映画の話 47(アポロンの地獄)

73カルトウィヨゴ
今回はパゾリーニ監督のアポロンの地獄です。
この映画を観たのは70年頃だったと思います。
狭い新宿の名画座で観ました。
当時はフェリーニ、パゾリーニ、アントニオーニが3大イタリア監督でした。
三大監督の映画を見ていないと仲間外れです。
アポロン5
ソポクレスのギリシャ悲劇「オイディプス王」を原作としています。
オープニングの男の子が誕生する家とエンディングの成長して盲目になった男が何事もなく通過するその家が印象的です。
『一人の女が、男の児を生んだ。
あどけないその赤ん坊の顔をみて、父親は暗い予感にとらわれる。
「この子は、私の愛する女の愛を奪うだろう。そして、私を殺し、私の持てるすべてを奪うであろう」。
舞台は古代、太陽に焼けただれた赤土の山中に、一人の男が赤ん坊を捨てにきた。
アポロン2
泣きさけぶ赤ん坊をさすがに殺すことはできず、男はそのまま立ち去った。
捨て子は、コリントスの王ポリュボスに届けられ、神に授かった子として王妃メローペ(A・バリ)の手で大事に育てられ、たくましい若者エディポ(F・チッティ)となった。
ある日、友だちと争い本当の子でないとののしられたエディポは、父母に事実を問いただし、否定されたがどうしても真実を知りたくて、神託をきくために思いたって旅に出る。
アポロン1
神託は恐しい言葉を、エディポに投げかける。
「お前は父を殺すだろう。そして母と情を通じるであろう。お前の運勢は呪われている」ポリュボスとメローペを実の父母と考えていたエディポは、コリントスには再び帰らぬ決心をして長い絶望の旅を続けた。
テーベの近くまできたとき、エディポは数人の兵士と従僕をしたがえたテーベの王ライオスの一行と出会った。
ライオス王に乞食あつかいにされ侮られたのを怒ったエディポは、兵士たちをつぎつぎ殺し、ライオス王をも殺した。
ただ一人、老従僕だけが、エディポの剣をのがれた。
予言は実現したが、エディポには知るよしもなかった。
テーベに到着したエディポは、人々が続々と、町を逃げて行くのに会った。
聞くと、暗黒の国からきたスフィンクスが、人々を恐怖と災いのどん底に突きおとしているとのことだった。
アポロン3
エディポは単身スフィンクスに挑戦、殺した。
スフィンクスを退治した者は、ライオス王の后イオカステ(C・マンガーノ)を妻とし、テーベの王になれるという布告が出ており、エディポは、テーベの王となった。
それから間もなく、テーベにはおそろしい疫病が流行しはじめた。
イオカステの弟クレオンが、アポロンの神託を受けてきた報告によると、これは天の怒りで、その怒りをとくためには、ライオス王の殺害者を捧げねばならないとのことだった。
エディポは犯人探索もはじめた。そのため予言者ティレシアスが召された。
ティレシアスの言葉から、その犯人が自分であるとエディポは聞かされた。
それが真実かどうか、エディポはライオス王の死を知らせたという羊飼いにあった。
その男こそが、彼を山中に捨てた男だった。
今こそエディポは真実を知った。
真実を知ったイオカステは首をつって自殺した。
エディポは自らの手で両眼をえぐり、あてのない放浪の旅に出た。
アポロン4
そして現代。
一人の盲人が、若者の肩につかまり、さまよって行く。
その顔は、エディポに、そっくりである』という話です。
全編モロッコで撮影され荒野や城が美しい。
そして主人公たちや住民のコスチュームが素晴らしい。
特に被り物がユニークです。
音楽はモーツアルト、ルーマニアなどの民族音楽、インドネシアのケチャ、特に日本の雅楽のような古典音楽がマッチしています。
極端に少ない台詞と場面場面に入る無声映画のカットタイトルの字幕が画面を引き締めます。
シルヴァーナ・マンガーノは美しい。
自殺のシーンはサービスショットなのでしょうか。
とても印象に残る映画でした。

8-2ウィジョヨクスモの花

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