酒を準備して丁重にもてなします。
男鹿市内の「ナマハゲ行事」は、かつて小正月に行われていましたが、現在は12月31日の大晦日に行われています。
ナマハゲの意味は冬、囲炉裏で長く暖をとっていると、手足に火型(火斑)ができます。
これを方言で「ナモミ」と言いますが、怠け心を戒めるための「ナモミ剥ぎ」が「ナマハゲ」になったと言われています。
なまはげの持ち物は
1)出刃包丁と御幣
「ナモミ」を剥ぎ落とすための「出刃包丁」や地域によっては、神のしるしとしての「御幣(ごへい)」を付けた杖を手に 持って巡ります。
2)面
木の皮、木の彫刻、ザルに紙を貼ったもの、紙粘土など様々な素材が使われています。最近はプラスチック製や地元の木 彫師による面も多く使われるようになりました。
3)ケデ
ワラ製のミノ状にした衣装。面とともに神に扮する象徴的な衣装です。ケダシ、ケンデ、ケラミノなどともいいます。
4)ハバキ
ワラで編んだ脛(すね)あて。これを着けるのは他所から来ることを意味します。
5)わらぐつ
雪中、遠くから来るためのワラ製の靴。
それではナマハゲの知識を十分つけたところでいよいよナマハゲ巡りです。
私は飛行機で秋田空港まで行き、レンタカーで回ります。
ファーストコンタクトは秋田空港です。

男鹿半島に向かう道に巨大ナマハゲ発見です。
男鹿総合案内所の前です。

そしてナマハゲ伝説の赤神神社五社堂へ向かいます。
手前の門前にも巨大ナマハゲがあります。

五社堂は鬼が作ったという999段の長い石段をヒーヒー言いながら登ります。
すると重要文化財の五棟の社堂が見えてきます。

祀られているのは5匹のナマハゲで両親と3人の子供と言われています。
次はハイライトの「なまはげ館」へ行きます。
途中素敵なナマハゲのオブジェがあります。


「なまはげ館」はモダンで素敵な建物です。

中はもうナマハゲだらけでナマハゲずきにはたまりません。
男鹿のナマハゲ勢揃いです。




そして隣の「なまはげ伝承館」では真山地区のなまはげをリアルに体験できます。

家に入るところから出て行くところまで、ナマハゲの動作には一つ一つ昔からのしきたりがあります。
ナマハゲと主人の問答が最高です。


この伝承館は本物の古い民家を移築したものでとても雰囲気があります。
私は秋に行きましたが、外はしんしんと雪が降っているような錯覚を覚えました。
少し先にある真山神社はナマハゲゆかりの神社で、大晦日真山地区のナマハゲはここからスタートします。

ナマハゲの旅はこれで終わりです。
今夜の宿、男鹿温泉に向かいます。
男鹿温泉郷の入り口では大きなナマハゲが歓迎してくれます。

悲しいことにナマハゲは核家族化した若い人たちに人気がなく、衰退傾向の一途をたどっています。
地元が補助金を出しても効果がありません。
ユネスコの世界無形文化遺産に登録されることで知名度が広がり、多くの人たちが関心を持ち、この行事が少しでも長く存続することを祈るばかりです。

「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」
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