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寺院の彫刻 その61(シヴァ11 ラーヴァナに恩恵を授けるシヴァ)

PANATA124_1.jpg
「ラーヴァナに恩恵を授けるシヴァ」は「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」とも言われ、この方が一般的です。
『ランカーの王ラーヴァナがシャラヴァナという所にやってきて、山に登ろうとしたが彼の戦車プシュパカは動こうとしなかった。ラーヴァナはサルの顔をしたシヴァの従者ナンディケーシュヴァラという矮人に会い、彼に戦車が動かない理由をたずねた。彼はシヴァがウマ−(パールヴァティー)と山頂で遊戯に耽っているので、神々ですら山を越えることは禁じられていると答えた。ラーヴァナは激怒し、シヴァとは何者かと尋ね、ナンディケーシュヴァラをあざ笑った。そしてカイラーサ山を10本の腕で持ち上げた。山は揺れウマーは恐怖に震えシヴァの腕にしがみついた。シヴァは山の揺れる理由を知り、山を足で押さえつけ、ラーヴァナを山の下に閉じ込めてしまった。ラーヴァナは1000年泣きながらシヴァの賛歌を唱えた。シヴァはやっと彼を許し刀剣(チャンドラハース月の刃)を授けランカーに帰らせた。』という話です。
私の名前ravanaはこの羅刹の王ラーヴァナravanaから戴きました。
ravanaのコピー
ラーヴァナについては寺院の彫刻 その29(ラーマ2)を参照してください。
形態は多面多臂のラーヴァナがカイラーサ山を持ち上げ、山の頂上にはシヴァと怯えたパールヴァティーが座っているところが有名です。
ELLORA CAVE16(8世紀)のカイラーサナータ寺院です。
ここには有名な「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」があります。
立膝でカイラーサ山を持ち上げるラーヴァナ、カイラーサ山には左右に門番がおり、ガナがいます。頂上で怯えてシヴァにすがりつくパールヴァティーがいます。
さらに上空には神々がおります。
1カイラーサE-CAVE16051
CAVE29(6世紀後半)も良い出来です。
2カイラーサE-CAVE29006
ELEPHANTA(6世紀中頃)の彫刻は残念なことに保存状態が良くありません。
ラーヴァナも頭部がわからず、シヴァの右腕に寄り添うパールヴァティーもわかりません。
残った部分から、かなりの作品であることがわかります。
3カイラーサELEPHA076
南インドのMAHAKUTAにあるMAHAKUTESHVARA寺院(7世紀)の基壇の彫刻です。
カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナと山頂で怯えるパールヴァティーの顎を愛撫する余裕のシヴァです。
左隣の彫刻は前回お話ししたアルダナーリーシュヴァラです。
4カイラーサ
南インドのMAMALLAPURAMにあるOLAKKANATHA 寺院(8世紀初め)の壁龕に彫刻されています。
ここは昔の灯台と言われています。
おそらく漆喰が塗られていたと思われます。
5カイラーサLIGHT006
KANCHIPURAMにあるMATANGESHWARA寺院(8世紀)のポーチの彫刻です。
面白いのは未完成でこれから細部を掘っていく様子がよくわかります。
6カイラーサMATANGESHWARA
同じ時期のMUKTESHWARA寺院(8世紀)のポーチの彫刻は完成しています。
13MUKTE009.jpg
南インドのDARASURAM にあるAIRAVATESHVARA寺院(12世紀後半)の壁龕の彫刻です。
3段になっており、一番下にラーヴァナと彼の乗り物の戦車(プシュパカ)2段目は山の動物と神々、3段目にシヴァとパールヴァティーが彫刻されています。
7カイラーサAIRAVATESHVARA(DARASURAM)
南インドのPATTADAKALにあるVIRUPAKSHA寺院(740年)のポーチの柱の彫刻です。
とても細かい彫刻です。
8カイラーサVIRUPAKSHA
もう一つこの寺院の壁龕に興味深い彫刻があります。
崩壊がひどいので良くわかりませんが、下部に戦車に乗ったラーヴァナ、左側におそらくシヴァの従者ナンディケーシュヴァラ(ナンディケーシュヴァラは矮人で小人の筈ですが)か?、上部にはシヴァとパールヴァティーが彫刻されています。
9カイラーサVIRUPAKSHA
南インドのKORAVANGALAMにある BUCHESHWARA寺院(13世紀初め)です。
このホイサラ朝の寺院はとても不思議でした。
壁龕にカイラーサ山を揺さぶるラーヴァナは彫刻されているのですが上部にシヴァとパールヴァティーの彫刻がないのです。
少し離れて見てみるとなんと屋根にシヴァとパールヴァティが彫ってありました。
10カイラーサ
同じホイサラ朝の寺院BELURのCHENNA KESHAVA寺院(12世紀前半)はとても細かい彫刻で彫られています。
11chenna keshava-2(BELUR)
東インドBHUBANESWARのSATRUGHNESHWAR(7世紀中頃)寺院のシカラにはすばらしいカイラーサ山を揺さぶるラーヴァナの彫刻があります。
ラーヴァナの上部には愛し合っているシヴァとパールヴァティー、その隣にはガネーシャと孔雀に乗るスカンダが彫刻されています。
カイラーサ17
カイラーサ16
しかしなんといっても傑作はPARASURAMESHWAR(7世紀中頃)の彫刻です。
ラーヴァナの表情、それを取り囲むバカにしたようなガナたち、上部にはシヴァファミリー、チャームンダー、ガネーシャ、ドゥルガー、スカンダなどが彫刻され、特に素晴らしいのはとてもエロティックなシヴァとパールヴァティーです。
14カイラーサ
カイラーサ15
PARASURAMESHWARの彫刻はインドで一番好きな彫刻です。
「カイラーサ山を揺さぶるラーヴァナ」はインドではとても有名なシヴァ神話で全国的に気に入られたモチーフです。

ホームページ  www.ravana.jp

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