寺院の彫刻 その37(ラーマ10)

PANATA134.jpg
第6巻 ユッダ・カーンダ(戦争の巻−2)
ラーマ軍を滅ぼすために、ラーヴァナは弟の巨人クンバカルナを起こすことにした。
彼は九カ月間眠り続け一日だけ起きているのだが、その一日のあいだは無敵であった。
しかし、焦っていたラーヴァナは、まだ寝たりていないクンバカルナを無理に起こしてしまったのである。

カンボジア アンコールにあるBAPUON寺院です。
みんなで騒いで、ゾウが一生懸命起こそうとしています。
1bapuon6068
ジャワ島のLOROJONGGRANG寺院群のC.SIVA寺院のパネルです。
棒で突っついたり、耳に水を入れたり、馬で踏んづけたりしていますが起きません。
2LOLO064
南インドBADAMIの丘の上にあるUPPER SHIVALAYA寺院です。
ゾウで踏んづけても起きません。
3UPPER SHIVALAYA
南インドVIJAYANAGARAのVITHALA 寺院のポーチの柱です。
動物が乗っても起きません。
4vithalaAA1_0364

クンバカルナは巨大で、トラのように身軽で、一度に何千というサルを蹴り殺してしまう力がある。
クンバカルナはサルが大好きで一度に何千というサルを食べてしまうので、半日もたたないうちにラーマ全軍の四分の一が食われてしまった。

5-1The_battle_between_Hanuman_and_Kumbhakarna.jpg
カンボジア アンコールにあるBAPUON寺院です。
クンバカルナがサル達をかじっています。
5bapuon6063
ジャワ島のLOROJONGGRANG寺院群のC.SIVA寺院のパネルです。
起きて戦い始めたところです。寝起きが悪そうです。
6LOLO065
ELLORA石窟のKAILASANATHA寺院です。
中央で暴れています。
7E-CAVE16070
東インドATPURにあるRADHA GOVINDA寺院です。
中段右側でサルをむさぼり食っています。
8RADHA-A014
東インドVISHUNUPURにあるKESHTA RAYA寺院です。
上段はクンバカルナ、下段はラーヴァナです。
8−2KESHTA040
西インドNAGDAにあるSASBAHU寺院です。
とても細かい彫刻ですが、上段中央でサルを食べているところです。
9SASBAFU047
東ジャワのC.PANATARANのパネルです。
とても迫力のあるクンバカルナです。
10PANATA208.jpg
タイのクメール寺院PHANOM RUNGの破風の彫刻です。
クンバカルナに果敢に挑むサル達。
11RUNG133.jpg
アンコールのBANTEAY SAMRE寺院の破風の彫刻です。
必死にクンバカルナに食らいつくサル達。
12SAMURE187.jpg
サンフランシスコにあるアジア美術館に保存されている楣です。
11〜12世紀の東北タイの寺院の楣です。
クンバカルナに群がるサル達。
13クンバカルナ東北タイ1075-1125
巨大なクンバカルナの出現に猿たちは逃げまどい大騒ぎになった。
ラーマはハヌマーンの背中に飛び乗り、クンバカルナに向かって行った。
ハヌマーンはクンバカルナの太ももにかじりつき、ラーマは斧でクンバカルナの腕を切り落とす。
これでもクンバカルナはひるまず、ますます猛々しくなって、ハヌマーンの頭を蹴飛ばす。
ラーマは強弓をひきしぼって巧みに応戦し、最後には強力な矢でその首を切り落とした。
巨人の首は建物や道路を押しつぶしながら地を転がり、胴体は海に倒れ伏した。

14-1IMG_0069.jpg
ジャワ島のLOROJONGGRANG寺院群のC.SIVA寺院のパネルです。
クンバカルナの死を悲しむ悪魔軍。
14LOLO066.jpg
南インドVIJAYANAGARAのVITHALA 寺院の北にある寺院です。
下段中央で腕を切られるクンバカルナ。
15vithalaの北0409
クンバカルナはラーヴァナ、ヴィビーシャナ、シュールパナカーと兄弟で巨大な体躯の持ち主で、山ほどもあり、口は広大で、肌は黒く、血と脂の臭気を発します。彼の息は強風と変わりなく、怒ると火を吐き、その雄たけびは百の雷ほどあったとされます。
生き物の創造が無に帰すほどの食欲の持ち主であるため、9か月に1日しか目を覚まさないという呪いをかけられました。
ラーマとの間に戦争が起こったときクンバカルナの睡眠はまだ6か月しか経っていなかったにもかかわらず、ラーマ軍に敗走させられたラーヴァナはクンバカルナを目覚めさせるよう命じました。
そこで1万の羅刹たちがクンバカルナの邸宅にやって来て、肉などの食料と血を満たした甕を運び、騒音を起して起こそうとしました。
最初は法螺貝や叫び声などであったが一向に目覚めないので、棍棒でクンバカルナを打ったり、髪の毛を引っ張ったり、耳に水を注いだり、馬やラクダに踏ませたりし、その騒音はランカー中に響きました。
最後に羅刹たちは1万頭の象をけしかけてクンバカルナに突進させ、乱暴に踏みつけさせると、その足踏みの心地よさによってようやく目を覚ましたのです。
16.jpg
以前雑誌「うめがおか」でお話ししましたが、とても面白いエピソードがあるのでもう一度お話ししたいと思います。
場所はカルカッタからブヴァネーシュヴァルへ行く列車の中です。
「インド人は自国の人でも、外国の人でも知らない人に良く話しかけます。
今回も面白いことがありました。
私の通路をはさんだ隣にインド人のおじいさんが座っており、その隣に巨大な男の人(おそらく130kg以上)が窮屈そうに、とても大きないびきをかきながら寝ております。
この人はホームで乗り込むと5分も立たない内に寝てしまい、周囲の人もびっくりする大いびきで、車掌が切符を調べに来たときに起こされて以来寝たままです。
17.jpg
案の定隣のおじいさんが話しかけてきました。
彼は「ラーマーヤナ(インドの有名な叙事詩)」を知っているかと聞いてきました。
もちろん知っていると答えて、即座に「ラーマーヤナ」の中に出てくる、クンバカルナを思い出しました。
クンバカルナは巨漢の怪物で9カ月間巨大ないびきをかきながら寝たままで、1日だけ起きて人間や動物を食べ、また9ヶ月間寝てしまう恐ろしい魔族です。
隣の人はクンバカルナみたいだねと言ったら、おじいさんはとてもうれしそうに、クンバカルナ、クンバカルナと言い、それを聞いた周りの乗客も口々にクンバカルナ、クンバカルナとそれはもう列車中大合唱になりました。
それでもクンバカルナは起きず、終点のブヴァネーシュヴァルまで寝たままでした。」

ホームページ  www.ravana.jp

音楽の話 その31(キンクス)

ガンジーファ - 036
今回はキンクスです。殿様キングスではありません。 
1964年頃にヒットした「You Really Got Me」は有名でしたがブリティッシュ・インヴェイジョンのバンドの中ではさほど興味がありませんでした。
「Sunny Afternoon」、「Waterloo Sunset」は大好きな曲でしたが実際に購入したアルバムは71年の「Muswell Hillbillies」でした。
キンクス
ジャケットが大きなパブでくつろぐ人々とカウンターに立っているキンクスの面々でいかにもイギリス的です。
アコースティックギターで始まる都市化への恐怖を描いた「20th Century Man」、被害妄想から急性精神分裂統合失調症になった話「Acute Schizophrenia Paranoia Blues」、強烈なダイエット批判の「Skin and Bone」、数々のストレスからアルコール中毒になった男の話「Alcohol」、会社をクビになって毎日がホリディになった「Holiday」、生活を単純にするため何もしない男の話「Complicated Life」、紅茶三昧の歌「Have a Cuppa tea」、北ロンドンにある女性専用の大きな刑務所に入っている彼女の歌「Holloway Jail」、とても美しい哀愁を帯びた「Oklahoma U.S.A」、よく訳のわからない「Uncle Son」 、昔のローリングストーンズのようだと思ったらレイのカントリーだった「Muswell Hillbilly」などたのしさいっぱいです。
キンクス3
キンクスはレイとデイヴのデイヴス兄弟が中心のバンドですが、天才レイのワンマンバンドです。
レイのシニカルな視点で育ったロンドン北部のMuswell Hillを歌いあげます。
皮肉たっぷりの斜に構えた視点のレイ満載のアルバムです。
一見アメリカ音楽に対する畏敬の念を携えたアルバムに見えますが、どうしてこれもレイ流で俺は大英帝国の末裔だ、ロンドン子だ、これがイギリスの田園的ブルースだと主張しています。
他のアルバムでは「Everybody's In Show Biz」が好きです。
キンクス2
だって「Muswell Hillbillies」のライブが入っているのですから。
特にブラスが乗って最高です。
レイのMCも最高です。
「Banana Boat Song」と「Baby Face」を選曲するセンスはレイならではです。
スタジオ録音の方もすべて良い曲ばかりです。
キンクス4
中でも「Celluloid Heroes」は「Waterloo Sunset」と並んで名曲です。

Ωベストアルバム「Everybody's In Show Biz」ライブが楽しいから 

ホームページ  www.ravana.jp



映画の話 その28(81/2)

65ウトロ
フェリーニの81/2です。
とても重い映画でした。
主人公グイド(マルチェロ・マストロヤンニ)の鬱状態が感染してきます。
オープニングからフェリーニの映像美満開です。
渋滞のトンネルの中、著名な映画監督のグイドは車の中でパニック障害を起こし、何とか車から脱出したと思ったら空中を浮遊しています。
81:2-2
高く舞い上がったグイドの足にはロープが結びつけられ、浜辺で男がそのロープを引っ張るとグイドは真っ逆さまに海に。
そこで夢から覚めます。
そこは温泉の保養施設でした。
グイドは次回作の構想中ですがスランプでアイデアが出ません。
心身ともにリフレッシュしようと温泉に来ましたが、そこに愛人は来るは、関係がうまく行っていない妻のルイザ(アヌーク・エーメ)は来るわ、スポンサーは来るわ、ついにスタッフまで来て、鬱はますます悪化します。
トラウマになった子供の頃のシーンは「道」を思い起こさせる名シーンです。
何とか少し構想が浮かびロケットの発射台のセットが出来ます。
ヒロインはグイドが大好きなクラウディア・カルディナーレに決まります。
圧巻はグイドの妄想シーンです。
そこはグイドのハーレムで愛人達に囲まれ、やりたい放題ですが、それでも妄想の中で妻ルイザはグイドに尽くします(おそらく現実ではルイザは主婦業をしていない)。
81:2ー4
グイドの妄想はフェリーニの妄想かもしれません。
クラウディア・カルディナーレはグイドの要請に応えてにグイドのもとにやってきます。
グイドはクラウディアを誘いドライブに行きます。
そこでグイドはクラウディアを必要としていないこと、映画は作らないこと、自分は死ぬであろうことをほのめかします。
フェリーニの8-1-2
一方スポンサー達は新作の会見を発射台のセットで行うことを決めます。
乗り気ではないグイド、質問には一切応えられないグイド、その時誰かがグイドのポケットにピストルをしのばせ、グイドに目配せします。
ポケットを探ってピストルを見つけたグイドは会見のテーブルの下に潜り、引き金を引きます。
最後のシーンはすべての出演者が真っ白な衣裳を着て歩いています。
夕暮れ時になりセットに照明がともります。
フェリーニの音楽隊の登場です。
セットの幕が開くと発射台の階段から全員か降りて来て、グイドの指揮で大きな輪になり全員が手をつなぎ踊りながらぐるぐる回ります。
81:2
夜になって終わりです。
素晴らしいシーンです。初めて見た学生時代は難解な映画だと評判で、理解出来ず寝そうになりました。
今、改めて見ると嘘のように霧が晴れ、とっても解りやすい名画であることが解りました。
グイドは監督を職業にしているので監督としての自分の資質に悩み、夫婦の不和、愛人の存在が絡み精神不安から鬱になります。フェリーニの素晴らしい映像とニーノ・ロータとワグナーの音楽がそれらを包み込み、マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、サンドラ・ミーロの演技力とクラウディア・カルディナーレの美しさが加わり最高の映画になりました。
マルチェロ・マストロヤンニは好きではありませんでしたが、次第にひどくなる鬱病の演技を淡々とこなします。
いつもそばにいる演出家がとても深刻な発言をするのが印象的でした。

8-2ウィジョヨクスモの花www.ravan

ホームページ  www.ravana.jp

寺院の彫刻 その36(ラーマ9)

PANATA134.jpg
第6巻 ユッダ・カーンダ(戦争の巻)
ハヌマーンの報告を聞いてラーマは喜び、さっそく遠征の準備にとりかかった。問題はいかにして海を渡るかである。ラーマは弓に矢をつがえ、海の神に対して道を開けるよう要求した。
1ヴァルナ神とラーマ
海の神はそれは拒否したが、神工ヴィシュヴァカルマンの息子ナラに橋を造らせることを勧めた。
ナラの指導のもと猿たちは石や木を集め、すべての動物が手伝い、海の怪物マカラまで参加して数日で洋上に橋を架けることに成功した。

ジャワ島のLOROJONGGRANG寺院群のC.SIVA寺院のパネルです。
左に弓を持つラーマ、右に合掌する海の神。
2LOLO051.jpg
同じくC.SIVA寺院のパネルです。
左に橋を造るための石を運ぶサル軍、右にそれを手伝う海の生き物達。
口に石をくわえて運びます。
3LOLO052.jpg
南インドのHANGALにあるTARAKESHVAR寺院の基壇のパネルです。
サル達が石を運んでいます。
1HANGAL(Tarakeshvar).jpg
南インドのLAKKUNDIにある寺院です。
上に石を運ぶサル達、下は海で魚や亀、マカラなどが彫刻されています。
5Lakkundi-176.jpg
東ジャワのC.PANATARANのパネルです。
サル達が石を切り出し、運ぶところが彫刻されています。
6PANATA166.jpg
南インドPATTADAKALのPAPANATHA寺院です。
サル達が一生懸命、石を運んでいます。
7papa0674.jpg
タイのクメール寺院PHIMAIの楣の彫刻です。
サル達が運んで来た石を魚達に渡します。
アナンタ龍の姿も見えます。
8PIMAI097.jpg
ネパールのパタンにあるKRISHNA MANDIR の柱の上部です。
サル達が大きな岩を運んでいます。
9KRISHNA MANDIR - 15
猿軍はランカー島に侵入し、ラーヴァナの都城を包囲した。ラーヴァナの弟ビビシャナは正しい心の持ち主でシーターをラーマのもとに返しましょうと訴えたがラーヴァナは聞く耳を持たなかった。ビビシャナは城壁を乗り越えラーマ軍の陣地に入り保護を求めた。
1img074ヴィビシャナとラーマ
こうして長い戦いが始まった。

2IMG_0068.jpg
カンボジア アンコールにあるBAPUON寺院です。
サル軍と悪魔軍の戦い。
4DSC_5970.jpg
BAPUON寺院です。
サルが飛びかかっています。
5.jpg
アンコールのPREAH KHAN寺院の破風の彫刻です。
5KHAN155.jpg
東ジャワのC.PANATARANのパネルです。
悪魔軍にダッコされているみたいでとても可愛いパネル。
6PANATA196.jpg
東インドATPURのRADHA GOVINDA寺院です。
とても細かいテラコッタの彫刻です。
9RADHA GOVINDA 1-ATPUR
アンコールワット寺院の破風の彫刻です。
3ANGKOR137
タイのクメール寺院PHANOM RUNGの破風の彫刻です。
7RUNG073
アンコールのBANTEAY SAMRE寺院の破風の彫刻です。
ラーマとサル軍です。
8SAMRE024
激しい戦いが続き、両軍の勇士たちは次々に死んでいった。

ホームページ  www.ravana.jp

音楽の話 その30(ヴァン・モリソン)

ガンジーファ - 039
私のベストのミュージシャン、ヴァン・モリソンの登場です。
これほどストイックなボーカリストは知りません。
ヴァンの作品に駄作はありません。
68年の「Astral Weeks 」を聞いて下さい。
ヴァン4
魂が揺さぶられるでしょう。
このアルバムのレコーディングはヴァンと全く面識のないジャズミュージシャンがヴァンの歌に合わせて即興で演奏したそうです。
オーヴァーダビングを省いて、ほとんど一発取りの様です。
信じられません。
まるで数十年も一緒にやっているみたいです。
「The Way Young Lovers Do」を聞いて下さい。
ヴァンもすごいがバックもすごい。
恐ろしい全8曲です。
70年の「Moondance」は一般の人達にも受け入れられたアルバムです。
ヴァン2
ヴァンの中ではポップな仕上がりです。
A面1曲目からニヤツイてしまいます。
「Moondance」のイントロ、なんてカッコいいの。
ベース、ピアノ、フルート最高です。
ピアノの間奏最高です。
とても美しく、黒い「Crazy Love」、ノリノリの「Caravan」、この曲を聴くたびにアレサ・フランクリンに歌い方が似ているように感じるのですが。
「Brand New Day」なんて素晴らしい曲なんでしょう。
バッキングボーカル最高。
クラビネットから始まる不思議な曲「Everyone」、「His Band and the Street Choir」「Tupelo Honey」「Saint Dominic's Preview」どれも佳作で外れがありません。
「Veedon Fleece」も大好きなアルバムです。
ヴァン1
どの曲も凛として透明感があり美しいアルバムです。
おそらくベルファストに帰って曲を書いたことが反映されているのかもしれません。
ブラスやコーラスが入っていないことも起因しているかもしれません。
68年に「Astral Weeks 」が出来たのは奇跡としかいいようがありません。
そしてその6年後にこのアルバムです。
ヴァンの気迫せまるボーカルは変わっていません。
ロックで泣かせるヴォーカルはヴァン以外にいません。
66年頃Themとして「Gloria」がヒットしました。
ヴァン3
Themが大好きなゴールデンカップスの代表曲です。
また「One More Time」や「Stormy Monday」もカップスのお気に入りです。
Themを脱退してソロになって第一作が「Astral Weeks 」なのです。
G ♫ L ♫ 0 ♫ R ♫ I ♫ A ♩ て歌ってた2年後に「Astral Weeks 」です。
信じられません。
ヴァンの根底にあるのはアイルランドです。
ダブリンです。
アイルランドの音楽に駄作はありません。
アイルランドの映画に駄作はありません。
ヴァン・モリソンに栄光を
アイルランドに平和を

Ωベストアルバム 「Astral Weeks 」「Moondance」「Veedon Fleece」

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp

食べ物の話 その15(冷やし中華)

65ウトロ
私は冷やし中華が大好きです。
「冷し中華始めました」と言う貼り紙を見るとニヤリとしておもむろに「冷やしお願いします」と頼んでしまいます。
冷やし中華には2種類あり、一つは酢醤油、もう一つはゴマだれをベースにしたものです。
冷やし3
どちらも甲乙つけ難いのです。
具はハム、チャーシュー、蒸し鶏、カニ、クラゲ、錦糸卵、キュウリ、トマト、もやし、椎茸、カニかま、紅ショウガ等が入ります。
そこに練りからしを溶かして食べます。
時々鼻がツーンとします。
たまりませんね。
冷やし2
昔は町の中華料理店で店独自の冷やし中華が食べられたのですが、町の中華料理店がめっきり少なくなってきました。
増えたのはラーメン専門店と大手のチェーン店です。
私は子供のころから食べにいっていた神田神保町の中華料理店があります。
スズラン通りにある「揚子江菜館」です。
何と創業明治39年です。
かれこれ60年以上通っていますが、いまだに年に7、8回は食べにいきます。
ここは甘酢料理が絶品で、かに玉、肉団子、酢豚が最高です。
細長い建物で昔は奥に畳の帳場があり、巨大なレジスター(今もある)が置いてあり、おばあさんがそこに座って店内を鋭い目つきで監視していた記憶があります。
家族でよく行きました。
中学生位の時に初めて冷やし中華を食べました。
その美味しかったこと異次元の味でした。
冷やし1
後から知った事ですが冷やし中華は昭和8年に上海料理の涼拌麺とざるそばをヒントに作り、盛り付けは富士山をイメージしたそうで、「揚子江菜館」が日本発祥の店だそうです。
具が独得でチャーシュー、錦糸卵、キュウリ、タケノコ、椎茸、サヤエンドウ、エビ2匹、つくね2個、ウズラそして珍しい糸寒天が入ります。
タレは醤油ベースですが、少し甘めです。
もし嫌いな人がいるとするとタレの甘さかもしれません。
私はこのタレが大好きです。
普通はここに練り辛しですが、おすすめはラー油です。
それもたっぷりかけます。
汗が出るくらいかけます。
嬉しいことに冷やし中華は一年中あります。
私のおすすめは本屋巡りをして揚子江菜館で冷やし中華を食べ、喫茶店でコーヒーを飲みながら買った本を読むことです。
神保町は美味しいお店が沢山あります。
揚子江菜館のそばには行列のできる「キッチン南海」、前には餃子のスヰートポーヅ、東南アジア料理店も沢山あるし、なんと言っても日本一のカレー激戦区です。
これら沢山の誘惑を押しのけ揚子江菜館へ向かいます。
特に「キッチン南海」の揚げ物とカレーの匂いにめげそうになります。

8-2ウィジョヨクスモの花

ホームページ  www.ravana.jp

映画の話 その27(ハロルドとモード)

64セト
アメリカンニューシネマの作品の一つ「ハロルドとモード」です。
アメリカではカルト的人気を誇る作品といわれています。
監督のハル・アシュビーについてはデビュー作品の「真夜中の青春」の音楽を敬愛するアル・クーパーが担当したことぐらいしか知りませんでしたが,主演のバッド・コートについては「マッシュ」「いちご白書」,好きだった「バード・シット」など続けて観ています。
ハロルドとモード.2
オープニングは歴史のある大邸宅で部屋から部屋へ歩き回るハロルド(バッド・コート)の足下を撮り続けます。
そして台の上に乗り、台をけとばします。
前身が写ります。
首つり自殺です。
ここで観客は驚きます。
そこへ母親が入ってきて一瞥します。
何も無かったように友人に電話します。
観客はまた驚きます。
日常茶飯事のように夕食の時間を告げ、退室します。
ハロルドの趣味の模擬自殺です。
この他、部屋を血だらけにして自殺したり、焼身自殺したり色々楽しませてくれます。
母親はうんざりしています。
ハロルドのもう一つの趣味は他人の葬儀に出る事です。
ハロルドのマイカーは霊柩車です。
母親にプレゼントされたジャガーEタイプを霊柩車に改造してしまいます。
他人の葬儀に出席している時にモード(ルース・ゴードン)に出会います。
モードも他人の葬儀に出るのが趣味で年齢は79歳、ハロルドより60歳年上です。
モードはアウシュビッツ収容所の生き残りでとても活動的でハロルドとは正反対です。
ハロルドとモード
二人はお互いに惹かれあい、デートを重ねます。
この二人のデートシーンがとても美しく見所です。
モードはハロルドに人生の生き方を何気なく教えます。
ある日二人は結ばれます。
有頂天のハロルドがモード80歳の誕生祝いをおこないます。
ハロルドとモード.3
そこで意外な言葉がモードから発せられます。
なんと自殺をするために薬を飲んだというのです。
モードは80歳で死ぬ事を決めていました。
意識がなくなるモード。
病院へ搬送するが亡くなりました。
絶望のハロルドは霊柩車を運転し、絶壁から落ちます。
車は大破しますがハロルドは直前に脱出し、崖の上でモードにもらったバンジョーを弾いていました。
彼は生きてゆく事を決断しました。
この映画はハロルドとモードの青春映画です。
ルース・ゴードンの演技が光ります。

8-2ウィジョヨクスモの花

ホームページ www.ravana.jp

寺院の彫刻 その35(ラーマ8)

PANATA134.jpg
第5巻 スンダラ・カーンダ(美の巻)
ハヌマーンはマヘーンドラ山の頂上に登り、おもいっきりジャンプし、4日間飛び続けてランカー島についた。
2-IMG_0055.jpg
身体を小さくして城内にもぐりこんだハヌマーンはついにアショーカ樹の林の庭園でシーターを発見した。
3-IMG_0049.jpg
カンボジア アンコールにあるBAPUON寺院です。
シーターにラーマの指輪を見せるハヌマン。
5-bapuon5964.jpg
ジャワ島のLOROJONGGRANG寺院群のC.SIVA寺院のパネルです。
シーターの前に現れたハヌマン。
6-LOLO049.jpg
東北タイのクメール寺院KAMPHAENG YAIの楣です。
ラーマの指輪を見せるハヌマン。
7-YAI022.jpg
カンボジアのバッタンバンにあるEK PHNOM寺院の破風です。
シーターとハヌマンの顔が無くなっているのが残念です。
8-バッタンバン7232
南インドのVIJAYANAGARAのVITHALA寺院です。
シーターを訪れたラーヴァナ、ハヌマンはアショカ樹の中にいます。
9VITHALA TEMPLE_0362
東ジャワのC.PANATARANのパネルです。
シーターの隣にいるのはラーヴァナの弟ヴィビシャナの妻トリジャータです。
トリジャータだけがシーターの唯一の味方です。
11-PANATA219.jpg
驚くシーターにラーマの指輪を見せ、信用させると、ラーマの現状を報告し、必ず救い出すからと励まして、帰りがけの駄賃にひと暴れ始めた。
駆けつけた兵士達を大勢倒したところで、ラーヴァナの息子インドラジットに捕らえられた。

C.PANATARANのパネルです。
インドラジットがハヌマンに弓を射るところです。
12-PANATA130.jpg
ハヌマンは応戦しますが矢が足に刺さってしまいます。
13-PANATA131.jpg
ハヌマンは捕まりラーヴァナの前に引きずり出されるところです。
14-PANATA133.jpg
南インドのアイホーレにあるDURGA寺院のパネルです。
ラーヴァナの前に引きずり出されるハヌマン(だだのサル)。
15ドゥルガー寺院
そしてラーヴァナに対し「シーターを解放せよ」という要求を伝えた。
ラーヴァナは怒りハヌマーンを殺そうとするが弟のヴィビシャナに使者を殺しては行けないと諌められた。
代わりに尻尾に油のしみた布を巻き付けて火をつけた。
ところがハヌマーンがそのまま外へ飛び出して町中を駆け回ったため、都は大火事になってしまった。

C.PANATARANのパネル
尻尾に火がついたまま走り回るハヌマン。
15-PANATA146.jpg
VITHALA寺院のパネルです。
尻尾に火がついたハヌマンが走り回ります。
16-VITHALA TEMPLE_0363
ハヌマーンはシーターの所へ戻り、ラーマに見せるためにシーターの指輪を預かった。
南インドのVIJAYANAGARAのRAMACHANDRA寺院のパネルです。
上段シーターから指輪を預かるハヌマン。
18-AA1_0037.jpg
使命を果たしたハヌマーンはマヘンドラ山に飛び帰り、ラーマに報告するためにスグリーヴァのもとへ向かい、ラーマにシーターの指輪を見せ報告した。
C.PANATARANのパネルです。
海を飛び越えるハヌマン。
17-PANATA150.jpg
VITHALA寺院のパネルです。
ラーマにシーターの指輪を見せるハヌマン
19-AA1_0361.jpg
C.PANATARANのパネルです。
ラーマにシーターの指輪を見せるハヌマン
20-PANATA154.jpg

ホームページ  www.ravana.jp