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寺院彫刻 その81(スカンダ)

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今回はシヴァとパールヴァティーの子供、スカンダの話です。
「アグニが7人の聖仙の妻たちに恋をしたが彼女たちとの不倫を自制していたところ、アグニを恋慕するスヴァーハーが6人の聖仙の妻の姿に順次化けてアグニを誘惑して6回の性交を果たし、その度にアグニの精液をアシュベータ山の黄金の穴に落とした。
14スカンダ
スヴァーハーは非常に貞操の固い7人目の聖仙(ヴァシシタ仙)の妻に化けることは失敗したが、6人の聖仙の妻に化けて実施したアグニとの計6回の性交によってアシュベータ山の黄金の穴からスカンダを誕生させる企みは成功した。
スカンダは6人の精液から生まれたので6つの頭と12本の腕を持ち体は黄金に輝いていた。
スカンダの名前は「スカンダ=落とされた」からつけられた。
やがてスカンダがシヴァ派のヒンドゥー教に吸収されると、アグニとスヴァーハーが性交している時にシヴァがアグニに乗り移り、同様にパールヴァティーがスヴァーハーに乗り移っていたので、スカンダはシヴァの息子であると解釈された」という少し強引な解釈ですが、それだけ人気のあった神だということです。
13スカンダ
スカンダはあまりに強いため軍神インドラに替わって新たな神軍の最高指揮官となります。
一方戦争以外の事は考えておらず、女性も近付けず、自分の神殿に女性が入ることすら拒む面もあります。
しかしカウマーリまたはデーヴァセーナという妻・パートナーがいる場合もあります。
乗り物(ヴァーハナ)は孔雀、カルティケーヤ、ムルガン、クマーラなどの名前があります。
古いものではマトゥラーの博物館にグプタ時代のスカンダがあります。
1Mathura
デリー博物館にも6世紀の孔雀に乗るスカンダがあります。
1 6世紀デリー博物館
南インドのバーダーミ石窟(6世紀後半)に孔雀に乗るスカンダの彫刻があり、柱にも彫刻されています。
2badamicave1-2
3badamicave1
ELEPHANTA(6世紀)のスカンダは孔雀と一緒に立っています。
4E-CAVE21017
アイホーレのHUCHIMALLI GUDI寺院(7世紀)の天井に、飛天に囲まれたはすばらしいスカンダの彫刻があります。
5Hucchimalli Gudi
インドのブヴァネーシュヴァルの寺院ではParsvadevataと言って、壁龕の北にドゥルガー、西にカルティケーヤ(スカンダ)、南にガネーシャが彫刻してあります。
したがってブヴァネーシュヴァルの寺院には優れたスカンダの彫刻がたくさんあります。
SATRUGHNESHWAR寺院(7世紀初め)は崩壊が激しい寺院ですが奇跡的にスカンダの彫刻が残っています。
6SATRG010
同じ時代のPARASURAMESHWAR寺院(7世紀中頃)のスカンダは最高傑作です。
7PARASU055
MOHINI寺院(7世紀後半)のスカンダは惜しいことに顔が壊れています。
8MOHINI011
ブヴァネーシュヴァルのスカンダについては寺院彫刻Parsvadevataのところで見ていきたいと思います。
カルナータカ州のGovindanahalliにあるHOYSALA寺院(12世紀)のスカンダは立派な孔雀に乗っています。
11Govindanahalli-045.jpg
TAMIL NADU州TANJAVURのBRIHADISHVARA寺院(11世紀)のスカンダも立派な孔雀に乗っています。
12BRIHADISHVARA(TANJAVUR).jpg
スカンダはカルティケーヤ、ムルガン、クマーラ、スブラフマニヤなどと呼ばれインド全土で崇拝されています。

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寺院の彫刻 その80 東南アジアのガネーシャ

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今回は東南アジア地域のガネーシャを見てみます。
ガネーシャは東南アジアにも広がりました。
プノンペン国立博物館には2臂で牙とお菓子の入ったお椀を持っている7世紀のガネーシャ坐像と
1ガネーシャ7世紀8(P)2
前アンコール期の立像があります。
2前アンコール期(P)
とても写実的な像です。
そのほかに10世紀後半と思われる座像があります。
3ガネーシャ10世紀後半
寺院彫刻はありませんが東メボン寺院(10世紀)の楣に可愛いガネーシャが彫刻されています。
4E-MEBON074 2
正面の神はインドラ神で神象のアイラーヴァタに乗っています。
ガネーシャはネズミではなく馬に乗っています。
これと同じ楣がタイのMUANG KHAEK寺院(10世紀)に残っています。
ガネーシャは単独で彫刻されることはあまりなく、シヴァ神の楣に彫刻されていることが多いようです。
PREAH PITHU寺院(12〜13世紀)の楣にもナタラージャとともに彫刻されています。
5PITHU041
それはタイのクメール寺院でも同じです。
ベトナムのダナンにあるチャム歴史博物館にはミソン遺跡で発掘された7世紀の素晴らしい立像があります。
6MYSON E-1 7C
8世紀の坐像もあります。
7ミソンE−18世紀
アンコール遺跡やチャンパ遺跡では思ったほどガネーシャはでてきませんでした。
それに比べるとインドネシアには沢山のガネーシャ像があります。
ドゥルガーのところでお話ししたようにインドネシアの初期寺院では東正面左右には門神ドゥパラパーラが、南面にはグル(シヴァ自身)、西面にはガネーシャ、北面にはドゥルガーが壁面に彫刻されていたので寺院の西面の壁龕にガネーシャが残っています。
8世紀に建立されたゴドン・ソンゴ寺院の第3寺院の西面のガネーシャです。
 8ゴドンソンゴ
9世紀前半のサンビサリ寺院西面のガネーシャは保存状態がとても良いです。
9SANBISARI015 2
LOROJONGGRANG寺院(9世紀)のシヴァ堂西面のガネーシャも内部に安置されているので保存状態は最高です。
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8世紀のディエン高原の遺跡群に付属している博物館があります。
この遺跡から出土した石像を展示しており、その中にガネーシャ像もあります。
11DIENG068 2
ジャカルタ国立博物館には中央ジャワのマゲランと
12マゲラン9〜10
スマランから出土した9〜10世紀の魅力的な像が展示されています。
13スマラン9〜10
東ジャワには傑作がたくさんあります。
ブリタール市近郊のボロ寺院(13世紀)は現在何もありませんが素晴らしいガネーシャ像1体が残っています。
裏面の彫刻がとても凝っています。
14BORO002.jpg 15BORO009.jpg
東ジャワの彫刻には表と裏が全く違う彫像が多く見られます。
SINGOSARI寺院(13世紀)にあった像も素晴らしい出来です。
16GANESA(SINGOSARI) 2
東ジャワのガネーシャはドクロが好きで基壇もドクロです。
日本にもガネーシャは伝わりましたが、形態が違います。
ガネーシャは仏教(密教)に取り入れられ大聖歓喜天としてチベット経由で伝わったようです。
その過程で象頭人身の男女が抱き合う双身像として入りました。
17大聖歓喜天
なぜ抱擁像なのかと言いますと、毘那夜迦(ビナーヤカ)の王である歓喜王が衆生に害を及ぼそうとした時、観音菩薩が大慈悲心をおこして毘那夜迦(ビナーヤカ)婦女の身となり、歓喜王の欲望をおこさせ、毘那夜迦婦女の身体に触れるためには、未来の世が尽きるまで仏法を守護すること、修行者達を守護すること、今後衆生に対して悪事を働かないこと等の約束を取り付けたうえで抱きあったとの物語が伝えられています。
この大聖歓喜天は仏教を守護し財運と福運をもたらす天部の神として全国に広まりました。
18鳥見神社(歓喜天)
全国の聖天様はこの神を祀っていますが、抱擁像のため秘仏になっています。
インドで生まれたガネーシャがそれもパールヴァティーの垢から生まれたガネーシャが日本で聖天様になっているなんてとても面白いですね。

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寺院の彫刻 その79 カトマンドゥ盆地のガネーシャ

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今回はネパールのカトマンドゥ盆地のガネーシャ像を見ていきます。
カトマンドゥ盆地ではカトマンドゥを囲む4つの寺院信仰があります。
4つのヴィシュヌ寺院(NARAYAN)、4つのバラヒ寺院(VARAHI)、4つの観音寺院(MACHHENDRANATH)そして4つのガネーシャ(BINAYAK)寺院があります。
このガネーシャ寺院はカトマンドゥにあるASHOK BINAYAK寺院、
1ASHOK VINAYAK 1 2ASHOK VINAYAK 3
CHABAHILにあるCHANDRA BINAYAK寺院、
3CHANDRA BINAYAK 4CHANDRA BINAYAK2
BHAKTAPURにあるSURIYA BINAYAK寺院、
5SURIYA BINAYAK 3 6SURIYA BINAYAK
BUNGAMATIにあるKARYA BINAYAK寺院ですが、
7KARYA BINAYAK 8KARYA BINAYAK 2
CHOBARにあるJAL BINAYAK寺院
9JAL BINAYAK 10JAL BINAYAK2
を加える場合もあります。
BINAYAK寺院ではシヴァとナンディ(ウシ)のように寺院の前にガネーシャの乗り物のネズミが祀られています。
11-KARYA BINAYAK 11−1ASHOK VINAYAK 2
このネズミはトガリネズミだそうです。
11−2JAL BINAYAK 11−3SURIYA BINAYAK
カトマンドゥの寺院では入り口に本尊を彫ったトラナと呼ばれる半円形の板が掲げられています。
ガネーシャを祀ったBINAYAK寺院ではトラナはガネーシャが彫られています。
11−4CHANDRA BINAYAK 11−5CHANDRA BINAYAK2
ガネーシャは前回お話ししたように現生利益の神なので非常に人気があります。
ガネーシャ信仰が盛んでなこの街では至る所にガネーシャ像があり、ヒンドゥー教徒も仏教徒も通りがかりに手を合わせていきます。
若い人も、年寄りも男も女も熱心な人は御供えをして回ります。
お供えは花、特にマリーゴールドの花輪をかけます。
そして像に赤い粉TIKAを塗っていきますので本尊は真っ赤です。
ひどい場合にはもう形態もわからなくなり、ただの赤い塊になっている場合もあります。
カトマンドゥではカトマンドゥの名前の元になったKASTHAMANDAPの中にも4つのガネーシャ像が祀られています。
11KASTHAMANDAP5
KASTHAMANDAPとは「木の家」という意味で伝説によると、一本の沙羅の木から作られた寺院で12世紀に建てられたそうです。
12KASTHAMANDAP.jpeg 13KASTHAMANDAP2
14KASTHAMANDAP2 15KASTHAMANDAP4
ここにもひっきりなしに人々がお参りに来ます。
カトマンドゥ盆地で一番気に入ったガネーシャ像はVAJRA YOGINI寺院へ行く途中のSANKHUという所にあります。
小さなお堂になっており、屋根には木が生えています。
17VAJRA YOGINI
カトマンドゥの西にあるBANEPAの町にあるガネーシャ像も立派です。
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カトマンドゥの南にあるGODAVARI KUNDAはカトマンドゥの街の貯水源でとてもきれいな水が沐浴場に流れ風光明媚な所です。
ここのガネーシャはそれとなく気品があります。
19GODAVARI KUNDA
PATANの王宮庭園SUNDARI CHOWKにあるガネーシャは3面10臂で獅子を踏みつけています。
PATAN SUNDARI CHOWK
そして横にはハスの台座に乗った神がいます。
カトマンドゥのガネーシャの人気はインドに勝るとも劣りません。

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寺院の彫刻 その78(ガネーシャ)

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ガネーシャはインド全土で広範な信仰を集め、人々の障害を取り除いて、富や成功を保証してくれる現生利益の神です。
またマハーバーラタの口述筆記を行い学問の神とも言われています。
書物の冒頭には必ず「Sriganesayanamah―聖ガネーシャ神に帰命する」という文句が記されています。
太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもった神で、4本の腕を持っています。
乗り物(ヴァーハナ)はネズミです。
好物はモーダカという甘いお菓子です。
ガネーシャ
生い立ちは「シヴァ妃パールヴァティーには不満があった。
それはシヴァには従者が何人もいて、彼のために様々に仕事をするが、彼女には自分の命令に従う者が一人もいなかったからだ。
そこで彼女は自分のために尽くす忠実なものを作ろうと思った。
シヴァの留守中にパールヴァティーは身体を洗って、その身体の汚れを集めて香油を練り込み人形を作った。
ガンジスの聖水を注いで人形に命を吹き込んで自分の子供ガネーシャとした。
パールヴァティーの命令で、ガネーシャが浴室の見張りをしている際に、シヴァが帰還した。
ガネーシャはそれを父、あるいは偉大な神シヴァとは知らず、入室を拒んだ。
シヴァは激怒し、ガネーシャの首を切り落として遠くへ投げ捨ててしまった。
パールヴァティーに会い、それが自分の子供だと知ったシヴァは、投げ捨てたガネーシャの頭を探しに西に向かって旅に出かけるが、見つけることができなかった。
そこで旅の最初に出会った象の首を切り落として持ち帰り、ガネーシャの頭として取り付け復活させた」とうい話です。
また牙が一本ないのは夜道で転倒した際にお腹の中の菓子(モーダカ)が飛び出て転げたのを月に嘲笑されたために、自らの牙を一本折ってそれを月に投げつけたためです。
像はほとんどの寺院で見ることができ、商店でも、家庭でも、車の中でも至る所で見ることができます。
私の記憶に残ったものを見ていきます。
西インドのJAGATにあるAMBIKA MATA寺院(961年)のガネーシャは素晴らしい出来でした。
1AMBIKA037
4腕でナタラージャのポーズに似ています。
周りの彫刻も良い出来です。
同じ西インドのBAROLIのGHATESHWARA寺院(925年)のガネーシャも良い出来です。
2GHATE079
手足が破損しているのが惜しまれます。
砂漠の町KIRADUにあるVISHUNU寺院(10世紀初め)です。
3VISHUNU011
ガネーシャがとても楽しそうに女神と座っています。
中央インドではDEOGARH のDASHAVATARA寺院(6世紀初め)の壁龕のフレームに彫刻されているガネーシャが好きです。
4DASHA074
メダリオンから足がはみ出しているのが可愛い。
MALHARのPATALESHVAR寺院(10世紀)のガネーシャはKIRADUと同じように女神と座っていますがこちらの方がエロディックです。
5Malhar
UDAYAGIRI CAVEのガネーシャは古く5世紀の彫刻です。
5UDAYA-4003
東インドのBHUBANESWARではPARSVADEVATAと言ってシヴァ寺院の北側の壁にはドゥルガー、西側にはスカンダ、南側にはガネーシャが、彫刻されています。
BHUBANESWARには沢山のガネーシャが彫刻されていますが、その中でも素晴らしいのはPARASURAMESHWAR寺院(650年)
6PARASU061
とVAITAL DEUL寺院(750年)です。
7VAITAL042
南インドではPULLAMANGAIのBRAHMAPURISVARA寺院(910年)のガネーシャは沢山のガナに囲まれて楽しそうです。
8BRAHMAPURISVARA(PULLAMANGAI)
ガネーシャの別名ガナパティとはガナの王様のことです。
右上にはネズミもいます。
AIHOLEの石窟RAVANAPADI(6世紀後半)のガネーシャはシヴァの足元で誇らしげに立っています。
9RAVANAPADI
TANJAVURのBRIHADISHVARA寺院(1010年)には沢山のガネーシャがいますが、壁龕に入っている立派な像より隅に彫刻されているガネーシャの方が良い出来です。
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ホイサラ朝の寺院ではSOMNATHPURのKESHAVA寺院(12世紀後半)のガネーシャが可愛いです。
11KESHAVA(SOMNATHPUR)
HALEBIDのHOYSALESHWARA寺院(12世紀中頃)の境内にとても立派なガネーシャ像が安置されています。
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ガネーシャ像はインド全土で見られ、超人気者です。

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寺院の彫刻 その77(東南アジアのドゥルガー)

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東南アジアに伝播したドゥルガー・マヒシャスラマルディニーを見てみます。
カンボジアに素晴らしい像があります。
アンコールの至宝バンティアイ・スレイ寺院(10世紀)の第一塔門の破風にあります。
1SREI097
クメール式の宝冠にサンポット、8臂ではっきりしませんが尻尾を持ち足で踏みつけ、水牛から出てきたところを蛇で縛り上げ三叉戟を突き刺している様に見えます。
隣にはシンハ、下には左右に侍女が彫られています。
桃色砂岩に厚肉彫で彫られた素晴らしい彫刻です。
この他、寺院彫刻は見つかりませんでしたが、彫像は見つかりました。
カンボジアの特徴は台座に水牛が線彫りなどで彫られ、その上に多臂の女神が彫られているのでドゥルガーとわかります。
2マヒシャ7世期(南ベトナム)
隣のタイでは見つかりませんでしたが、ベトナムのチャンパ遺跡で見つかりました。
ニャチャンにあるポーナガル寺院(8〜13世紀)の破風に彫刻されています。
3ポーナガル(PO NAGAR)
4臂でチャクラと蓮、ヴァシュラを持っています。
そして右足で可愛い水牛を踏みつけています。
左右にはミュージシャンです。
3ナガル030
寺院に彫刻されているドゥルガー像は他にありませんが、博物館には保存されています。
中部ベトナムのダナン市から南に60km行ったところに、11〜12世紀に建立されたチェンダン遺跡があります。
4チェダン2
遺構群は三つの祠堂からなり、基壇は砂岩で出来ており、ダンサー、ミュージシャン、兵士などが彫刻されています。
境内の一角に出土品を集めたミュージアムがあり、ここから発掘された「水牛の魔神を殺す女神」像が展示されています。
4チェダン042 2
女神は6臂で片足を曲げ片足は伸ばして水牛を踏みつけています。
水牛の身体の部分は破損していますが頭の一部は残っています。
左右に侍女が彫刻され左側の侍女は壺のようなもの持ち、右側の侍女は合掌しています。
素晴らしい像だと思います。
同じく中部ベトナムにあるビンディン遺跡群の雁塔(THPOHAN)へ行きます。
雁塔001
11世紀に建立され、丘の上に建っています。
内部の壁に立てかけられたマヒシャスラマルディニーの彫刻があります。
雁塔012
おそらくポーナガルの様に入口上部に設置されていたものだと思われます。
ポーナガルととてもよく似ています。
ダナンの街の中にあるチャム彫刻博物館はフランスが建てた素晴らしい博物館です。
チャムの至宝がオープンエアーの風通しの良い展示室に並んでいます。
何時間いても飽きません。
ここには数点のドゥルガー像が展示してあります。
5チャム彫刻博物館1
6チャム彫刻博物館2
7チャム彫刻博物館3
インドネシアはドゥルガーの宝庫です。
ジャワ島中部のジョグジャカルタへ行きます。
7〜8世紀の古いジャワのヒンドゥー寺院は一定の規律で作られています。
まず東正面左右には門神ドゥパラパーラが、南面にはグル(シヴァ自身)、西面にはガネーシャ、北面にはドゥルガーが壁面に彫刻されています。
残念なことに現在完全に残っている寺院はあまりありません。
奇跡的に8世紀に建立されたゴドン・ソンゴ寺院の第3寺院に残っています。
8ゴドンソンゴ
火山の斜面に5つの小さな寺院が建っています。
ドゥパラパーラもグルもガネーシャもドゥルガーも保存状態はかなり悪いですがなんとか分かります。
8臂で水牛の上に立ち、水牛の首からマヒシャが出てきた様子がわかります。
8ゴドンソンゴ2
もう一つサンビサリ寺院(9世紀前半)にあります。
1966年、地元の農民が農作業中に、偶然、彫刻が施された石片を掘り当て、同寺院の発見に至りました。
9SANBISARI001
発見当時、サンビサリ寺院は地下6.5mに埋まっており、これは11世紀に起こったとされるムラピ山大噴火の影響ではないかと考えれられています。
そのため保存状態が非常に良いのです。
北面のドゥルガー像はしっかり残っています。
9SANBISARI012
寺院彫刻ではありませんが、LOROJONGGRANG寺院のシヴァ堂に素晴らしいドゥルガーの彫像が安置されています。
この寺院も内部の南面にグル、西面にガネーシャ、北面にドゥルガーの像が安置されています。
とても気品のある精巧な像で8臂の手には、水牛の尻尾、弓、剣、チャクラ、法螺貝、盾、弓、を持ち、従者の頭に手をのせています。
10LOLO058 2
おとなしい水牛の上にトリバンガの姿勢で立っています。
宝冠やアクセサリーも素晴らしく高貴な感じがします。
王女のポートレートスタチューとも言われています。
東ジャワのMALANGの近くにあるBADUT寺院(8世紀)の北側壁龕に頭部の欠けたドゥルガーが彫られています。
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8臂で保存状態の悪い水牛の上に立っています。
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博物館には沢山のドゥルガー像があります。
その中でもオランダのライデン博物館にあるSINGOSARI寺院にあったドゥルガー像は素晴らしい出来です。
12マヒシャスラマルディニー(ライデン博物館)
とてもたくましく、着衣は薄く、インドのサルナート派のようです。
インドネシアの博物館にはたくさんのドゥルガー、それも8割以上がマヒシャスラマルディニーの彫刻があります。
ドゥルガー・マヒシャスラマルディニー像は東南アジアに伝播し、特にインドネシアにおいてヒンドウー寺院にはなくてはならない彫刻でした。

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