音楽の話 その34(ANDWELLA)

ガンジーファ - 033
今回はAndwellaです。
ラジオ局に勤めている友人が持って来てくれたLPのなかにANDWELLA 「PEOPLE’S PEOPLE」はありました。
ピンクぽいセピアのジャケットです。
冬枯れた木立の中に4人が立っています。
見ただけでイギリスのバンドであることが解ります。
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メンバーを見るとDavid Lewis ( Vocals, Guitar, Piano, Organ)、Dave McDougall (Piano, Organ)、Dave Struthers ( Bass, Vocals)、Jack McCulloch (Drums)となっています。
大好きなピアノとオルガンが入っているのです。
期待に胸を膨らませA面に針を落とします。
「She Taught Me To Love」ベースとピアノの絡みが最高です。
そこにオルガンです。
ふるえが来ます。
David Lewisのボーカルととても黒っぽいコーラスがたまりません。
続く「Saint Bartholomew」もさらに泣かせます。
ザ・バンドを思わせますがイギリスです。
うしろのオルガンが最高です。マシュー・フィシャー顔負けです。
ギターが表に出ないのがとても良い。
「The World Of Angelique」は澄んだ音色のアコースティクギターとエコーの利いたDavid Lewisのボーカルが冬枯れた空気を伝えるとても美しい曲です。
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「Mississippi Water」はシングルカットされても良いタイトなロックナンバーです。
プロコルハルムの臭いがします。
最後の「I've Got My Own 」はトロンボーンが印象的な名曲です。
B面の一曲目はアップテンポな「Are You Ready」で始まります。
バンドを感じさせるナンバーでボーカルはもちろんリック・ダンコにお願いします。
「Four Days In September」はとても叙情的なピアノとボーカルで始まり、ドラムとベースが入ってくる所がとても良い。
「The World Of Angelique」と対比する「Lazy Days」、アルバムタイトルの「People's People」は黒っぽいコーラスとベースラインが印象的、「Behind The Painted Screen」はとても美しい曲でDavid Lewisが淡々と歌い上げます。最後の「All For You」はすべてを愛する人に捧げるこの唄があなたの唄ですと言う歌詞でエンディングにふさわしい曲です。
全曲David Lewisの曲です。
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David Lewisは北アイルランド出身でThe Method と言うバンドで1968年にロンドンに進出します。
そしてAndwella’s Dreamと言うバンド名でデビュー・アルバム「Love & Poetry」を発表します。
さらにAndwellaと短縮して「World’s End」をリリースし「PEOPLE’S PEOPLE」はセカンドアルバムです。
結局商業的には成功しなかったので「PEOPLE’S PEOPLE」後解散してしまいます。
アイルランド好きでプロコルハルム好きの私は毎日聞いていました。
エレキギターが表にです、センスの良い控えめなアコースティックギターが特徴です。
David Lewisの作る曲はどことなくアイルランドの香りがしますし、ザ・バンドとは違う枯れた感じがします。まるでアルバムジャケットの様な。

Ωベストアルバム 「PEOPLE’S PEOPLE」

8-2ウィジョヨクスモの花


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音楽の話 その33(ローラ・ニーロ)

ガンジーファ - 034
ローラ・ニーロはとても素敵なシンガーソングライターです。
しかし素晴らしい曲を作るためライターの面が強調され、シンガーとしての知名度はいまいちです。
ざっとブラッド・スウェット・アンド・ティアーズとピーター・ポール&マリーが「And When I Die」、フィフス・ディメンションが大好きな「Wedding Bell Blues」と「Stoned Soul Picnic」を、あのザ・ステイプル・シンガーズも「Stoned Soul Picnic」をカバーし、スリー・ドッグ・ナイトが「Eli's Comin'」、バーブラ・ストライサンドが「Stoney End」をカバーしています。
ローラニーロ3
それでは「イーライと13番目の懺悔」に針を落とします。
とても軽快な「Luckie」から始まります。
この曲でローラのシンガーの面とライターの面の素晴らしさがわかります。
巧みにテンポが変わる「Lu」、とてもポップな「Sweet Blindness」はフィフス・ディメンションもカバーしています。
印象的なフルートの入った「Poverty Train」、シンガーとしても素晴らしい「Lonely Women」、ローラのベストの「Eli's Comin'」でA面は終わります。
B面には「Stoned Soul Picnic」、フランクシナトラがカバーした不思議な曲「Emmie」、大作「December's Boudoir」等が入っています。バックミュージシャンもChuck Rainey、Zoot Sims、Joe Farrellなどジャズ系の名前が見られます。
ローラニーロ2
3枚目の「ニューヨーク・テンダベリー」はローラのニューヨークスケッチです。
バックもシンプルにしてニューヨークを歌い上げます。
ジャケットがすべてを表している孤高のアルバムです(少し神懸かりしているかも)。
ファーストアルバム「ファースト・ソングス」は10代のローラが聞けます。
ローラニーロ
A面に針を落とした瞬間、幸せになれるこんなアルバムはめったにありません。
音が全体的にとても優しいです。
このとき19歳ですよ。
「Wedding Bell Blues」から始まり美しい「Billy's Blues」、ブルージーな「Lazy Susan」、バーブラ・ストライサンドのカバー「Flim Flam Man」「Stoney End」、誰もカバーしない名曲「INever Meant to Hurt You」同じく「Hes a Runner」、そして「And When I die」です。
ローラニーロ4
ローラは49歳で亡くなりました。
早熟すぎたためでしょうか。
「ニューヨーク・テンダベリー」は22歳の時に作ったのですよ。

Ωベストアルバム 「ファースト・ソングス」

8-2ウィジョヨクスモの花


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音楽の話 その32(ニルソン)

ガンジーファ - 035
ニルソンを聞いたのは映画「真夜中のカーボーイ」を見てからだと思います。
フレッド・ニールの作った主題歌を歌っていたので興味を持ち「空中バレー」を買いました。
ニルソン
ニルソン得意のボードビル調の曲やボサノバ調の曲、子守唄調の曲等楽しめます。
やはり「うわさの男」は映像とシンクロしてしまいます。
その他「ワン」はやはり名曲です。
スリードッグナイトやアルクーパーがカバーするのも解ります。
アストラッド・ジルベルトのカバーの「柳の嘆き」もいい曲です。
次のアルバム「Harry (ハリー・ニルソンの肖像)」が私は一番好きです。
ニルソン2
A面に針を落とすと「小犬の歌」です。
こんなに可愛い曲がほかにあるでしょうか、2曲目の「忘れられた鉄道」はボードビル調の哀愁を帯びたナンバーで「子犬の歌」から上手くつながります。
さらに大好きな「窓をあけよう」です。
なんて美しい曲でしょう,ニルソンの声にぴったりです。
すかさずポールの「マザー・ネイチャーズ・サン」と続きます。
得意のオールドファッション風「フェアファックス・ラグ」が入り,都会の生活を歌った名曲「都会の生活」で終わります。
B面1曲目は都会の生活を歌った「モーニン・グローリー・ストーリー」です。
ニルソンは淡々と歌っていますがとても哀しさの漂う曲です。
いかにもニルソンらしい「メイビー」は素敵です。
マーチ風のたのしい「ブロードウェイの行進」、映画「真夜中のカウ・ボーイ」のために用意した「孤独のニューヨーク」はとても良い曲ですがフレッド・ニールの「うわさの男」をニルソンに歌わせたのは正解だと思います。
ドラムのビートの利いた「レインメーカー」もニルソン独得の優しさが漂うロックです。
ジェリー・ジェフ・ウォーカーの作った「ミスター・ボージャングル」はまるでニルソンのための曲です。
こういう哀愁を帯びた曲はニルソンの独壇場です。
最後の曲「サイモン・スミスと踊る熊」はランディ・ニューマンの曲で同じシンガーソングライターとして尊敬している様です。
すぐに「ニルソン/ランディ・ニューマンを歌う」を出します。
なんとランディ・ニューマンがピアノで参加しています。
ニルソンが歌うとランディの毒気が抜けてとても優しくなります。
ニルソン3
「Harry (ハリー・ニルソンの肖像)」は素晴らしいアルバムです。
ニルソンの曲はよくカバーされますが,ニルソンもまたカバーがとても上手です。
ハードロックやプログレの流行った60年末から70年においてニルソンの歌は貴重です。

Ωベストアルバム 「Harry (ハリー・ニルソンの肖像)」

8-2ウィジョヨクスモの花

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音楽の話 その31(キンクス)

ガンジーファ - 036
今回はキンクスです。殿様キングスではありません。 
1964年頃にヒットした「You Really Got Me」は有名でしたがブリティッシュ・インヴェイジョンのバンドの中ではさほど興味がありませんでした。
「Sunny Afternoon」、「Waterloo Sunset」は大好きな曲でしたが実際に購入したアルバムは71年の「Muswell Hillbillies」でした。
キンクス
ジャケットが大きなパブでくつろぐ人々とカウンターに立っているキンクスの面々でいかにもイギリス的です。
アコースティックギターで始まる都市化への恐怖を描いた「20th Century Man」、被害妄想から急性精神分裂統合失調症になった話「Acute Schizophrenia Paranoia Blues」、強烈なダイエット批判の「Skin and Bone」、数々のストレスからアルコール中毒になった男の話「Alcohol」、会社をクビになって毎日がホリディになった「Holiday」、生活を単純にするため何もしない男の話「Complicated Life」、紅茶三昧の歌「Have a Cuppa tea」、北ロンドンにある女性専用の大きな刑務所に入っている彼女の歌「Holloway Jail」、とても美しい哀愁を帯びた「Oklahoma U.S.A」、よく訳のわからない「Uncle Son」 、昔のローリングストーンズのようだと思ったらレイのカントリーだった「Muswell Hillbilly」などたのしさいっぱいです。
キンクス3
キンクスはレイとデイヴのデイヴス兄弟が中心のバンドですが、天才レイのワンマンバンドです。
レイのシニカルな視点で育ったロンドン北部のMuswell Hillを歌いあげます。
皮肉たっぷりの斜に構えた視点のレイ満載のアルバムです。
一見アメリカ音楽に対する畏敬の念を携えたアルバムに見えますが、どうしてこれもレイ流で俺は大英帝国の末裔だ、ロンドン子だ、これがイギリスの田園的ブルースだと主張しています。
他のアルバムでは「Everybody's In Show Biz」が好きです。
キンクス2
だって「Muswell Hillbillies」のライブが入っているのですから。
特にブラスが乗って最高です。
レイのMCも最高です。
「Banana Boat Song」と「Baby Face」を選曲するセンスはレイならではです。
スタジオ録音の方もすべて良い曲ばかりです。
キンクス4
中でも「Celluloid Heroes」は「Waterloo Sunset」と並んで名曲です。

Ωベストアルバム「Everybody's In Show Biz」ライブが楽しいから 

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音楽の話 その30(ヴァン・モリソン)

ガンジーファ - 039
私のベストのミュージシャン、ヴァン・モリソンの登場です。
これほどストイックなボーカリストは知りません。
ヴァンの作品に駄作はありません。
68年の「Astral Weeks 」を聞いて下さい。
ヴァン4
魂が揺さぶられるでしょう。
このアルバムのレコーディングはヴァンと全く面識のないジャズミュージシャンがヴァンの歌に合わせて即興で演奏したそうです。
オーヴァーダビングを省いて、ほとんど一発取りの様です。
信じられません。
まるで数十年も一緒にやっているみたいです。
「The Way Young Lovers Do」を聞いて下さい。
ヴァンもすごいがバックもすごい。
恐ろしい全8曲です。
70年の「Moondance」は一般の人達にも受け入れられたアルバムです。
ヴァン2
ヴァンの中ではポップな仕上がりです。
A面1曲目からニヤツイてしまいます。
「Moondance」のイントロ、なんてカッコいいの。
ベース、ピアノ、フルート最高です。
ピアノの間奏最高です。
とても美しく、黒い「Crazy Love」、ノリノリの「Caravan」、この曲を聴くたびにアレサ・フランクリンに歌い方が似ているように感じるのですが。
「Brand New Day」なんて素晴らしい曲なんでしょう。
バッキングボーカル最高。
クラビネットから始まる不思議な曲「Everyone」、「His Band and the Street Choir」「Tupelo Honey」「Saint Dominic's Preview」どれも佳作で外れがありません。
「Veedon Fleece」も大好きなアルバムです。
ヴァン1
どの曲も凛として透明感があり美しいアルバムです。
おそらくベルファストに帰って曲を書いたことが反映されているのかもしれません。
ブラスやコーラスが入っていないことも起因しているかもしれません。
68年に「Astral Weeks 」が出来たのは奇跡としかいいようがありません。
そしてその6年後にこのアルバムです。
ヴァンの気迫せまるボーカルは変わっていません。
ロックで泣かせるヴォーカルはヴァン以外にいません。
66年頃Themとして「Gloria」がヒットしました。
ヴァン3
Themが大好きなゴールデンカップスの代表曲です。
また「One More Time」や「Stormy Monday」もカップスのお気に入りです。
Themを脱退してソロになって第一作が「Astral Weeks 」なのです。
G ♫ L ♫ 0 ♫ R ♫ I ♫ A ♩ て歌ってた2年後に「Astral Weeks 」です。
信じられません。
ヴァンの根底にあるのはアイルランドです。
ダブリンです。
アイルランドの音楽に駄作はありません。
アイルランドの映画に駄作はありません。
ヴァン・モリソンに栄光を
アイルランドに平和を

Ωベストアルバム 「Astral Weeks 」「Moondance」「Veedon Fleece」

8-2ウィジョヨクスモの花


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