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石の巡礼 その30(庚申塔6千葉県東葛飾地方)

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今回は千葉県東葛飾地方すなわち、柏、松戸、鎌ヶ谷、沼南の三市一町と印旛郡白井町にまたがる東西約十二キロ、南北約八キロにわたる地域に散在する特徴のある二臂(二手)の青面金剛が彫られた庚申塔についての話です。
青面金剛は「阿弥陀如来集経」によると4臂でありますが、六臂が一般的です。
稀に二臂、八臂もあります。
東葛飾地方も六臂が多いいですが、この地方独特の二臂の青面金剛が16基あるそうです。
それも元禄10年(1697年)から正徳5年(1715年)までの18年の間に造られています。
容姿ですが頭には、回国僧・遊行僧・修験僧などが冠っていると思われる頭巾状のものを冠っています。
上衣はチョッキ状のものを着ています。
腰から下には山袴又はスカートのようなものを穿き、帯はゴムホース状のものをまとっているのが目立った特徴です。
足にはくびれがあるので、足袋を穿いているのかもしれません。
上部には日月雲、邪気は一匹で子犬のように丸まっており、大人しそうです。
その下には寄進者の名前が彫られ、その下に三猿です。
三猿は向かって左に見猿、聞か猿、言わ猿が、見猿は右を向き、聞か猿は正面を、言わ猿は左を向いています。
猿の横には二鶏が彫られています。
これが一般的で青面金剛の二手が合掌しているものと何かを握っているものに分けられます。
ほとんどが合掌型です。
湘南七庚申塔と同じようにとてもシンプルで決して技巧的ではなく、むしろ稚拙な出来ですが、何かとても心を打たれます。
18年という期間に作られたのでおそらく一人の石工か修験僧、あるいは僧侶が作ったと思われます。
微妙な違いがあるので数人で作った可能性もあります。
16基をみてみたいと思います。
一番古い庚申塔は柏市高柳の交差点にあります。
1柏市高柳1422の交差点1697年(二臂青面金剛)
1697年の造立で典型的な合掌型です。
目がつり上がっているのでキツイ感じを受けます。
すぐ近くの高柳の三叉路に祀られる庚申塔です。
2高柳三差路の庚申塚1697(二臂青面金剛)
1697年で同じ時期に作られました。
この像は合掌しておらず、何かを握っているようですがよくわかりません。
剣かもしれません。
顔はやはり目がつり上がっており、口の周りの豊麗線がはっきりしているので猿のようにみえます。
最初期の像に合掌型と剣持型があることは面白いです。
次の像は白井市折立の熊野神社にある像です。
3熊野神社(二臂青面金剛)1700
1700年建立で典型的な合掌像です。
1702年に造られた松戸市中根にある妙見神社の像は剣持型です。
4妙見神社(二臂青面金剛)1702
右手は剣(矢)ですが左手はショケラのようです。
鎌ケ谷市中佐津間の大宮大神の像です。
5大宮大神(二臂青面金剛)1702
1702年建立の像ですが、邪気が彫られていません。
両手は合掌しており、両足は真っ直ぐに正面を向いています。
松戸市横須賀の正福寺の像は1703年の造立で、大宮大神の像によく似ています。
6正福寺(二臂青面金剛)1703
同じく邪鬼が彫られていません。
合掌しており、口はへの字型です。
松戸市古ヶ崎の鵜ノ森神社の像は同じ年の1703年造立です。
7鵜森稲荷神社1703(2臂青面金剛)
なんとなくのっぺりした顔です。
邪気を踏みつけ合掌しています。
松戸市中金杉にある医王寺の像は目が特徴的です。
8医王寺(二臂青面金剛)1705
彫りが深くつり上がり、まるでウルトラマンのようです。
合掌して邪鬼を踏みつけています。
基壇の三猿は地中に埋れてよくわかりません。
1705年に造られました。
松戸新田の雷神宮の像は合掌型です。
9松戸新田の雷神宮(二臂青面金剛)
保存状態が悪いので顔がよくわかりません。
1706年です。
松戸市松ヶ崎の香取神社は同じ1706年です。
10松戸市松ヶ崎の香取神社(二臂青面金剛)
合掌型ですが顔がはっきりしません。
柏市柏3丁目の柏神社は1707年の造立です。
11柏市柏3丁目の柏神社(二臂青面金剛)
合掌型で口が少し開き歯が見えています。
三猿は簡素化され正面を向いています。
松戸市新作の安房須神社にある像は1708年の造立です。
12安房須神社(二臂青面金剛)1708
目があまり釣り上がっていないので穏やかな顔をしています。
口も少し開き歯が見えます。
合掌して邪鬼の上に立っていますが、ジャキの彫刻が良くありません。
手抜きのようです。
三猿は元に戻っています。
柏市箕輪の香取神社の像は覆屋に入っています。
13香取神社柏市箕輪(二臂青面金剛)1712
とても奇妙な印象を受けます。
原因は目と口にあります。
特に口が大きく開いて歯が見えています。
合掌してジャキを踏みつけています。
1712年の建立です。
柏市塚崎の寿量院の像は1714年に造立された剣持型です。
14寿量院(二臂青面金剛)1714
右手に剣を持ち左手はよくわかりません。
ショケラを握っているのかもしれません。
松戸市上矢切の神明神社の像も剣持型で右手に剣、左手はショケラのようです。
15松戸市上矢切の神明神社(二臂青面金剛)
同じ1714年の造立です。
最後は1715年の松戸市上矢切宝蔵院の像です。
16宝蔵院(二臂青面金剛)
合掌型で初期に戻った様です。
以上とても限られた地域(東葛飾地方)で限られた時間(18年)におけるとても特徴のある庚申塔を見ました。どうしてこの様な像になったのか謎は深まるばかりです。

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石の巡礼 その29(庚申塔5日光型庚申塔)

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日光を中心にその近隣にはとても特徴のある庚申塔があります。
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日光型庚申塔と言い特徴は
1)ほとんどの塔に浮彫りの日・月が彫刻されている。
  初期のものには雲が彫刻されていない。
2)猿は向かい合った合掌の二猿であり上部に彫られている。
  時代が下ると下部にも彫られる。
3)鶏はほとんど見られない。
4)青面金剛像がきわめて少ない。
5)基部に蓮華を大きく刻むものが多い。
日光における庚申塔は二猿が主流で100基以上を数えますが、三猿は6基のみという特徴があります。
日光にある庚申塔は保村状態が悪いものが多く、白カビで覆われ、細部がわかりません。
保存状態の良い庚申塔を見ていきます。
日光市内にある虚空蔵尊堂と正一位稲荷神社には沢山の日光型庚申塔がありますが、全て白カビなどに覆われ細部はわかりません。
神橋前にある庚申塔です。
上部中央に小さい大日種子、その下の右に大きい大きい異体の阿弥陀種子、左に月輪の浮き彫り、中央に2猿を彫ります。
江戸初期(1648年)の造立です。
1神橋前の庚申塔 2神橋前の庚申塔−2
神橋の上にある星の宮.磐裂神社
日月と二猿、そして中央蓮台上に枠を作り、ア・バン・ウーンの種子と銘文があります。
1650年の造立。
笠付角柱型の立派な庚申塔もあります。
3星の宮 4星の宮−1
7星の宮3 2 8星の宮3−1 2
四本竜寺
承応二年(1653年)の造立。
9四本竜寺 10四本竜寺−1
花石神社
日月、ウーン、「青面金剛供養所」は従来と同じ形ですが、二猿は片手のみ上にして結び、もう一方は胸に当て変わった像容になっています。
1721年造立。
11花石神社 12花石神社 2
浄光寺
門前にたくさんの日光型庚申塔があります。
13浄光寺 14浄光寺 3
15浄光寺3 16浄光寺3−1
17浄光寺2 18浄光寺2−1
19浄光寺4 20浄光寺4−1
飛石八幡神社
森の中にたくさんの石仏と日光型庚申塔があります。
21飛石八幡神社 22飛石八幡神社−1
23飛石八幡神社4 24飛石八幡神社4 2
25飛石八幡神社5 26飛石八幡神社5−1
27飛石八幡神社6 28飛石八幡神社6−1
29飛石八幡神社7 30飛石八幡神社72
法蔵寺
枝垂れ桜で有名な法蔵寺には巨大な庚申塔があります。
31法蔵寺 32法蔵寺1
観音寺薬師堂で見つけた3猿」
観音寺薬師堂へ行き、2猿の日光型庚申塔をさがしている時に見つけました。
日光では珍しい3猿の庚申塔です。
板駒型で上部左右に日月を陽刻し中央上部に梵字を彫り、銘文が彫られた日光型庚申塔です。
下部に3猿が彫られています。
33観音寺薬師堂
日光型庚申塔に彫られた猿はなぜ2猿で向き合っているのかよく解りません。
全国の古い庚申塔は1猿・2猿のものがありますが1640年頃からは見ざる言わざる聞かざるの3猿が現れてきます。
特に日光は3猿のホームタウンですので不思議です。
とにかく庚申塔にこの2猿を見つけると顔がほころんでしまいます。

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石の巡礼 その28(庚申塔4湘南の庚申塔2)

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湘南には古い庚申塔がたくさんあります。
前回はその中から青面金剛を刻んだ庚申塔を見てみました。
今回は猿を刻んだ庚申塔を見てみます。
茅ヶ崎市の円蔵にある輪光寺には全国でも古い寛永17年(1640年)の三猿庚申塔があります。
1輪光寺の庚申塔
舟形光背の上部には種字が中央上には烏帽子を乗せた、聞がザルその下に言わザルと見ザルが彫刻されています。
とても可愛い猿たちです。
この後三猿は横一列になるのですがどうしてこの構成になったのかわかりません。
二番目は藤沢の伊勢山公園にある庚申塔です。
2藤沢・伊勢山公園
承応2年(1653)の造立で板碑型で日輪と月輪が彫られています。
上方に胎蔵界大日如来の種子(アーンク)を、その下に梵字光明真言(3行)を彫りつけた、真言密教系の庚申供養塔です。
造立者として本願畠次左衛門以下9名が基礎部に刻まれています。
三番目は茅ヶ崎市矢畑にある本社宮の庚申塔です。
3本社宮の庚申塔
明暦2年(1656年)造立で笠付き塔です。
日輪と月輪はなんとかわかりますが他はよくわかりません。
三猿も磨耗が激しく、表情はよくわかりません。
四番目は茅ヶ崎市浜之郷の龍前院の庚申塔です。
4龍前院の庚申塔
明暦3年(1657年)造立、板碑型でいわゆる「龍前院型」と言われるようになったオリジナルです。
三猿は特徴的でとても愛くるしく、まん丸の小さな目と額のシワが独特です。
上部の日輪、月輪、梵字が何と無くわかります。
五番目は茅ケ崎市堤にある建彦神社です。
5建彦神社の庚申塔
万治2年(1659年)造立です。
「龍前院型」の庚申塔なのですが不思議なことに2猿です。
聞かザルがおりません。
理由は謎です。
同じ万治2年(1659年)造立の庚申塔が藤沢の常光寺にあります。
6常光寺(藤沢)の庚申塔
「龍前院型」ではありません。
笠付き角柱型で上部はキリーク・サ・サクで、阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩の阿弥陀三尊の種字が彫られています。
中央には大日如来の真言が下部には1猿、1鶏が彫られています。
茅ヶ崎のものとはタイプが異なります。
次も万治2年(1659年)造立の庚申塔で藤沢市遠藤の御嶽大神にあります。
7御嶽大伸(藤沢)の庚申塔
「龍前院型」の庚申塔です。
次は茅ヶ崎市柳島の八幡神社の庚申塔です。
8八幡神社の庚申塔
万治3年1660年造立で笠付き3年「龍前院型」です。
3猿はとてもシンプルでグッドデザインです。
寛文3年(1663年)の庚申塔が平塚市の正福寺にあります。
8−2正福寺(平塚)の庚申塔
「龍前院型」ですが保存状態が良くないので表情はわかりません。
次は寛文5年(1665年)造立、茅ヶ崎市赤羽の西光寺です。
9西光寺の庚申塔
「龍前院型」で目がとても可愛い3猿です。
足の指も綺麗に彫刻されています。
藤沢の宝珠寺の庚申塔は寛文六年(1666年)造立でとても忠実に「龍前院型」を守っています。
10宝珠寺(藤沢)の庚申塔
寛文7年(1667年)造立の茅ヶ崎市本村の八王子神社の庚申塔は本社宮と同じ笠付き塔です。
11八王子神社の庚申塔
違いは屋根の破風です。
3猿も縦に長くなっています。
最後は茅ケ崎市香川にある諏訪神社の庚申塔です。
11ー2諏訪神社の庚申塔
寛文10年(1670年)の造立で「龍前院型」ですが唐破風笠付角柱型になりとても立派です。
以上猿を刻んだ庚申塔を見てきましたが時代はくだりますが、とても興味のある庚申塔が江ノ島にあります。
群猿奉賽像の庚申供養塔と呼びますが角柱型の4面に36匹の猿が彫り出されています。
12江ノ島群猿奉賽像庚申塔のコピー 13江ノ島群猿奉賽像庚申塔2のコピー
基壇は岩座のように造られ、塔身の基座には蛇が巻き付いているように作り出されているのは、弁財天信仰にちなんだものです。
36匹の神猿はそれぞれ異なった姿態で山王神の神徳に奉賽しているという構図です。
三番叟の格好をした猿が御幣と扇子を持ち、踊ったり、綱渡りをしたりしています。
とても楽しそうな庚申供養塔です。

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石の巡礼 その27(庚申塔3湘南の庚申塔)

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茅ヶ崎を中心にした湘南地方にはとても古い形の青面金剛庚申塔が見られます。
庚申塔は室町〜安土桃山(第1期)にあらわあれますが、この時代は板碑に「申待供養」「庚申供養」などと刻む板碑時代です。
元和1615〜1623から延宝1673〜1680(第二期)は初期時代で発達、普及の時代です。
天和1681〜1683から天明1781〜1788(第三期)は青面金剛が現れ、最も充実して発展した時代です。
寛永1789〜1800以降(第四期)は文字塔が主体になります。
湘南地方の庚申塔は初めて青面金剛が現れた庚申塔と考えられています。
現在、承応2年1653年から明暦4年1658年までの7基が確認されています(湘南7庚申塔)。
共通するのは光背型塔(下大曲神社の庚申塔は笠付型)で四臂青面金剛と二猿で、青面金剛の四臂の持物は右上手に剣、右下手に宝棒、左上手に三叉戟、左下手に索を持ち、頭には三股冠とともに怒髪様のものを刻みます。
三頭身で小さな目と大きな鼻を持ちます。
食いしばった口には牙があります。
左右の猿は両膝を立てて正面を向いて座り、右猿は手を膝の上におき、左猿は膝上で手を結んでおり、三猿と異なり、目・耳・口いずれも押さえていません。
日輪・月輪、二鶏(下大曲神社の庚申塔は二鶏を刻む)は見当たりません。
素材は安山岩、制作年が近い、作風が似ているなどにより同一作者の可能性もあります。
一番古いものは下大曲神社庚申塔(1653年)のもので現在は寒川神社方徳資料館で保管されていますが一部の人にしか開放されてはいません。
1下大曲神社の庚申塔
この塔は特別で上部には笠が付き、下部には二鶏が掘られています。
笠はのちの補作としても二鶏は同時期に彫られたものです。
これ以降二鶏が無くなる説明がつきません。
顔は他の塔と比べて、鼻は小さくハンサムです。
次に古いものは茅ヶ崎市甘沼の八幡大神庚申塔(1654年)です。
2八幡大神の庚申塔
覆屋に安置されているので保存状態はかなり良いです。
惜しいことに頭部で破折して宝冠と顔の一部かかけています。
不動明王の様に下顎の牙がチャームポイントです。
猿の手が下大曲神社のものと左右逆の様な気がします。
基部には造立者10名の名前が刻まれています。
三番目は茅ヶ崎市行谷の金山神社庚申塔(1655年)です。
3金山神社の庚申塔
雨ざらしの割に保存状態が良い像で右下手の宝棒が剣の様に見えます。
典型的な青面金剛で鼻が大きいです。
願主の名前「野中十右衛門」と個人名になっています。
この像には「庚申供養」の刻銘があり、日本最古の「庚申供養」刻銘入青面金剛像と言われています。
四番目は藤沢市遠藤の御嶽大神庚申塔(1656年)です。
4御嶽大伸(藤沢)の庚申塔
残念なことに胸の部分で半分に破折しています。
また上部も欠損しています。
左側の猿が欠けているのが惜しまれます。
高座郡大庭庄遠藤村などの銘があります。
五番目は平塚市大島の正福寺庚申塔(1656年)です。
5正福寺(平塚)の庚申塔
保存状態が悪く白カビのため全貌がよくわかりません。
青面金剛の顔が二猿とよく似ているので大猿みたいです。
相州大島郷為寒念仏供□造立為浮図一基者也と銘があります。
六番目は茅ヶ崎市十間坂の神明宮庚申塔(1658年)です。
6神明宮の庚申塔
覆屋の中にあるため保存状態は良好です。
最後は平塚市札場町の長楽寺庚申塔です。
7長楽寺(平塚)の庚申塔
長楽寺の庚申塔は年銘がありませんがこの形態の塔が1653年から1658年に建立されているので同時期に建立されたと考えられます。
この像は口元の牙がないためとても穏やかな顔をしています。
刻銘は台部にあり、逆修供養のために造立されたことがわかります。
これら7つの庚申塔はとてもよく似ているので同時期の同系統の石工によって掘られたと思われます。
制作年も近いことから同一の石工の可能性もあります。
湘南の四臂青面金剛と二猿の庚申塔は全国でも青面金剛を刻像した最初期の石塔です。
湘南地区における17世紀中葉の民間信仰のあり方と全国に青面金剛と三猿が庚申塔の刻像として定型化していく祖型として貴重です。
この時期の庚申塔はどっしりして、おおらかで温かみを感じます。

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石の巡礼 その26(庚申塔2)

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前回は儀軌に従って埼玉の吹上観音の庚申塔を見てみました。
今回はそのほかの庚申塔を見ていきます。
まずは前回同様2童子・4夜叉か彫られている庚申塔です。
埼玉のさるまん塚庚申塔(1742年)です。
1さるまん塚埼玉
宝珠を乗せた立派な笠付き角柱型で笠に日・月が彫られ6臂で法輪・弓・矢・剣・錫杖・ショケラ(人間)を持っています。
足元には2邪気を踏みつけ、2童子、4夜叉が彫刻されています。
童子も夜叉の儀軌に忠実に彫られています。
下段には3猿と2鶏が彫刻され完璧です。
千葉の銚子の庚申神社の庚申塔(1772年)の上部は瑞雲で、ここに日・月があるのかもしれません。
2庚申神社銚子
6臂で法輪・弓・矢・剣・錫杖・ショケラ(人間)を持っています。
邪気は1匹みたいです。
2童子・4夜叉、下段に3猿・2鶏が彫られています。
大分県の真木大堂古代公園にある庚申塔(1728年)です。
3真木大堂
とても可愛い庚申塔で上部に日・月、6臂で合掌しています。
2童子を左右に彫り、邪鬼ではなく蓮華の上に立っています。
その下には3猿・2鶏、そのさらに下にとても可愛い4夜叉が彫られています。
秋田県男鹿市の渡部神社の庚申塔です。
4渡部神社秋田
自然石に彫られ上部に日・月、火焔で覆われ、6臂で法輪・弓・矢・剣・錫杖・ショケラ(人間)を持っています。
足元には邪鬼1匹を踏みつけ左右に2童子を彫っています。
その下に3角形に3猿を配置し、その下に2鶏を彫り両脇に4夜叉を彫刻します。
とても良い出来です。
埼玉県鴻巣市にある西中曽根の庚申塔は素晴らしい出来ですが、覆屋の中に入り全体の写真が良く撮れません。
5西中曽根埼玉1
5西中曽根埼玉2 5西中曽根埼玉4
立派な懸魚が付いた笠付き角柱型で傘の下には雲で覆われた日・月が彫られています。
その下には12支も彫られています。
着色されていた色素も残っています。
6臂で法輪・弓・矢・剣・錫杖・ショケラ(人間)を持っており、邪鬼(1匹)の上に乗り左右には2童子を従えています。
一番の見所は邪鬼と4夜叉です。
とても素晴らしく一見の価値があります。
基部には3猿・2鶏が掘られています。
栃木県足利市の金蔵院の庚申塔(1697年)はこじんまりしており、4夜叉が特徴的です。
6金蔵院足利
同じく足利市の徳蔵寺の庚申塔(1800年)はなんと5層になっています。
7徳蔵寺足利1 7徳蔵寺足利2
7徳蔵寺足利4 7徳蔵寺足利3
7徳蔵寺足利6
1番上に火焔をバックに6腕で髑髏のネックレスに蛇のベルトと蛇のブレスレット・アンクレット、両膝の間には獅子、精巧な2童子を引き連れ、1夜叉の上に乗る。左右の面には4夜叉が精巧に掘られ、3段目にはおそらく十三仏の種字、4段目には千個の庚申の文字、5段目には2鶏・3猿が掘られ、凝りに凝った庚申塔です。
千葉の宝城院の庚申塔(1736年)は一石に彫られています。
8宝城院千葉
日・月、6臂で合掌し、邪鬼(1匹)を踏みつけ2童子が彫刻されています。
その下に2鶏、中央に3猿、一番下に4夜叉が彫られていますが保存状態が良くありません。
埼玉の南蔵院の庚申塔はとてもユニークです。
9南蔵院埼玉
月・日、6臂合掌で邪鬼(よくわからない)を踏みつけ2童子、その下に4夜叉と薄肉彫の立派な2鶏、基部に3猿を彫ってあります。
特に4夜叉が可愛いのです。
東京の板橋宿の東光寺の庚申塔(1662年)は傘付き角柱型で雲に覆われた美しい日・月、光背を伴った三尊形式で3面6臂の青面金剛と左右に2童子を彫刻し、気品があります。
10東光寺 板橋
邪鬼(1匹)と4夜叉もとても良い出来です。
その下に1猿・1鶏(初期の庚申塔は1猿・1鶏)が彫刻されています。
一番下の文様も凝っています。
神奈川県三浦海岸の谷戸の庚申塔です。
11谷戸三浦
上段の石には日・月、6臂で法輪・弓・矢・剣・錫杖・ショケラ(人間)を持ち邪鬼(1匹か2匹かわからない)を踏みつけています。
両脇には2童子です。
邪鬼の下に3猿が下段の石につながって彫られています。
左右には2鶏、その下の4夜叉が彫刻されています。
庚申塔は全国にあり、バリエーションがたくさんあるので興味は尽きません。

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