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石の巡礼 その1(十王)

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ホームページに掲載した巡礼記の34a序章日本でも書きましたが日本の石造物に対して興味が湧いて、自然や温泉、食べ物など旅行の楽しみをプラスした石の巡礼を始めることにしました。
時代は関係なく自分の興味の対象となる石仏、石造物を探しての旅です。
旅で集めた情報をまとめて石の巡礼としました。
第1回は閻魔大王はじめとする十王です。
1永観堂十王図
十王(じゅうおう)とは、道教や仏教で、地獄において亡者の審判を行う10尊の、いわゆる裁判官的な尊格です。
人間を初めとするすべての衆生は、よほどの善人やよほどの悪人でない限り、没後に中陰(霊魂身)と呼ばれる存在となり、初七日 - 七七日(四十九日)及び百か日、一周忌、三回忌には、順次十王の裁きを受けることになります。
その十王とは
2秦広王
  秦広王 不動明王 
  初七日(7日目・6日後)
  三途の川の手前で罪に対する嘘の有無を
  審議をしている











3初江王
  初江王 釈迦如来 
  二七日(14日目・13日後)
  秦広王の裁きを受けた亡者が、三途の川を正しく
  渡ったかを審議することに加え、生前亡者と関わりに
  あった動物が呼ばれて、その亡者についての
  証言を聞く










4宋帝王
  宋帝王 文殊菩薩 
  三七日(21日目・20日後)
  猫と蛇を用いて、主に性犯罪や痴漢などの
  「邪淫罪」の疑いを審議する











5五官王
  五官王 普賢菩薩 
  四七日(28日目・27日後)
  亡者の罪の業を秤で量って裁く












6閻魔王
  閻魔王 地蔵菩薩 
  五七日(35日目・34日後)
  冥界の王として死者の生前の罪を裁く
  浄玻璃の鏡で生前の行いを調べる
  また嘘も調べる











7変成王
  変成王 弥勒菩薩 
  六七日(42日目・41日後)
  地獄には八大地獄があり、どの地獄に
  流刑されるかを決める












8太山王
  泰山王 薬師如来  
  七七日(49日目・48日後)
  転生先での性別や寿命を決める












9平等王
  平等王 観音菩薩 
  百か日(100日目・99日後) 
  遺族の貪欲の罪を戒める

  











10都市王
  都市王 勢至菩薩 
  一周忌(2年目・1年後) 
  罪の重い死者は地獄に落とされるが、
  遺族が一周忌法要を心から行うと
  罪が許される 











11五道転輪王
  五道転輪王 阿弥陀如来 
  三回忌(3年目・2年後)
  平等王、都市王でも決められなかった時に
  この判決が本当の最終判決になる











となります。
十王に仏名がついているのは鎌倉時代に十王はそれぞれ相対する十の仏の化身であるとする「本地垂迹―仏菩薩を本来の姿とし、神を仮の姿とする神仏習合」という考えが生まれたからです。
十王の他には地獄で働く懸衣翁、奪衣婆、閻魔王の補佐官司録、司命、倶生神、鬼などがいます。
12奪衣婆
  奪衣婆
  三途の川の岸の衣領樹という大木の下にいて、
  死者の衣服をはぎ取り、樹上の懸衣翁に渡す
  という老女の鬼。











13司録jpg
  司録
  司命と共に裁判で罪状を読み上げ、
  判決文を記録する書記官













14司命
  司命
  司録と共に裁判で罪状を読み上げ、
  判決文を記録する書記官













15倶生神
  倶生神
  人が生まれると同時に生まれ、常にその人の両肩に
  在って、昼夜などの区別なく善悪の行動を記録して、
  その人の死後に閻魔大王へ報告する 
  左肩にある男神を同名(どうめい)といい、
  善行を記録し、右肩にある女神を同生(どうしょう)
  といい、悪行を記録する










16鬼
  鬼
  閻魔王の配下の異類異形のばけもの

  












そして地獄の裁判に欠かせない浄玻璃の鏡(閻魔王庁に置かれており、この鏡には亡者の生前の一挙手一投足が映し出されるため、いかなる隠し事もできない)、人頭杖(檀拏幢とも言い閻魔王が持つ杖。杖の上には通称「見る目」「嗅ぐ鼻」と呼ばれる2つの頭部が乗っており、これらは閻魔王が冥府で亡者を裁く際に善悪を感知する)、業の秤(地獄にあって亡者の罪業をはかるという秤)の三点セットがあります。
17浄玻璃の鏡
  浄玻璃の鏡
  閻魔が亡者を裁くとき、善悪の見きわめに使用する鏡 
  亡者が生前に犯した罪の様子がはっきりと映し出される
  もしこれで嘘をついていることが判明した場合、
  舌を抜かれてしまう











18人頭杖
  人頭杖(檀拏幢)
  閻魔王が持つ杖。杖の上には通称「見る目」「嗅ぐ鼻」
  と呼ばれる2つの頭部が乗っており、これらは閻魔王が
  冥府で亡者を裁く際に善悪を感知する












19業の秤
  業の秤
  地獄にあって亡者の罪業をはかるという秤
  













まずは死後の世界(冥土の旅)へ出発です。
「冥土の旅」
冥土の旅の最初は、死出の山路です。六日間ひたすら歩きます。800里の遠い道のりです。
                 「初七日 泰広王」
20誓願寺地蔵十王3

最初の裁判官。
死後七日目における裁きを担当します。
倶生神(人の両肩にいる神で、片方は生前の善行を、もう片方は悪行を記している)からの報告を元に、無益な殺生を初めとする仏教の五戒に反していなかったかについての審理を行います。
また、その死者がどこから三途の川を渡るかを決めます。
(山水瀬・江深淵・有橋渡の三箇所があるから三途の川と言われます。山水瀬は罪の軽い人、江深淵は罪の重い人、有橋渡は金銀七宝で出来ており、善人が渡ります)
すると三途の川が見えてきます。三途の川には橋がかかっているので比較的罪の軽い人は、渡ることができます。罪が重い人は、川を歩いて渡らなければなりません。渡し船もありますが六文かかります。この川を渡ると戻ることができません。
                 「懸衣翁と奪衣婆」
三途の川
三途の川を渡るとそこには脱衣婆(だつえば)と、懸衣翁(けんねおう)がいます。
奪衣婆は服を脱がす老婆で、懸衣翁は脱がせた服を衣領樹(えりょうじゅ)」という木の枝にその服をかけます。
すると、生前の罪の重さにしたがって、枝がしなります。
ここで罪の重さの第一チェックをします。
罪の重い亡者は三途の川を渡る際、川の流れが速くて波が高く、深瀬になった場所を渡るよう定められているため、衣はずぶ濡れになって重くなり、衣をかけた枝が大きく垂れることで罪の深さが示されます。
また亡者が服を着ていない際は、懸衣翁は衣の代わりに亡者の生皮を剥ぎ取るといわれています。
身ぐるみ剥がれて、あとは裸一貫で死出の旅を続けることになります。
                 「二七日 初江王」
21誓願寺地蔵十王5

二番目の裁判官。
死後十四日目の審理を行います。
泰広王の審理結果や三途の川の亡者である懸衣翁などからの報告を元にし、主に盗みに関しての審理を行います。
これ以降の審理では、少しでも改心の見込みがあったり、裁きに不完全な部分があったり、現世の遺族側の回向が十分に行われていたりすると、次の裁判にまわされます。
                 「三七日 宗帝王」
22誓願寺地蔵十王7

三番目の裁判官。
死後二十一日目の裁きを行います。
性に関する罪の審理を行い、邪な性に溺れたものやか弱い女性を欺いたものなどに裁きが下されます。
男性には猫を、女性には蛇を審理の際にあてがわれ、宋帝王の問いに正しく答えない場合はそれらによる苦痛を与えられます。
                 「四七日 五官王」
23誓願寺地蔵十王9

四番目の裁判官。
人の五官が元となる悪業や罪を審理対象とし、特に妄言(嘘)に関する詮議を行います。
その際に亡者の罪の軽重を量る秤を用い、罪深い人は重い分銅の大石を軽々と持ち上げてしまうと言います。
                 「五七日 閻魔王」
24誓願寺地蔵十王11

五番目の裁判官。
生前の行い全てを移す浄玻璃の鏡を持ち、司録、司命と呼ばれる補佐官を従えています。
十王の中で最も有名であり、これまでの裁きの結果を元に死者が六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)の何処に生まれ変わるかを決定します。
                 「六七日 変成王」
25誓願寺地蔵十王2

六番目の裁判官。
死後四十二日後の審理を行い六道に振り分けられた死者が、その中でもどのような場所に生まれ変わるかの審理を行います。
十王の中では比較的寛容で、亡者側の意見や願いを聞き入れてくれるとされます。
人間の善悪を見破る三つ目の赤鬼と青鬼を従えています。
                 「七七日 泰山王」
26誓願寺地蔵十王4

死後四十九日目に最終審理を行う裁判官。
どのような姿で生まれ変わるか、寿命などが決定されます。
この審理を終えるとそれぞれ六道と繋がる六つの鳥居が示されます。
しかし、死者はどれがどこに繋がっているかは分からず、鳥居をくぐって初めて裁きが分かるようになっています。
                 「百日 平等王」
27誓願寺地蔵十王6

死後100日目の審理を行う裁判官。
内に慈悲の心を持ちながらもその形相は恐ろしいと言います。
死後百日目の裁きを行うが、これ以降の審理は再審で、死者に対する一種の救済措置です。
遺族が供養に努めれば、悪道に堕ちたものは救済され、善道に行ったものは更に徳をつめるようになっています。
                 「一周忌 都市王」
28誓願寺地蔵十王8

死後二年目の審理を行う裁判官。
これで喪は明けたとされます。
光明箱とよばれる箱を持ち、中にはありがたい経文が入っているが、悪業の深い者があけると業火に焼かれると言います。都市王の裁きの場から極楽に行くことが可能ですが、その距離は十万億土(一説には三十光年)とされています
                 「三回忌 五道転輪王」
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死後三年目の裁きを行う裁判官。
十王最後の王。
その裁きは地獄の責め苦が行われている現場のすぐそばで行われます。
道服を着用して合掌した姿だというが詳細な持ち物は不明。
その両脇に司録、司命を従えています。
以上が死後の世界で十王の裁きを受ける様子です。
そして十王と関係の深い地蔵菩薩ですが釈迦入滅後、弥勒菩薩が出現するまでの間、現世に仏が不在となってしまう為、その間、六道すべての世界(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)に現れて衆生を救う菩薩であるとされています。
                 「地蔵菩薩」
誓願寺地蔵十王地蔵

次回は各地の十王石像を見ていきます。

ホームページ  www.ravana.jp









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