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音楽の話 その53(エミット・ローズ)

ガンジーファ - 082
エミット・ローズをご存知ですか? 
私は知っています。
ラジオ局に勤める友人にもらったアルバム「Emitt Rhodes」は強烈な印象を私に与えました。
エミット・ローズ
「え、なにこれ、ポール?」と耳を疑いました。
その年はポールのソロアルバム「McCartney」がリリースされた年です。
「McCartney」は大好きなアルバムですがビートルズとは違うポールのプライベートな感じのアルバムでした。
「Emitt Rhodes」はまさにビートルズのポールのアルバムの様です。
Emitt Rhodesは何者か調べました。
エミット・ローズ5
ハイスクール時代にバンドを始め、最初はドラマーでした。
幾つかのバンドを経てギタリストになりボーカルも担当します。
作詞作曲も始めバンド「Merry-Go-Round」を結成します。
A&Mレーベルと契約し、67年にデビュー。
2枚のシングルと1枚のアルバムを残します。
エミット・ローズ2
しかしバンドメンバーとのいざこざから解散、人間関係に疲れ果てたエミットはソロをめざします。
ベースやキーボードもマスターしマルチプレイヤーになります。
自宅のガレージを改良してレコーディングスタジオを作ります。
4トラックのレコーダーを購入していよいよ本格的なレコーディングです。
ドラム、ギター、ベース、キーボード、ボーカル、コーラスとすべての楽器を一人で多重録音し、さらにプロデュース、アレンジ、エンジニアなど全てを一人でこなしました。
そしてできたアルバムが「Emitt Rhodes」です。
それでは一曲目から聞いてみます。
とても軽快で楽しい「With My Face On The Floor」は一曲目にぴったりです。
これでこのアルバムを聴いた人はビートルズあるいはポールとの関連を考えます。
そして2曲目の「Somebody Made For Me」のベースラインでポールを確信します。
なんて楽しい曲でしょう。
3曲目「She's Such A Beauty」でダメ押しです。
4曲目「Long Time No See」はまさにジョージのギターです。
5曲目「Lullabye」もポールが作りそうな子守唄です。
なんと敬愛するウェス・アンダーソン監督の「ロイヤル・テネンバウム」に使われているのです。
6曲目「Fresh As A Daisy」は「恋はひな菊」としてシングルカットされた名曲です。
エミット・ローズ4
B面一曲目「Live Till You Die」は佳作です。
2曲目「Promises I've Made」はベースラインがカッコ良く大好きな曲です。
3曲目「You Take The Dark Out Of The Night 」は普通の曲、4曲目「You Should Be Ashamed」はとても美しく、ヒット性のある曲、5曲目「Ever Find Yourself Running」はどこかで聴いたことのあるような懐かしい曲、6曲目「You Must Have」もポールが作りそうな曲です。
全曲を通してEmitt Rhodesの卓越したメロディーメーカーとしての才能と演奏力の高さを感じます。
さらにエンジニアとしての素質も感じました。
そしてビートルズに対する愛情を感じました。
エミット・ローズ6
その後数枚のアルバムをリリースしますが鳴かず飛ばずで消えてしまいます。
そしてなんと43年ぶりに「Rainbow Ends」というニューアルバムをリリースしました。
感想は皆さんで。

8-2ウィジョヨクスモの花

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音楽の話 その52(渡辺貞夫)

ガンジーファ - 083
ナベサダの話をするときには、1966〜1967年にNET(テレビ朝日)で放送されていた「VAN MUSIC BREAK」は外せません。
この番組はVANジャケット提供で司会は前田武彦でした。
とてもお洒落な番組で音楽と洋服の着こなし方など若い人にはとても参考になりました。
石津健介がチェックの種類とか色の合わせ方など色々説明してくれます。
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コーディネイトに夢中だった私には大変勉強になりました。
この番組の音楽ディレクターはナベサダです。
バークレイ留学から戻ったナベサダは多くの国内外のミュージシャンと共演する一方でボサノバを日本に紹介します。
そのころNHKでアンディ・ウイリアムス・ショーが放送されます。
ゲストとしてよく出演していたのがアントニオ・カルロスジョピンです。
時にギターで、時にピアノでボサノバを聞かせてくれました。
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ジャズ喫茶ではスタン・ゲッツやジョアン・ジルベルトが流行っていましたのでボサノバが流行る要素は既にありました。「VAN MUSIC BREAK」のオープニングはナベサダの作ったテーマで始まります。
もちろん生演奏で当時のクインテットのメンバーは渡辺貞夫(as,fl),菊地雅章(p,rib),富樫雅彦(ds), 原田政長(b),中牟礼貞則(g)です。
なんと豪華なメンバーでしょうか、このメンバーで毎回色々な曲を演奏してくれるのです。
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このメンバーでボサノバですよ。
特に好きだったのは「オルフェのサンバ」です。
映画「黒いオルフェ」のエンディングで子供達が「オルフェのサンバ」を歌うシーンは涙ものです。
「フェリシダード」「メディテイション」「カーニバルの朝」「ソングオブザジェット」などが好きでした。
この番組からボサノバデュオの「ユキとヒデ」がナベサダの楽曲「白い波」でデビューします。
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セカンドシングル「スノードルフィンサンバ」も結構好きでした。
ヒデはヒデとロザンナの出門ヒデ、ユキはアン真理子です。
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毎日ボサノバばかり聴いていたのでだんだん飽きてきました。
ボサノバは軽くてBGMにはもってこいですが、ソウルがないので物足りなくなります。
そんなことは見越してナベサダはさっさとアフリカへ行ってしまいます。
ナベサダの素晴らしいところは何をやっても熱いソウルが根底にあります。
日本のチャーリーパーカーです(いやナベサダはナベサダ)。
そこが世界中のミュージシャンに尊敬されているところだと思います。
秋吉敏子もそこを見抜いていたのです。
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IVYルックを教えてくれたVAN、ボサノバの楽しさを教えてくれたナベサダ、高校時代の素晴らしい思い出です。
初めて買ったVANの製品はプルオーバーの赤いギンガムチェックのボタンダウンシャツでした(体に合うサイズが無いのでブカブカ)。

Ωベストアルバム「SADAO WATANABE:MUSIC BREAK」

8-2ウィジョヨクスモの花


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音楽の話(アレサ・フランクリンに捧ぐ)

ガンジーファ - 049
クイーン・オブ・ソウルーアレサ・フランクリンが8月16日膵臓ガンのため76歳で死去しました。
アレサを初めて聞いたのは67年ごろ、わたしがR&Bに夢中だった時です。
モータウンのシュープリームス、フォートップス、テンプテーションズ、そしてアトランティクのオーティス、サムアンドデイブなどを聞いている時、ジュークボックスから「リスペクト」が流れました。
その迫力に圧倒されたのを覚えています。
アレサ
バカラックの名曲、「小さな願い」はディオンヌが良いか、アレサが良いか喧々諤々したのを覚えています。
もちろんアレサで決まりです。
あのブレッドの「Make It With You 」をソウルフルなナンバーに変えてしまうアレサは凄いの一言です。
「 Chain Of Fools」「 People Get Ready」など好きな曲がたくさんありますが、特に「At Last」「Midnight Train To Georgia」は最高です。
「Let It Be」もとても好きでした。
アレサ2
ブルースブラザーズに出演したアレサも素敵でした。
マット“ギター”マーフィの妻でブルー・ルーマリーニと3人で「SOUL FOOD CAFÉ」を切り盛りしています。
そこへジェイクとエルウッドがバンドを復活させるために誘いに来るのです。
アレサは猛反対で「Think 」を歌います。
するとお客が踊り出し、ジェイクとエルウッド、ついにマットとブルーも踊りだす始末です。
この店の前で「BOOM BOOM」を歌っていたジョン・リー・フッカーもとても良い味を出していました。
またアレサの原点ゴスペルのアルバム「Amazing Grace」は必聴のアルバムです。
アレサ3
「Amazing Grace」「Wholy Holy」「Mary, Don't You Weep」など聞き応え十分です。
オバマ大統領の前でナチュラル・ウーマンを歌ったアレサも忘れられません。
キャロルキングを始め、そこにいた全員が大感動です。
オバマ大統領は泣いてしまいました。
アレサ4
アレサほどたくさんのミュージシャンに影響を与え、尊敬された人はいません。
アレサが亡くなった今、彼女の後を継ぐのは誰でしょうか。
Aretha Franklin様どうぞやすらかにおやすみください。
合掌

8-2ウィジョヨクスモの花

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音楽の話 その51(マーヴィン・ゲイ)

ガンジーファ - 084
今回はマーヴィン・ゲイです。
ワシントンD.C.に生まれたマーヴィンは地元の聖歌隊に入り、歌、ピアノ、ドラムなどを習得して音楽の基礎を作りました。
しかし厳格な父により精神的虐待を受け、これがトラウマになります。
空軍に入隊し除隊したあと、数々のコーラスグループへてモータウンレコードの社長であるベリー・ゴーディ・ジュニアにその才能を見出され、同レーベルでソロシンガーとしてのキャリアを踏み出すこととなります。
ドラマーでもあったマーヴィンはモータウンのバックミュージシャンと仲良くなり、曲作りや編曲に貢献してもらうことになります。
「悲しいうわさ」やタミー・テレルとのデュエット「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」などのヒットをとばしモータウンの中でも高い地位を占めるようになります。
しかしタミーの死で衝撃を受け一時音楽活動を停止してしまいます。
マーヴィン2
やがて弟フランキーがベトナム戦争から復員してきます。
その体験などを聞き新たな音楽を模索します。
そして1971年衝撃的な「What's Going On」をリリースします。
マーヴィン
この曲は公害、貧困、ベトナム戦争といった社会問題を取り上げ、それに対する苦悩を赤裸々に表現した歌詞と、とても優しくメロディアスな曲で話題になりました。
モータウンの社長ベリー・ゴーディは当初この曲を気に入らず、シングルとしてリリースすることに難色を示しましたが、ゲイはそれに対して、リリースしなければ残りの曲のレコーディングもしないと反論し、異例のセルフ・プロデュースでアルバムを発表しました。
すべて社会問題についての問題提議のコンセプトアルバムでタイトルソングが随所で挿入されています。
A面に針を落とすと、ざわめく会話の中からソプラノサックスが出てきて優しいマーヴィンの声で「What's Going On」が始まります。
マーヴィン3
ソフトな曲と裏腹に歌詞は「ねえ母さん、沢山の人達が涙を流しているよ、兄弟達が次々と死んで行くよ・・・・・」と、とてもきつい内容です。
そのまま2曲目の「What's Happening Brother 」につながります。
「Flyin' High」、ヴァースが素晴らしい「Save the Children」エンディングから「God is Love」の入り方が素晴らしい。
最後は名曲「Mercy Mercy Me」です。
サックスソロがいい感じです。
A面は流れるようなトータル感が素晴らしいです。
B面1曲目「Right on」はピアノとフルートでラスカルズやウィンウッドのような感じの曲で始まります。
2曲目「Wholy Holy」はストリングスをバックに素晴らしいマーヴィンの歌とクラリネットで聴かせます。
最後の「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)」では「What's Going On」のフレーズが出てきて終わります。
とどまることなく最後まで一気に聴ける素晴らしいアルバムです。
マーヴィン5
残念ながらマーヴィンは45歳の誕生日前日に父親との口論により父親の発砲で亡くなりました。
とても残念です。

Ωベストアルバム 「What's Going On」

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音楽の話 その50(フロック)

ガンジーファ - 003
フロックについて話したいと思います。
1969年頃CBSソニーからニューロック(良い言葉です)のレコードが沢山発売されました。
「フィルモアの奇跡」「スーパーセッション」「エレクトリック・フラッグ」「スライ&ファミリーストーン」「ブラッド、スウェット&ティアーズ」など有名無名のミュージシャンのレコードが沢山発売されました。
その中に混じって「The Flock」と言う無名のバンドがありました。
ジャケットも特徴がなくまず買わないアルバムです。
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そのアルバムが友人の家にあったのです。
とりあえずA面に針を落とします。「Introduction」 はギターとエレクトリックヴァイオリンでとても美しいメロディを奏でます。
ここで虜になってしまいます。
当時有名だったジャン=リュック・ポンティとは全然別物のヴァイオリンです。
クレジットを見るとFred Glickstein (Lead Vocals, Guitar)、Jerry Smith (Bass)、Ron Karpman (Drums)、Rick Canoff (Tenor Saxophone)、Tom Webb (Tenor Saxophone)、Frank Posa (Trumpet)、Jerry Goodman (Violin)です。
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Fred GlicksteinとJerry Goodman の抜群のコンビネーションです。
続くベースから入る「Clown」はブラスロック全開です。
シカゴを感じさせる部分もありますがやはりなんと言ってもJerry Goodman のヴァイオリンです。
中間部のサックスが交差するインプロビゼーションもなかなかです。
ベースから主題にもどり終わります。
そして名曲「I Am the Tall Tree 」です。
ギターからボーカルが入り、ヴァイオリンです。
「Introduction」「Clown」「I Am the Tall Tree 」の流れは最高です。
レオン・ラッセルの「カーニー」、ビートルズの「サージャント」と共にLPレコードにおける最高の流れです。
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フロックはこれだけで十分です。
一時期毎日のように聞いていました。
セカンドアルバム「Dinosaur Swamps」 はジャケットが最高です。
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恐竜好きにはたまりません。
ジャケ買いするでしょう。
一曲目の「Green Slice」から何か出てきそうな雰囲気のサックス、続く「Big Bird」はオドロオドロした曲かと思ったら陽気なブラスカントリーでした。
「Hornschmeyer's Island 」や「Mermaid 」など不思議な曲が入っていますが、あまりジャケットと関係ない様です。
かなり実力のあるバンドですが、ヒットには恵まれず、ヴァイオリンのジェリー・グッドマンがジョン・マクラフリン、リック・レアード、ビリー・コブハム、ヤン・ハマーらとマハヴィシュヌ・オーケストラを結成して有名になったぐらいです。
ANDWELLAと共にフロックは私の秘密のアルバムです。

Ωベストアルバム 「The Flock」

8-2ウィジョヨクスモの花

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