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気になる話 その18土偶

サンチ−2塔032
以前から縄文文化には興味がありました。
特に土偶に興味を持ちました。
尖石縄文考古館に行って国宝の「縄文のビーナス」長野県茅野市米沢棚畑遺跡出土、
1縄文のビーナス長野茅野中期
「仮面の女」神長野県茅野市中ッ原遺跡出土を、
3仮面の女神長野茅野後期
是川縄文館では八戸市風張1遺跡出土の「いのりん」を
4合掌土偶青森八戸後期
見ました。
是川縄文館ではたくさんの土偶が綺麗に展示され見入ってしまいました。
実際は土偶を見に行ったわけではなく、旅の途中でよっただけですが、強い感銘を受けました。
秋田を訪れた時には鹿角市にある縄文時代のストーンサークル大湯環状列石まで足を運びました。
P9150795.jpeg
そんな折、上野の国立博物館で縄文展が始まりました。
日本中の縄文文化が上野に大集合です。
もちろん有名な国宝、重文の土偶はほとんど集まります。
<中空土偶北海道函館>
5中空土偶北海道函館
どんなに混んでいようと見なければなりません。
案の定、開館時間に合わせていったのですが、入場券売り場は長蛇の列で、鶯谷方面へ伸びています。
夏で9時頃には30度近くになっています。
入場券は買いましたが、今度は入場制限です。
20分ほどで入館できました。
入口は混み合っていますが順番に見ていかなければ大丈夫です。
目的は土器と土偶なのでどんどん奥に入っていきます。
火焔土器はすごい迫力です。
<火焔土器新潟十日町中期>
14火焔土器新潟十日町中期
巨大なエネルギーを感じます。
いよいよ土偶です。
なんと国宝の土偶5体が勢ぞろいです。
一番感動したのは「縄文の女神」 山形県西ノ前遺跡です。
2縄文の女神山形舟形中期
縄文から急に現代です。
なんという美しいプロポーションでしょう。
頭部も衣装も最先端です。
この土偶が原宿を歩いていたら、格好良さにみんな振り返るでしょう。
もう一つは神奈川県横浜市稲荷山貝塚出土の筒型土偶です。
筒型土偶神奈川横浜後期
縄文の美を再発見し、日本美術史を書き換えた岡本太郎の太陽の塔を思い浮かべました。
絶対この土偶にインスパイアされたのだと確信しました。
そのほか福島県福島市上岡遺跡出土の「しゃがむ土偶」です。
しゃがむ土偶福島福島市後期
とってもまともなのです。
一説によるとお産をしている像と言われています。
それでは土偶とは一体なんなのでしょうか。
<ハート形土偶群馬東吾妻後期>
9ハート形土偶群馬東吾妻後期
説はいっぱいありますが、謎です。
わかっているのは女性が圧倒的に多い、それも乳房、正中(せいちゅう)線、妊娠した腹部、女性器臀部など特定の部分だけ具体的に表現されたものが多い。
<みみずく土偶千葉佐倉後期>
12みみずく土偶千葉佐倉後期
故意に破壊されたと見られる状態で出土することが多い。
集落のゴミ捨て場などに投棄された状態で出土されることが非常に多い。
特に東日本からの出土が多いなどです。
<みみずく土偶千葉銚子後期>
13みみずく土偶千葉銚子後期
これらの事から女性の生殖機能を強調しているので、多産、安産などを祈る意味合い、故意に壊したと思われるもが多いので祭祀などの際に破壊し、災厄などをはらうことを目的に製造された、身体の悪い所を破壊することで快癒を祈った、などが考えられますが決定的なものはありません。
その他イノシシ、クマ、イヌ、サルなどの動物土偶も出土しています。
私の土偶の印象は全く想像外の造形なのです。
弥生時代以降の人々が創造したものは感覚的に理解できるのですが、5000年も前の人たちがこのような物を創造したことは理解できないのです。
例えば遮光器土偶は現在では目をデフォルメしたものと言われていますが、私としてはエスキモーの遮光器をつけた姿か宇宙人の方が理解できるのです。
<遮光器土偶青森つがる晩期>
6遮光器土偶青森つがる晩期
<遮光器土偶宮城大崎晩期>
7遮光器土偶宮城大崎晩期
またよく出てくる三本指の土偶も三本指の宇宙人の方が納得します。
<三本指土器山梨南アルプス中期>
17三本指土器2山梨南アルプス中期
<三本指土器神奈川厚木中期>
16三本指土器神奈川厚木中期
従って自分の想定外の造形に心を惹かれるのだと思います。
縄文時代はミステリアスです。

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気になる話 その17 玉虫厨子

サンチ−2塔031
私の好きな国宝に玉虫厨子があります。
理由の一つは昆虫の玉虫の羽を使っていること、厨子に描かれている装画が素晴らしいことです。
厨子とは仏像などの礼拝対象を納めて屋内に安置する、屋根付きの工作物です。
素晴らしいことに玉虫厨子は実際の仏堂建築の外観を模した造りになっており、古代(7世紀)の日本建築を知るうえでも重要な遺品なのです。
2大正時代の模造j
この厨子の中に安置されていた仏像は三尊仏でしたが13世紀に盗難にあいどんな仏像かはわかりません。
あの美しい玉虫の羽を使うという発想が素晴らしいと思います。
私は昆虫少年で玉虫が大好きでしたが、都会の真ん中では玉虫は滅多に捕れません。
玉虫を見つけたらそれはもう大変な騒ぎです。
3玉虫
7世紀に作られた玉虫厨子には玉虫の羽はほとんど残っていませんが、岐阜県高山市の造園業中田金太さんが作った国宝を忠実に再現した復刻版玉虫厨子には透かし彫り金具の下に玉虫の羽6622枚をはり付けたそうです。
厨子は一番下の台脚部、その上の須弥座部、一番上の宮殿部からなります。
宮殿部は創建当時の金堂の姿をそのまま伝えていると言われています。
宮殿部の正面と両側面は観音開きの扉で、内壁には金銅打ち出しの千仏像が貼り付けてあります。
宮殿部正面扉には向かい合って立つ2体の武装神将像を描き、
4宮殿部正面扉(神将図)
左右扉には各2体の菩薩立像が描かれています。
5宮殿部向かって左面扉絵 二菩薩
これらの像はかなり正確に左右対称に描かれています。
宮殿部背面に描かれるのは霊鷲山浄土図で、中央に3基の宝塔とその中に坐す仏、その下に岩窟中に坐す4体の羅漢像が描かれています。
6宮殿部背面(霊鷲山図)
これらの左右には日月、飛翔する2体の天人、2体の鳳凰などが描かれています。
須弥座部は、正面に「舎利供養図」、向かって左側面に「施身聞偈図」(せしんもんげず)、右側面に「捨身飼虎図」(しゃしんしこず)、背面に「須弥山世界図」を描きます。
「捨身飼虎図」と「施身聞偈図」は釈迦の前世の物語である本生話(ジャータカ)です。
捨身飼虎図は薩埵王子(釈迦)が飢えた虎の母子に自らの肉体を布施するという物語で「異時同図法」の典型的な例としても知られ、王子が衣服を脱ぎ、崖から身を投げ、虎にその身を与えるまでの時間的経過を表現するために、王子の姿が画面中に3回登場します。
7捨身飼虎図
  10捨身飼虎図
「施身聞偈図」は雪山童子(釈迦)は修行中、山 野を歩いているとき谷 底の竹林のかげにうずくまる羅刹(仏教での悪魔)が「諸行無常、是生滅法」と唱えているのを耳にします。
それに続く偈の後半を聞きたく、自分の体を与えることを約し「生滅滅己、寂 滅偽楽」を聞くことができました。
それを広く衆生に伝えるために岸壁にしるした後、羅刹に身を与えるために崖から飛び降ります。
実は羅刹は帝釈天の化身であって、すばやく本来の姿に戻って落下してくる釈迦を受け止めたという話です。
右下に羅刹、左に手を差し伸べる雪山童子、その上にき得た偈を岩壁に記している雪山童子を、右側には崖から飛び降りる童子、それを受け止める帝釈天が描かれています。
8施身聞偈図
  11施身聞偈図
須弥座正面(舎利供養図)は上部に飛天、その下に香炉、その下に舎利壺、その下に供物台、舎利壺の左右に柄香炉を捧げる二人の比丘が描かれています。
3舎利供養図
  shumisenn2.jpg
「須弥山の図」は下部に仏殿が描かれ、その背後 左右に山稜が続き、その中央に須弥山が高く聳えています。
その左右上下に四棟の小さい堂宇 が建ち、最上部にもう一つの仏殿が描かれています。
画面上方左右には日月が描かれています。
9弥山世界須図
  12弥山世界須図
7世紀の飛鳥時代に制作された仏教工芸品で当時の建築様式、当時の絵画の様式、そして素晴らしいアイデアの玉虫の羽を使った装飾など、国宝にふさわしい逸品です。
「施身聞偈図」と「捨身飼虎図」は釈迦の前世の物語である本生話(ジャータカ)でインド、ネパール、東南アジア各国でも見かけます。
7世紀にはこれらの説話が入っていたことを考えると、悠久のロマンを感じます。

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気になる話 その16 レイ・ハリーハウゼン

サンチ−2塔030
今回は特撮技術の父と言われたレイ・ハリーハウゼンの話です。
東宝の怪獣映画が大好きだった子供の頃、夏休みに田舎の映画館で「シンドバット七回目の航海」を見たときの興奮は忘れられません。
1七回目の航海
学校の図書館で読んだアリババの話や魔法の絨毯の話と共にシンドバットはアラビアのエキゾチックな世界を教えてくれました。
カラーのこの作品はシンドバットの航海で出会う様々な怪物達、1つ目巨人のサイクロプスや、双頭の巨大鷲のロック鳥、ドラゴンなどとの戦いや骸骨戦士との剣戟シーンなど満載でハラハラドキドキの連続でした。
2七回目の航海4
この後に制作された「アルゴ探検隊の大冒険」も大興奮でした。
3アルゴ探検隊
さらに進歩した7体の骸骨戦士との集団剣戟や、空を飛び回る怪鳥ハーピー、重厚な動きを見せる青銅の巨人タロスなど見入ってしまいました。
特に、7首の竜ヒドラの登場シーンではあまりのリアルさに感動しました。
4アルゴ探検隊2
レイの撮影技術は可動式骨格をもつ人形を1コマずつ撮影し、リアルな動きを作り出します。
特に評価が高いのは「ダイナメーション」と呼ばれる手法で、これは俳優の演技をスクリーン・プロセスでコマ送りし、投影しながらそれに合わせて人形を動かすものです。
カラー撮影の場合は俳優と人形の色の変化が著しいのですが、それも解決して特撮技術を進歩させました。
その後「シンドバッド黄金の航海」ではダイナメーションてんこ盛りです。
5黄金の航海
6本腕の神カーリー像のダンスとシンドバッド達との剣戟が有名で、空を飛ぶ小悪魔のようなホムンクルス、動き出す船首女神像、1つ目のケンタウロスとグリフォンの死闘などがありました。
6黄金の航海2
最後の「シンドバッド虎の目大冒険」でも興奮は続きます。
7虎の目
この作品では1本角の原始人やサーベルタイガー、巨大セイウチ、金色の人造ミノタウロスなどが登場します。
8虎の目3
その後はコンピューター技術の進歩によりレイのアナログ的な手法は用いられなくなります。
今見ればぎこちなくコミカルですが十分存在感があり、デジタルでは表現出来ない深みがあります。
最近デビュー作「原子怪獣現わる」をDVDで見ましたが核実験で蘇った巨大な怪獣が都市を襲撃するというストーリーやマンハッタンに上陸する、特殊な武器で攻撃するなどの設定が、後のゴジラなどに影響を与えたと思われます。
9原子怪獣あらわる
レイの支持者は多く、スティーヴン・スピルバーグ、ジェームズ・キャメロン、ピーター・ジャクソン、ジョージ・ルーカス、ジョン・ランディス、ニック・パークなどがレイの意思をついでいます。
おそらく皆、子供時代にレイの映画を見てハラハラドキドキした人達です。
10原子怪獣あらわる3
「ダイナメーション」は不滅です。

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気になる話 その15 腹の虫(針聞書)

サンチ−2塔029
以前、新聞に九州国立博物館所蔵の「針聞書」のことが載っていました。
おそらく修理が終了したとか、そんなことだと思います。
そして「針聞書」の写真が載っていました。
その写真を見て愕然とし、頭から離れなくなりました。
すぐにアマゾンで調べましたら、2冊の本が出版されていました。
「戦国時代のハラノムシ」と「虫の知らせ」です。
もちろんすぐに購入です。
「針聞書」とは400年前の戦国時代に大阪の茨木あたりに住んでいた二介という人物によって書かれた鍼(針)の秘伝書です。
内容は病気別に治療法として、鍼、灸の位置や打ち方、漢方薬の種類を細かく記しています。
何よりユニークなのはその病気の原因を不思議な虫で表しているのです。
その数63あります。
今でこそ我々はレントゲン、CT、MRI、体内カメラで病気の状態、顕微鏡で病気の原因を知ることができますが、何もない400年前の人達の病気に対する考えを垣間見ることができる、貴重な書です。
それでは一部を紹介します。
1肺積
 肺積(はいしゃく)
 棲息域 肺。右の肺に生まれて胸先へと
      移動する。
 特徴  右向きの小さい方が幼虫で、
      大きな方が成虫
 病状  匂いを嫌がるが、生臭い悪臭は
      好む。性格は悲観的になる。
 治療  鍼術はこの上なく柔軟に浅く刺す。

 





2腎積
  腎積(じんしゃく)
  棲息域 腎臓。ヘソの下。
  特徴  イノシシに似ている。
       体内を猪突猛進する。
  病状  顔や体が黒く、塩辛いものを好む。
       口臭はひどく腐敗臭が漂う。
  治療  鍼術のコツは色々あり、ひとことでは
       伝えきれない。



   




3肝積
  肝積(かんせき)
  棲息域 肝臓。左の脇腹に生まれて
       頭突起をしながら攻め登る。
  特徴  女性の乳のような形をしていて、
       2本の長いヒゲをはやしている
  病状  怒りで顔が青ざめ、すぐに
       人を怒鳴りつける。
  治療  鍼は左わき腹の本体に刺し、
       そのあと背骨を刺す。









4脾の聚img074
  脾の聚(ひのじゅ)
  棲息域 脾臓
  特徴  岩石のような格好、口がでかい。
  病状  この虫が体内を転げまわると、
       足元がぐらつき転倒する。
  治療  鍼術のコツは口づてに教える。









5肺虫
  肺虫(はいむし)
  棲息域 普段は肺にいるが、たまに体外に
       飛んでいく。
  特徴  真っ赤な顔は3つの股の口で舌の
       ような尻尾がある。
  病状  肺から抜け出し迷子になって
       帰ってこないと、とりつかれて
       いる人は死ぬ。







6陰虫
 陰虫(かげむし)
 棲息域 男女の陰部
 特徴  男女和合の時突然、男女のそれ
      ぞれの隠部に湧いて出る。
      女性は赤い経血を出し、男性は
      白い精液を出すが、ともに虫が
      口から 吐き出したものである。
      和合の際、男の虫と女の虫が
      ハリガネのような足でお互いに
      絡みつき離れなくなる。
 病状  しょっちゅうインランな気持ちが
      起こり、いつもムラムラしている。
 治療法 口づてに教える。


7蟯虫
 蟯虫(ぎょうちゅう)
 棲息域 男女の和合で幼虫が宿るので
      陰部と推定される。
 特徴  申の夜、ヒトの体内から抜け
      出し、閻魔大王に悪行を報告する。
 病状  庚申の夜に男女のちぎりを交わ
      すと、この虫の幼虫を宿して
      しまう。すると天罰の病を患い
      死んでしまう。
 対処法 徹夜で庚申待をして虫の脱出を防ぐ。
      その晩はちぎりを控えて幼虫を宿さ
      ないように予防するしか方法は無い


8悪虫
  悪虫(あくちゅう)
  棲息域 脾臓
  特徴  凶悪な虫で、鋭利な6本の爪で
       取り付いた人の脾臓に
       しがみつく。
  病状  取り付いた人のご飯を横取りし、
       とりつかれた人は「痩せの
       大食い」になる。
  治療法 木香の根を内服する。 







9陰の亀積
   陰の亀積(いんのかめしゃく)
   棲息域 腹部。
   特徴  亀の様な体に白蛇状の虫が
        まとわりついている。
   病状  取り付いた人を死なせた後、
        長い時間が経ってから
        腹の内部から這い出す。
   治療法 箒草を食事にあえて食べる。








10耳虫
   耳虫
   棲息域 耳と心臓を行ったり来たりする。
   特徴  長い耳があり、蛇の様な胴体で
        クネクネ移動する。
   病状  水と冷たいものを好み、湯と温か
        いものを嫌う。
   治療法 キク科のオケラの根茎とサルノ
        コシカケの菌茎で消滅する。







11脾臓の笠虫
 脾臓の笠虫(ひぞうのかさむし)
 棲息域 脾臓
 特徴  頭に真っ赤な笠をかぶり、胴体
      には毛が生え、尾は二股。
 病状  虫の笠が食べ物の通りを邪魔する
      ため、血色は悪くなり、激痩せ、
      激太りになる。
 治療法 セリ科のアギとウコンの茎根を
       服用する。








12腰抜の虫
   腰抜の虫(こしぬけのむし)
   棲息域 腰
   病状  激痛で腰が抜け、冷や汗を垂らす。
   治療法 木香と甘草を内服する。













13気積img097 2
   気積(きしゃく)
   棲息域 胃袋と推定される。
   特徴  顔は三つ股の口で、尻尾が生えて
        いる。油物が大好きである。
   病状  精力絶倫となって色事を好む
        様になる。
   治療法 虎のハラワタを食らう。








この書は当時の人々が人間の心と体を支配する病魔をイメージした病魔を絵にし、その解説と治療法を記した医学書なのです。
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このイメージは単なる想像上の産物ではなく、当時の誰しもが本当に存在すると信じていたことです。
そしてその想像力の素晴らしさに脱帽です。

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気になる話 その14(ナマハゲ)

サンチ−2塔028
ナマハゲには昔から興味がありました。
そしてついにナマハゲの旅が実現しました。
なんとその3ヶ月後にナマハゲはユネスコの世界無形文化遺産に「来訪神」のひとつとして提案されたのです。
実にめでたい。登録されれば良いな。
ナマハゲとは男鹿半島周辺で行われてきた年中行事、あるいはその行事において、仮面をつけ藁の衣装をまとった神の使いを指すとのことです。
ナマハゲの行事は江戸時代には行われていたようで、写真は江戸時代の紀行家である菅江真澄が記した「牡鹿乃寒かぜ」でナマハゲについて書かれています。
江戸時代の紀行家である菅江真澄が記した「牡鹿乃寒かぜ」
大晦日の晩、それぞれの集落の青年たちがナマハゲに扮して、「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡ります。
男鹿の人々にとってナマハゲは、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす、年の節目にやってくる来訪神です。
ナマハゲを迎える家では、昔から伝わる作法により料理や酒を準備して丁重にもてなします。
男鹿市内の「ナマハゲ行事」は、かつて小正月に行われていましたが、現在は12月31日の大晦日に行われています。
ナマハゲの意味は冬、囲炉裏で長く暖をとっていると、手足に火型(火斑)ができます。
これを方言で「ナモミ」と言いますが、怠け心を戒めるための「ナモミ剥ぎ」が「ナマハゲ」になったと言われています。
なまはげの持ち物は
1)出刃包丁と御幣
「ナモミ」を剥ぎ落とすための「出刃包丁」や地域によっては、神のしるしとしての「御幣(ごへい)」を付けた杖を手に 持って巡ります。
2)面
 木の皮、木の彫刻、ザルに紙を貼ったもの、紙粘土など様々な素材が使われています。最近はプラスチック製や地元の木 彫師による面も多く使われるようになりました。
3)ケデ
 ワラ製のミノ状にした衣装。面とともに神に扮する象徴的な衣装です。ケダシ、ケンデ、ケラミノなどともいいます。
4)ハバキ
 ワラで編んだ脛(すね)あて。これを着けるのは他所から来ることを意味します。
5)わらぐつ
 雪中、遠くから来るためのワラ製の靴。
それではナマハゲの知識を十分つけたところでいよいよナマハゲ巡りです。
私は飛行機で秋田空港まで行き、レンタカーで回ります。
ファーストコンタクトは秋田空港です。
1空港
男鹿半島に向かう道に巨大ナマハゲ発見です。
男鹿総合案内所の前です。
2案内所
そしてナマハゲ伝説の赤神神社五社堂へ向かいます。
手前の門前にも巨大ナマハゲがあります。
3門前
五社堂は鬼が作ったという999段の長い石段をヒーヒー言いながら登ります。
すると重要文化財の五棟の社堂が見えてきます。
4五社堂
祀られているのは5匹のナマハゲで両親と3人の子供と言われています。
次はハイライトの「なまはげ館」へ行きます。
途中素敵なナマハゲのオブジェがあります。
5オブジェ
6オブジェ
「なまはげ館」はモダンで素敵な建物です。
7なまはげ館
中はもうナマハゲだらけでナマハゲずきにはたまりません。
男鹿のナマハゲ勢揃いです。
8なまはげ館
9なまはげ館
10なまはげ館
11なまはげ館
そして隣の「なまはげ伝承館」では真山地区のなまはげをリアルに体験できます。
12伝承館
家に入るところから出て行くところまで、ナマハゲの動作には一つ一つ昔からのしきたりがあります。
ナマハゲと主人の問答が最高です。
13伝承館
14伝承館
この伝承館は本物の古い民家を移築したものでとても雰囲気があります。
私は秋に行きましたが、外はしんしんと雪が降っているような錯覚を覚えました。
少し先にある真山神社はナマハゲゆかりの神社で、大晦日真山地区のナマハゲはここからスタートします。
15真山神社
ナマハゲの旅はこれで終わりです。
今夜の宿、男鹿温泉に向かいます。
男鹿温泉郷の入り口では大きなナマハゲが歓迎してくれます。
16男鹿温泉
悲しいことにナマハゲは核家族化した若い人たちに人気がなく、衰退傾向の一途をたどっています。
地元が補助金を出しても効果がありません。
ユネスコの世界無形文化遺産に登録されることで知名度が広がり、多くの人たちが関心を持ち、この行事が少しでも長く存続することを祈るばかりです。
ナマハゲ
「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」

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