映画の話 その12(蜜の味)

43ワシスト
トニー・リチャードソン監督を知ったのは「蜜の味」でした。
ビートルズのポールが歌う「蜜の味A Taste of Honey」がとても好きだったので、てっきり映画「蜜の味」のテーマ曲と思い込んでいました。
シェラ・デラニーの本(戯曲)も読みました。
ある日何処かの名画座で上演しているのを知り、すぐに見に行きました。
しかし「蜜の味A Taste of Honey」が流れないのです。
後からわかった事ですがブロードウェイで上演する時にリック・マーロウとボビー・スコットが作った曲だとわかりました。
蜜の味5
音楽が無くても素晴らしい映画でした。
ロンドンの女子高生ジョーは、うらぶれた酒場の歌手をしている男にだらしない母親と下町のアパートで2人暮らしをしています。
家賃も滞りがちで、2人して夜逃げをするのも珍しくない、そんな鬱屈した日々を送るジョーはある時、黒人の船員と出会い恋に落ちます。
つかの間、恋愛の喜びにひたるジョーでしたが、港々を渡り歩く船員は、結局は彼女を捨てて旅立っていきます。
なんとジョーは船員の子を妊娠していました。
金持ちの恋人を見つけた母親も家を出ていき、ひとりぼっちのジョーの前に現れたのは、靴屋の店員ジョフリーでした。
蜜の味
彼は同性愛者ですが、妊娠中のジョーに何かと親切に世話を焼いてくれます。
そしてジョーとジョフリーは同棲生活を始めるのです。
そこに捨てられた母親がもどってきてジョフリーを追出します。
また母親ともとの二人暮らしです。ジョフリーとの生活はつかの間ではありましたがジョーにとっては人生で一番甘い生活でした。
蜜の味4
トニー・リチャードソンの美しい映像とジョー役のリタ・トゥシンハムの演技、ロンドンの下町が何とも言えない雰囲気を醸し出します。
ジョーとジョフリーの同棲生活がとても美しいのです。
ラストで花火を見つめるジョーの瞳の美しさ。
蜜の味2
リタ・トゥシンハムはその後に見たリチャード・レスター監督の「ナック」でも主演しているではありませんか。
ちょうど読んでいた「怒れる若者たち」と言われたジョン・オズボーン、コリン・ウィルソンやアラン・シリトーの本が好きで同時期の「ニューウエィヴ」と呼ばれた若手監督トニー・リチャードソン、リンゼイ・アンダーソン、カレル・ライス、も大好きになりました。
イギリス映画万歳!

8-2ウィジョヨクスモの花

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