FC2ブログ

旅の話 その9(ソムタム)

サンチ−1塔038−2
今回は東南アジア特にラオス、タイ、ベトナム、カンボジアでよく食べられている青いパパイヤのサラダ、ソムタムです。
インドシナ半島を旅している時に、あれば必ず食べる定番料理です。
ソムタム2
ソムタムとはタイ語で酸っぱいを意味するソムと搗く(突く)を意味するタムからなり、鉢にパパイヤと調味料を入れ棒で突いて作ります。
とても単純な料理ですのでお店はもちろん、屋台でも食べられます。
ソムタム5
元々はラオスと東北タイ(イサーン)の郷土料理でしたが、タイ全土からベトナム、カンボジアに広がったと言われています。
基本的な作り方は
1)包丁でパパイヤをたたくようにして、縦に何本もとても細かい切れ目を入れます。表面を削ぐようにして、手前から奥に向かって包丁を動かします(ごぼうのささがきの要領)。
2)鉢に唐辛子とにんにくを入れてつぶします。ヤシ砂糖を加えます。
3)半分に切ったトマト(ミニトマト)を加えて、軽くつぶします。いんげんを3~4cmの長さに切って加えます。
4)1)のパパイヤを加えます。
5)ナンプラー、ライム汁を加え、叩きながらかき混ぜます。
6)ピーナッツ、干しエビを加えて完成です。
材料さえ手に入ればとても簡単です。
ソムタム1
ラオスやイサーンでは干しエビの代わりに沢ガニの発酵させたものを入れます。
これが本格的なソムタムでメチャクチャ美味しくなります。
しかしこの生の沢ガニには寄生虫がいる場合があるので注意が必要です。
イサーン地方はクメール遺跡の宝庫ですので度々出かけました。
そして禁断の沢ガニ入り本格ソムタムを誘惑に負けて、食べてしまいました。
ソムタム3
味は最高です。
その後寄生虫の症状が出ないのでホッとしています。
Som_tam_thai.jpg
このソムタムをますます好きになった理由がベトナム映画「青いパパイヤの香り」です。
ソムタム6
トラン・アン・ユン監督のデビュー作で1951年のサイゴン、布地や縫製の店を営む一家に10歳の奉公人ムイがやってくるところから始まります。
このムイが先輩の奉公人と食事を作るところが度々出てきます。
ソムタム7
その中でムイが庭のパパイヤの木から一つ捥いできて皮を剥き、手のひらの上で叩くようにして縦に何本もの切れ目を入れ、表面を削いてパパイアのサラダを作るシーンがあります。
ムイの可愛さと、ソムタムの美味しさに魅せられ、すぐにタイ料理屋に直行です。
映画の中に出てくる空芯菜炒めもたまりません。
オーダーはソムタムと空芯菜炒めとスープとご飯で十分です。
これ以上頼んではいけません。
この3点が黄金のオーダーです。

ホームページ  www.ravana.jp



旅の話 その8(船・舟)

サンチ−2塔041
インド・東南アジアの遺跡は川のそばにあります。
北インドにはガンガー、ヤムナー、南インドにはゴーダバリー、クリシュナ、カーヴェリー川があります。
カンボジアのアンコールにはシェムリアップ川、トンレサップ湖、ミャンマーのパガンにはエーヤワディー川、タイのアユタヤはチャオプラヤー川とパーサック川とロップリー川の合流地点、ベトナムではフォン川、ハン川、サイゴン川、ラオスのルアンプラバンではメコン川とカーン川の合流地点、インドネシアのジャワ島ではソロ川、ブランタス川などがあります。
近くに川があり舟でクルーズ(船遊び)出来る時は極力乗ります。
また少し大きな川でディナークルーズがある時も乗ります。
舟に乗ると視点が低くとても景色が新鮮に見えます。
大きい船では逆に視点が高くなります。
また人々の生活が裏側から覗けます。
残念ながらインドで舟に乗ったのはムンバイのインド門からエレファンタ島の往復しかありません。
一番早い船に乗り海風に吹かれながらムンバイの町を見るのは気持ちがよいです。
1ボンベイ
一番早い船で行くと参道のお土産物屋がまだやっていないのでとても静かで落ち着けます。
手漕ぎの竹で編んだお椀のようなボートには乗ったことがあります。
南インドのハンピの遺跡に行った時です。
2ハンピ
ハンピの遺跡はトゥンガバドラ川に沿っているので場所によっては車で行くより早くとても楽しいです。
奇岩を見ながら手漕ぎの舟に乗るのは最高です。
パガンのエーヤワディー(イラワジ川)川は夕方の黄昏時が最高です。
3イラワジ
茜色に染まった空と遺跡がとても美しく、また違った角度から寺院が見えて楽しいです。
カンボジアではトンレサップ湖をクルーズし、水上生活者の生活を見ます。
南のタケオからプノム・ダへのボートは雨期にしか味わえない旅です。
4プノムダ
田圃の中をスピードボートが抜けていきます。
ほとんどの人はしませんがアユタヤ観光はボートが最高です。
なぜならアユタヤは川の合流した中州にあるからです。
5アユタヤ
川から見るアユタヤの人々の生活や遺跡はとても新鮮です。
バンコクーアユタヤ間のランチクルーズも面白いです。
私が行っていた頃のバンコクはまだ水上マーケットがありとても楽しかったです。
6BANGKOK002
ホテルの前からボートに乗り水路に入り果物や麺類を買って食べます。
バンコクは水上交通が発達しているので渋滞する道路より、ボートの方が便利でとてもわくわくします。
ラオスのルアンプラバンも川に囲まれています。
7ラオス
ボートに乗ってTHAM TINGの洞窟へ行きましょう。
メコンの風がとても心地よく感じます。
ベトナムの南はジャングルクルーズで有名です。
8クーロン
私はクーロンで乗り、果樹園などを回り、近場で取れた魚料理を堪能しました。
サイゴンではサイゴン川のディナークルーズです。
マジェスティクホテルの前から魚の電飾の大きな船であまりきれいではないサイゴン川をクルーズします。
ここの食事が素晴らしいのです。
9ベンゲイ号
一切期待していませんでしたが、ハトを始め何を食べても美味しいのです。
現地の家族連れの人達が多いわけがわかりました。
中部ではホイアンのトゥーボン川クルーズも楽しいですがフエのフォン川の廟を巡るクルーズは最高です。
11フエ
ティエンムー寺院や、帝廟をボートで回ります。
北ではハロン湾クルーズでしょう。
日帰りはダメです。
絶対船中で一泊してください。
10ハロン湾
最高の経験が出来るでしょう。
近くには陸のハロン湾といわれるタムコックがあります。
畑の中を通り奇岩を見ながらの手漕ぎボートの旅です。
12タムコック2
大小関係なく船に乗るのはとても楽しく異次元の体験です。
香港で絶対行かなかったジャンボという船上の中華レストランへ行くことになってしまいました。
黄昏時ネオンが輝き始める時間です。
桟橋の艀に乗ってレストランへ向かいます。
13ジャンボ
艀がネオンで輝くレストランにつきます。
まるで映画のワンシーンみたいで興奮します。
このシチュエーションが最高で食事なんてどうでも良いです。
川があったらボートに乗ってみましょう。
きっと楽しい体験が待っています。

ホームページ  www.ravana.ne.jp

旅の話 その7(ビンロウジ・キンマ)

サンチ−2塔025
最近はあまり見かけなくなりましたが80年代はインド・東南アジア・東アジア全域でキンマを噛む習慣が見られました。道端や駅、飛行場にも点々と赤い血の様なものが染み付いていました。
これはビンロウと言うヤシ科の植物の実(ビンロウジ)を薄く切って乾燥させたものに石灰を混ぜ、キンマの葉で包んで噛みます。
キンマ6
するとアルカロイドを含む種子の成分と石灰、唾液の混ざった鮮やかな赤や黄色い汁が口中に溜まります。
この赤い唾液は飲み込むと胃を痛める原因になるので吐き出します。
しばらくすると軽い興奮・酩酊感が得られますが、依存性があり、何回も用いると次第に手放し難くなります。
赤いシミはこれが原因です。
キンマ(ベテル)は胡椒科の蔓草で葉はハート形でつやがあります。
キンマ7
葉には薬効があり、健胃薬、去痰薬またアーユルヴェーダでは媚薬として用いられました。
いわゆるビンロウジ(キンマの葉で包んだもの)は古来から高級嗜好品として愛用され、ビンロウジとキンマの葉は夫婦の象徴として、インド・東南アジアでは結婚式に際して客に贈る風習があります。
また上流階級では、唾を吐く痰壷やキンマ、ビンロウジの道具入れなどの用具が発達し、漆を塗った凝ったものや陶器の壷なども愛用されました。
キンマ8
東ジャワにある14世紀に建立されたCANDI PANATARANN寺院の壁面に彫られた「クリシュナヤーナ」物語のパネルにキンマの道具入れと痰壷を持った従者が彫刻されています。
PANATA247.jpg
「ラーマーヤナ」の物語が彫刻されている壁面にもサルの従者が道具入れと痰壷を持っています。
PANATA182.jpg
常用者は減ったとはいえ、地方へ行くと口の中を真っ赤にしたおじさんやおばさんが見受けられます。
ビンロウジに入れるものは基本的にはビンロウジ、石灰、キンマの葉ですが好みによって色々なものを入れます。
キンマ1
多いいのはタバコの葉です。
カルダモン、シナモンなどのスパイスもよく混ぜられ、砂糖などの甘味料、ライムなどの柑橘系果物も搾ったりしている様です。
口の中が赤くなり、唾を頻繁に吐くため若い人の常用者はあまり見かけません。
私は以前パラオに行った時にボートの上で経験しました。
それはタバコの葉が入っているもので当時喫煙者であった私は興味本位で噛んでみましたが酩酊感や高揚感はあまり感じませんでした。
口の中がえぐく、唾が沢山出てきました。
口の中も少し感覚が鈍くなった様です。
赤くなった唾を海に吐いていると、自分がパラオ人に近づけた様な気がしました。
キンマ4
最近は口腔がんの原因になるとの報告もありますが茶飲み友達のように老人達がビンロウジを噛みながら世間話をするのを無理矢理止めることもない様な気がします。
近い将来、この習慣はなくなりますから。

ホームページ  www.ravana.jp

旅の話 その6(乗り物)

サンチ−2塔008
私の旅はほとんどが自動車を利用します。
しかし村の中や町の中では手軽な乗り物であるシクロやリクシャーが活躍します。
町や村の匂いや音、空気を感じることが出来るので大好きです。
値段の交渉という難題がありますが。
これらの手軽な乗り物としては動物が動力、人が動力、自転車が動力、三輪自動車やオートバイが動力のものがあります。
人が動力のものは日本の人力車が名前の由来になったリクシャーがあります。
1カルカッタ
私がインドへ行き始めた時点ではリクシャーからサイクルリクシャーになり、見かけたことはありましたが乗ったことはありません。
ドミニク・ラピエールの「歓喜の町カルカッタ」は人力車夫の事や下層階級の生活が描かれていてとても興味深く読みました。
お勧めです。2varanasi
「CITY OF JOY」という名前で映画にもなりました。
動物が動力の馬車や牛車も田舎で見かけます。
馬車はミャンマーのパガン遺跡を巡るには最高です。
牛車は同じくミャンマーのシュリクシェトラの遺跡を巡るときに乗りました。
ほとんど道なき道を4WD顔負けで走破します。
乗っているのも大変ですが、夕方の黄昏時を牛車で巡るのは至福の時間です。
自転車が動力のもは座席が前にあるもの、後ろにあるもの、横にあるものなど色々です。
ベトナムではシクロと呼び座席は前です。
3ハノイシクロ
まだ車もオートバイもあまりない時代は、市民も観光客もシクロに乗ってサイゴンの町はシクロだらけでした。
「青いパパイヤの香り」で一躍名を馳せたトラン・アン・ユンの第2作「シクロ」もお勧めの映画です。
カンボジアでもシクロは大活躍です。
一度プノンペンで友人6人シクロに乗り国立博物館へ行きましたが、5人は若い運転手で、1人だけとても高齢の人にあたりました。
4プノンペンシクロ
若い運転手はスイスイ走りますが、高齢のおじいさんはよだれを垂らしながらゼイゼイ言って遅れます。
友人は心配になって車から降りておじいさんを休ませ、だいぶ遅れて着きました。
よだれを垂らし、ゼイゼイいいながらお金をもらって喜ぶおじいさんの顔が忘れられません。
シェムリアップでは後ろに座席のあるシクロに乗りました。
5シェムリアップ1991017
インドネシアではベチャといいやはり座席は前です。
6インドネシアベチャ
ミャンマーではサイカーと呼び、座席は横に付いています。
おそらくサイドカーのことだと思います。
夕暮れ時にシェダゴンパゴダまでドライブとは洒落ています。
7ミャンマーサイカー
南国の空気にサイクルリクシャーはぴったりです。
これらの国では次第にサイクルリクシャーも減って、オートリクシャーに変わりつつあります。
エンジンでは味わえない、こぎ手の息づかいが聞こえるサイクルリクシャーは町にも人にも優しく、異国の空気を観光客にもたらせてくれる魔法の乗り物です。

ホームページ  www.ravana.jp

旅の話 その5(街路樹)

サンチ−2塔005
アジアの街路樹の話です。
インドをドライブしていると焼ける様な日差しの中をひたすら歩いている人達がいます。
インドの田舎ではバスの本数も少なく、自転車もあまり利用されていません。
多少の距離は歩きます。
本来街道には樹木が植えられ日影がつくられていたはずですが現代では所々残っているだけです。
街路樹として植えられた樹木は、実が食用になるタマリンド、
1タマリンド
歯ブラシや虫除けになるニーム、
2ニーム
紫檀やローズウッドとよばれるシーシャム、巨大なマメがぶら下がるビルマネムノキ、
3ビルマネムノキ
火炎樹と呼ばれる鳳凰木(西インドで女性が髪に編み込む火炎樹の花は砂漠に映え美しい)、
4火炎樹グルモハル
釈迦が悟りを開いたインド菩提樹(とても大きな日影をつくるので樹下は人々の語らいの場になる)などがあります。
またマンゴーは沢山の美味しい実を作りますし、最近日本でも見られるようになったジャカランダはとても美しい紫色の花を咲かせます。
5ジャカランダ
初めて見た時は余りの美しさに絶句しました。
日本では桐の花が美しいですね。
バンコクではタイの国花ゴールデンシャワーが渋滞の町を黄色く染めてくれます。
6ゴールデンシャワーじゅ
私が好きなのはプルメリアです。
7プルメリア
花も綺麗ですが香りが素晴らしく、寺院の階段の両側に植えられています。
日本の桜も美しさでは世界でトップです。
街路樹は人々の生活と密接な関係を持ちます。
インドの村を訪れるとたいてい大きな菩提樹やガジュマルがあります。
周囲をレンガや石で囲われ、そこに村の男衆が集まります。
女性はあまり見かけません。
女性は水場や家の周りに集まり仕事をしながら世間話や夫の悪口(たぶん)で盛り上がります。
男衆は特に何するではなく日がな道路を見つめ、たまに政治の話をしているようです。
そんなところに外国人がやって来て遺跡見学しようものなら、興味で村は大混乱です。
場合によっては村長まで出てきます。
あまり大きくない樹下は午睡の場所です。
遺跡の内部も勉強や午睡の場所に最適です。
日影に入れば湿度は低く風が通るのでとても快適です。
大きな古い木には精霊が宿っていそうです。
すくなくとも何百年と人間の歴史を見て来ています。
従って地元の人はとても大事にします。
東南アジアやインドではこのような木の根元に石像や木像、お供え物などが祀られています。
特にインドでは「ナーガッカル」といって多産や豊饒を祈願するヘビ(ナーガ)の像を祀ります。
7AA1_0250
日本では沖縄にとても古く大きなガジュマルやアカギの木が有ります。
P2091776.jpg
とても古い木には精霊のキジムナーが住みついていると言います。
キジムナーは子供にしか見えません。
私がふざけて見たと言ったらそれは悪い霊ですぐにお祓いを受けて下さいと真剣に言われました。
上原正三 「キジムナー kids」はすべての人にお勧めの必読書です。

ホームページ  www.ravana.jp