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音楽の話 その71(CITY-LAST TIME AROUND)

ガンジーファ - 096
私の友人にラジオ局でアルバイトをしている者がおり、私が「はっぴいえんど」が大好きなことを知っていました。
ある日、彼女から電話があり、「はっぴいえんど」の解散コンサートがあるが行くかと夢のような知らせがありました。
文京公会堂に開演1時間前に来て私の名前を言えば裏から入れてくれるとのことでした。
1973年9月21日、友人と二人で小雨の中、文京公開堂へ向かいました。
1CITY-LAS
1時間前に着きましたがもう長蛇の列です。
入り口で友人の名前を言うと友人が来てすぐに入れてくれました。
当日は自由席だったのか関係者の席だったか忘れましたが、中央の一番良い席に二人で座りました。
すでにアドレナリン出まくりです。
このコンサートは「はっぴいえんど」の所属事務所である風都市が所属のミュージシャンのお披露目を兼ねており、3部構成になっていました。
第1部は、「はっぴいえんど」のメンバーがプロデューサーを務め、風都市がこれから売り出そうとする南佳孝、吉田美奈子、西岡恭蔵、ココナツ・バンクが、第2部では、「はっぴいえんど」のメンバーがそれぞれ取り組み始めていた新しい音を披露し、ココナツ・バンクやシュガー・ベイブを率いた大滝詠一、松本隆によるムーンライダース、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆からなるキャラメル・ママが、そして第3部が「はっぴいえんど」の解散ライヴでした。
第1部では1番最初に登場した松本隆がプロデュースした南佳孝が強烈な印象を与えました。
2CITY-LAS
古きニューヨークとハリウッドとヴァン・ダイク・パークスをミックスした曲に南佳孝のボーカルがとてもよく合います。
今までにない日本の音でした。
吉田美奈子も良かったのですが、西岡恭蔵に惹かれました。
普通はあまり興味がない曲ですが西岡恭蔵本人に惹かれたのだと思います。
3CITY-LAS
余談になりますが西岡恭蔵のプカプカは傑作です(浅川マキのヴァージョンも良い)。
そのほか大瀧詠一のバックコーラスに参加していたシュガーベイブに興味を持ちました。
4CITY-LAS
その後発売になった「SONGS」は私のフェイバリットアルバムになりました。
ムーンライダーズもスタジオミュージシャンになったキャラメルママも素敵でした。
そしていよいよ「はっぴいえんど」です。
「はっぴいえんど」のライブは初めてでこれが最後です。
4人は気負いなくダラダラっとステージに出てきました。
座り直しステージに釘付けです。
6CITY-LAS
譜面台の譜面を見ながらの演奏は印象的でした。
アレンジもファンクぽく鳥肌が立ちました。
特に興味があったのは松本隆のドラムです。
プロコルハルムのB.J.ウイルソンに影響されたドラミングが見たかったのです。
最高でした。
他の3人も最高です。
5CITY-LAS
最後に大瀧詠一が「この4人でしかできない曲をやります」と言ってかくれんぼが始まった時には涙が出ました。
その歴史的なコンサートが詰まったアルバムです。
この時間を共有できたことに感謝です。

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音楽の話 その70 (新崎純)

ガンジーファ - 015
新崎純はその人間的魅力から「気になる話」で取り上げようかと思いましたが、唯一のレコード「かじゃでぃ風節(ふーぶし)」があまりに素晴らしいので音楽の話にします。
新崎純
新崎純の「かじゃでぃ風節(ふーぶし)」は最近沖縄のことを調べている時に知りました。
沖縄の音楽が好きで、この曲はおめでたい席で踊られる非常に重要な曲であることは知っていましたが、新崎純のことは知りませんでした。
新崎純は1936年生まれの82歳、那覇で生まれました。
中学からトランペットを吹き始め、高校時代は全琉コンテストで三年連続優勝します。
新崎純、14歳中学
高校2年からトランペットで夜間基地のクラブでバイトを行い、当時沖縄県トップのバンド、デューク・ドーシーからスカウトされて入団します。
米軍基地内の将校クラブを中心に高級クラブにて演奏を行い、27歳でバンドを組み米軍基地内のクラブで専属契約いたします。
那覇将校クラブからライカム将校クラブ、更にタッパー・クラブと渡り歩き人気を博しました。
新崎純4
しかし復帰を機にバンドの仕事が少なくなり、現在の ケミックス㈱ を設立。
機械や自動車の整備をトコトン合理化するノウハウを開発。
三分でディーゼルを含むあらゆるエンジンを絶好調にする特殊技術は他に類が無く全国的に超人気で注文多数だそうです。
現在も会社経営の傍ら、バンドでトランペットやコルネットを吹いているそうです。
新崎純3
そして新崎純が1977年に好奇心から琉球古典音楽をビッグバンドで演奏したらどうなるかと思い立ち、琉球古典音楽・琉球舞踊を代表する曲「かじゃでぃ風節(ふーぶし)」を選びました。
この曲は沖縄本島で、祝宴の座開きとして踊られる祝儀舞踊で沖縄に暮らす人々にとって、とても重要な曲です。
歌詞は
今日の誇らしゃや なほにぎやなたてる 
蕾で居る花の 露きやたごと
これを説明すると
今日のうれしさは 何にたとえられるだろうか 
蕾のままだった花に 露がついて花開いたようだ

というとても美しい歌詞です。
この楽曲を新崎純は5人の三線奏者、4人の管楽器奏者、ピアノ、エレキギター、エレキベース、パーカッションとドラムの総勢13人をスタジオに集め、新崎 順とナイン・シープスとして、リハーサル無し、たった一回の演奏で録音したのです。
新崎純5
5人の三線奏者の中には人間国宝の照喜名朝一も居ます。
本人によるとハーモニーが無い琉球古典音楽ゆえに編成と編曲には苦心し非常に複雑なジャズ・コードでバックを演奏したと言います。
そして出来た音は想像を超える美しさと荘厳さを漂わせたものになリました。
新崎純2
それはビーチボーイズの「Pet Sounds」のようでもあり、HIGH LLAMASの楽曲のようでもありとても不思議な音なのです。
しかしこの奇跡のテープは忘れ去られ、本人も紛失したと思っていましたがなんと当時記録用に録音したただ1本のテープが発掘されたのです。
そしてわたし達の耳に届くようになったのです。
なんと素晴らしいことでしょう。
ますます沖縄が好きになっていきます。
新崎 順とナイン・シープスの「かじゃでぃ風節(ふーぶし)」はユーチューブで見ることが出来ます。

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音楽の話 その69 (シュガー・ベイブ)

ガンジーファ - 016
シュガーベイブは「はっぴいえんど」の解散コンサートで知りました。
ファーストアルバム「SONGS」が出るということなのですぐにレコード店に直行です。
シュガーベイブ
アルバムのジャケットがとても渋いのです。
おばさん二人にどんな意味があるのか不思議でしたが後から分かりました。
デザインは山下達郎の友人の金子辰也という人で、フランスの作家アンドレ・モーロワの文章とオランダの写真家ニコ・ジェスの写真で構成された「パリの女」という本の写真を模して書いたものだそうです。
特に意味はなさそうです。
シュガーベイブ1
さっそくA面に針を落とします。
とってもかっこいい「SHOW」で幕開けです。
抜群のセンスです。コーラス、ギターのアドリブ最高、でも最高なのは達郎のボーカルです。
この当時このような曲はありませんでした。
エンディングがまた良い。
2曲目は「SHOW」に勝るとも劣らない「DOWN TOWN」です。
なんて楽しいのでしょう。
村松邦男のギターは好きです。
シュガーベイブ6
3曲目はター坊(大貫妙子)の「蜃気楼の街」です。
とても頼りないボーカルがまた良い。
4曲目もター坊の「風の世界」です。
私は大好きです。
ユーミンでもなく美奈子でもなくなんとも表現できない世界観を持っているター坊が良い。
次の「ためいきばかり」は村松邦男の曲です。
B面1曲目はター坊の「いつも通り」名曲です。
サックスがイイね。
シュガーベイブ4
2曲目は「すてきなメロディー」歌詞は伊藤銀次・大貫妙子・山下達郎、曲は大貫妙子・山下達郎でコーラスがいいね。
3曲目は待ってました達郎!「今日はなんだか」ピアノが最高です。
アバンギャルドなピアノが弾けるのですね。
ター坊最高。
エンディングのホーンも最高。
4曲目は「雨は手のひらにいっぱい」この曲もいいね。
ウォールオブサウンドだね。
5曲目は「過ぎ去りし日々”60’Dream”」は60年代(ニューヨーク)の曲を意識して作ったそうです。
確かにそれっぽい。
特にピアノ。
シュガーベイブ3
最後は「SUGAR」はベースが効いているね。
とても楽しい曲。
「SONGS」が発売になった1975年当時、国内外にこのような楽曲を作るバンドはありませんでした。
よく聞いていた10ccと双璧のバンドです。
やはり山下達郎と大貫妙子の才能とセンスが混ざり合ったとても不思議な音楽です。
今聞いても全く色褪せず、個人的には山下達郎のベストの時期のアルバムだと思います。
また大貫妙子の原点のアルバムでもあるのです。
いちばんの魅力はメンバー全員が大切に手作りでコツコツ作り上げたアルバムなのでとても温かいことです。
ヒット性はなく、一部の人にしか受けないアルバムです。
二人の活躍がなければ日の目を見なかったでしょう。
私にとって、とても甘酸っぱいアルバムです。

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音楽の話 その68(ユーミン2)

ガンジーファ - 017
ユーミンのデビューアルバムを聴き、気に入った私は出るアルバムを次々に聴きます。
それはビートルズと同じでどんどん進化しているので飽きないからです。
当時はカセット全盛でアルバムから好きな曲を録音して、家ではもちろんですが車の中や、ウォークマンで聞くのです。
一日中音楽びたりです。
海やスキーをしている時も聞いていました。
まさにユーミンの曲はどんなロケーションにもスチュエーションにもぴったりなのです。
私はまずメロディーから入ります。
次にボーカルと楽器です。
そして最後に歌詞なのです。
どんなに歌詞が良くてもメロディが受け付けなければ聴きません。
ユーミンの曲はどれも聴きやすく(軽いという意味ではない)ふと歌詞を聴くとそこはユーミンワールドなのです。
アップテンポの楽しい曲も良いのですが、私はミディアムテンポやスローな少しダウナーな曲に魅力を感じます。
私の好きなダウナー系のベストです。
「雨の街を」いいですね。
歌詞が泣かせます。
夜明けの雨はミルク色から始まり、一番好きな歌詞かもしれません。
ユーミン1
「何も聞かないで」曲がいいですね。
ギターのアドリブが泣かせます。
1ユーミン
「ハルジオン・ヒメジョオン」この曲には衝撃を受けました。
曲も良いですが歌詞がすごいです。
ハルジオン・ヒメジョオンはその辺に生えている雑草ですよ。
それが曲のタイトルですよ。
高校の時に罰で学校に生えているヒメジョンをよく抜かせられました。
2ユーミン
「12階の恋人」フレンチポップみたいな曲ですがこれほど怖い歌詞を知りません。
ユーミン恐ろしや。
3ユーミン
「ためらい」<手をつなくほど若くないからあなたのシャツの肘のあたりをつまんで歩いたの>これがユーミンですね。
「5cmの向こう岸」彼は背がひくいのです。
チークをすると口がおでこに当たるのです。
相当低いです。
こんな詩が書けるのはユーミンだけです。
4ユーミン
「大連慕情」名曲です。
父よあなたに似合ったでしょう春の大連なんて歌詞は思いつきません。
メロディと詩がとてもあっています。
5ユーミン
「手にひらの東京タワー」当時、修学旅行の生徒しか東京タワーのことは気にしていませんでした。
東京タワーに行ってお土産を買うなんて素晴らしいことです。
それも大好きな彼に。
私は水族館と蝋人形館があったので時々行きました。
6ユーミン
「忘れないでね」は携帯電話がない時代、みんな一度は経験したのではないでしょうか。
ルルル ルルルが涙ものです。
7ユーミン
「NIGHT WALKER」名曲です。
この曲もギターソロが光ります。
8ユーミン
「TYPHOON」どうでしょう、ユーミンの他にこんな曲作れますか。
素晴らしい台風描写とシンクロする彼女の心、曲もぴったりウエットです。
9ユーミン
「私を忘れる頃」これと言ったところはありませんが聴けば聴くほど好きになるスルメのような曲。 
10ユーミン
「午前4時の電話」他の曲もそうですが、ユーミンの素晴らしいところはすぐに頭の中でMTVを作れてしまうことです。
みんなMTVのディレクターです。
こんなところが好きな理由です。

ユーミンはとても男っぽいひとだと思います。
女性の心理状態とそれを客観的に見る男性の心理状態を体験できる精神的バイセクシュアルな人です。

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音楽の話 その67(はっぴーえんど2)

ガンジーファ - 018
「はっぴーえんど」のセカンドアルバム「風街ろまん」は発売日に購入しました。
なんとジャケットは4人の顔写真です。
はっぴいえんど2
とても面白いアイデアだと思いました。
見開きの内側には当時流行していた宮谷一彦のイラストで懐かしい都電が描かれています。
そこには松本隆の書き下ろしで「風狂い」が掲載されていました。
「はっぴーえんど」と同じ世代なので近代化で急激に失われゆく古きよき日本(東京)の姿を「風街」という架空の街にみる、といったテーマがよくわかります。
期待感をもってA面(風)に針を落とします。
ベースラインが特徴的な「抱きしめたい」です。
この一曲で歌詞も曲も演奏も数段進歩したことがわかります。
自分たちの目的に対する自信が伝わります。
そういう意味でも1曲目にふさわしい曲です。
2はっぴーえんど2
2曲目は「空いろのくれよん」は苦手なカントリーですが、松本隆の詩が素晴らしく、大瀧詠一の曲もぴったりです。
3曲目の「風をあつめて」も松本隆の詩と細野晴臣の曲とがぴったりで、「ゆでめん」とは大違いです。
細野晴臣の代表曲です。
オルガンがたまりません。
続く「暗闇坂むささび変化」も細野晴臣の曲です。
大瀧詠一のハモリも良いです。
当時、麻布は何もないところで、暗闇が広がっていました。
六本木で働く怪しげな人たちがたくさん暮らしていました。
5曲目「はいからはくち」は松本隆にしか書けない詩、鈴木茂にしか弾けないギター、細野晴臣にしか弾けないベース、大瀧詠一にしか歌えません。
したがって「はっぴーえんど」の代表曲です。
3はっぴーえんど2
「ハイカラ・イズ・ビューティフル」というのは当時のコマーシャルのパロディです。
いよいよB面です。
「夏なんです」はMoby Grapeの影響を感じますが完全に「はっぴーえんど」の世界です。
松本隆の詩と細野晴臣の曲が完全に同じ世界を表現しています。
「ゆでめん」ではあまりしっくりいっていなかった松本隆と細野晴臣のコンビは最強になりました。
「花いちもんめ」はみんなから勧められ作った鈴木茂のデビュー曲。
「あしたてんきになあれ」は独特の歌詞とテンポが面白い。
4はっぴーえんど2
「颱風」は大瀧詠一の作詞作曲、もろトニー・ジョー・ホワイトですが、完全に大瀧詠一になっています。
こういう曲を歌う大滝詠一はとても楽しそうです。
「春らんまん」はバッファーロー・スプリングフィールド風の曲。
鈴木茂のギターが良い。
「愛餓を」はおまけです。
5はっぴーえんど2
「ゆでめん」はウエットな感じで湿度がとても高く洗濯物が乾きません。
「風街ろまん」はちょうど良い湿度でとても過ごしやすいです。
次の「HAPPY END」はとてもドライで乾燥しているので火の元に注意です。
そして解散してしまいました。
したがってこの風街ろまんはとても聴きやすく、万人が認める最高傑作です。
このアルバムの中に、これからたどる4人の全てが現れています。
このアルバムが果たした役割は計り知れません。
私はこれから4人の音楽を求めていくことになり、荒井由実を知るのです。

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