音楽の話 その30(ヴァン・モリソン)

ガンジーファ - 039
私のベストのミュージシャン、ヴァン・モリソンの登場です。
これほどストイックなボーカリストは知りません。
ヴァンの作品に駄作はありません。
68年の「Astral Weeks 」を聞いて下さい。
ヴァン4
魂が揺さぶられるでしょう。
このアルバムのレコーディングはヴァンと全く面識のないジャズミュージシャンがヴァンの歌に合わせて即興で演奏したそうです。
オーヴァーダビングを省いて、ほとんど一発取りの様です。
信じられません。
まるで数十年も一緒にやっているみたいです。
「The Way Young Lovers Do」を聞いて下さい。
ヴァンもすごいがバックもすごい。
恐ろしい全8曲です。
70年の「Moondance」は一般の人達にも受け入れられたアルバムです。
ヴァン2
ヴァンの中ではポップな仕上がりです。
A面1曲目からニヤツイてしまいます。
「Moondance」のイントロ、なんてカッコいいの。
ベース、ピアノ、フルート最高です。
ピアノの間奏最高です。
とても美しく、黒い「Crazy Love」、ノリノリの「Caravan」、この曲を聴くたびにアレサ・フランクリンに歌い方が似ているように感じるのですが。
「Brand New Day」なんて素晴らしい曲なんでしょう。
バッキングボーカル最高。
クラビネットから始まる不思議な曲「Everyone」、「His Band and the Street Choir」「Tupelo Honey」「Saint Dominic's Preview」どれも佳作で外れがありません。
「Veedon Fleece」も大好きなアルバムです。
ヴァン1
どの曲も凛として透明感があり美しいアルバムです。
おそらくベルファストに帰って曲を書いたことが反映されているのかもしれません。
ブラスやコーラスが入っていないことも起因しているかもしれません。
68年に「Astral Weeks 」が出来たのは奇跡としかいいようがありません。
そしてその6年後にこのアルバムです。
ヴァンの気迫せまるボーカルは変わっていません。
ロックで泣かせるヴォーカルはヴァン以外にいません。
66年頃Themとして「Gloria」がヒットしました。
ヴァン3
Themが大好きなゴールデンカップスの代表曲です。
また「One More Time」や「Stormy Monday」もカップスのお気に入りです。
Themを脱退してソロになって第一作が「Astral Weeks 」なのです。
G ♫ L ♫ 0 ♫ R ♫ I ♫ A ♩ て歌ってた2年後に「Astral Weeks 」です。
信じられません。
ヴァンの根底にあるのはアイルランドです。
ダブリンです。
アイルランドの音楽に駄作はありません。
アイルランドの映画に駄作はありません。
ヴァン・モリソンに栄光を
アイルランドに平和を

Ωベストアルバム 「Astral Weeks 」「Moondance」「Veedon Fleece」

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp

音楽の話 その29(ティム・ハーディン)

ガンジーファ - 040
ティム・ハーディンは私の大好きなシンガーソングライターです。
もっと評価されて良いと思うミュージシャンの1人です。
1941年にオレゴン州で生まれ兵役後ニューヨークへ出てきます。
当時のニューヨークはフォークブームでライブをおこなうカフェが沢山ありました。
そこではディランやトム・パクストン、ジョーン・バエズなどが歌っていました。
tim4.jpg
ティムはフレッド・ニールと共に認められアルバムを出します。
二人は当時からエレクトリック・ギターを使用していました。
ティムのソングラーターとしての才能はファーストアルバム「Tim Hardin1」ですでに全開です。
tim.jpg
ティムの曲は本人の唄よりかバーされた曲の方が有名になります。
たしかに「Reason To Believe」や「If I Were A Carpenter」は多くの有名ミュージシャンによってカバーされました。
ティムはジャズ系ミュージシャンをバックに使います。
マイク・マイニエリ、ゲイリー・バートン、ジョー・ザビヌル、ラルフ・マクドナルドなどの名前が見えます。
超一流のミュージシャン達です。
しかし決してジャズにはなりません。
あくまでティム・ハーディンの音楽です。
tim2.jpg
私生活は悲惨で麻薬中毒になり、家庭は崩壊します。環境を変えイギリスに移り住みますが帰国後、自殺の様な薬物中毒による心臓マヒで39歳で亡くなります。
もともと60年代のニューヨークから出て来ていますが、アウトサイダーだったようで、フォークとして語られますが決してフォークでもカントリーでもなく、むしろブルースの要素が強い、ティム独特の哀愁をおびたメロディラインが特徴の楽曲です。
私が大好きな曲を私が大好きなミュージシャンがカバーしています。
tim3.jpg
「It'll Never Happen Again」はElvis Costelloが「Misty Roses」はColin Blunstoneが「Hang on to a Dream」はNiceがカバーしています。
もう涙ものです。
Colin Blunstoneは元The Zombiesのリードボーカルで最高のシンガーです。
NiceはE.L.P.のKeith Emersonが結成したバンドです。
やはり一流のミュージシャンが注目していたのです。
しかしそれだけではないのです。
今度は逆にティムが私の大好きなBadfingerの「Midnight Caller」をカバーしているのです。
ランディ・ニューマンの「I'll Be Home」はわかりますがなんでBadfingerなのか、なんで「Midnight Caller」なのか不思議です。
この曲を選んだティムを尊敬します。
40歳目前に亡くなりましたがティムの曲は不滅です。
いつもどこかでティムの曲が流れています。

Ωベストアルバム 「Tim Hardin1」

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp


音楽の話 その28(スリードッグナイト)

ガンジーファ - 041
スリードッグナイトはボーカルとバックに分かれています。
Danny Hutton、Chuck Negron、Cory Wellsという3人のボーカルを擁し各々がリードボーカル兼コーラスです。
そしてオリジナル曲ではなく、各々が歌いたい曲を持ち寄り、持ってきた人がリードボーカルでアレンジャー、プロデューサーになります。
無名だったミュージシャンの曲をボーカルの3人がそれぞれ掘り出し、その後有名になったミュージシャンは沢山います。
Harry Nilsson、Randy Newman、Laura Nyro、Paul Williams、Elton johnなど沢山のアーティストを知りました。
私が良く聞いたのは「IT AIN'T EASY」と「融合ーSUITABLE FOR FRAMING」です。
スリードッグナイト
「WOMAN」から始まり「グッド・タイム・リヴィング」まで駄作はありません。
このアルバムはスローな曲が良いです。
「カウボーイ」「Out In The Country」とくに「Your song」が好きです。
バックのテクニックとアレンジは最高です。
「融合」もおすすめです。
スリードッグナイト2
アレンジが良い「FEELIN' ALRIGHT」から始まりElton johnの「LADY SAMANTHA」、ヘアーから「EASY TO BE HARD」圧巻はLaura Nyroの「ELI'S COMING」です。
この曲とRandy Newmanの「Mama told me not to come」がこのグループのベストだと思います。
一人一人のソロもいいのですが,魅力は三人の掛け合いやコーラスです。 
そして圧倒的なバンドの演奏力です。鬼に金棒ですね。
スリードッグナイト4
特にCory Wellsのソウルが好きでした。
「Try a Little Tenderness」が良かったです。
この時代ビートルズから始まって自分で曲を書いて演奏して歌うのが当たり前になりつつあったとき,人の曲でこれだけヒットしたバンドも珍しいと思います。
歌や演奏は上手くて当たり前ですが,良い曲を見つけてきた彼らのセンスに脱帽です。
名前の由来は「アボリジニが寒さの厳しい夜に3匹の犬と寝る」という風習にちなんでいます。
リスナーを三人のボーカルが優しく包んでくれるでしょう。

Ωベストアルバム 「IT AIN'T EASY」

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp

音楽の話 その27(クラシックス4)

ガンジーファ - 042

1970年代の始め、よく聴いていたグループにDennis Yost&Classics IVがあります。
ある嵐の日、私は友人のペントハウスの様な2階の部屋でレコードを聴いていました。
その中に「ストーミー」というシングル盤があり、その日の雰囲気にぴったりだと思いかけてみました。
クラシックス4
ブルージーで大好きなメロディラインです。
サックスの間奏もぴったりでした。
その部屋から庭が見えます。
庭は適度に荒れていてオブジェの肖像が朽ち果てていました。
雑草の中に月見草が沢山生えていて、強風に耐えています。
大きな鈴懸の木があり、ざわついています。
とても感傷的な気分になり、窓を開け「ストーミー」を聞きながら明るくなるまで庭を眺めていました。
「ストーミー」は私に強烈な印象を与えました。
すぐにレコード店へ行きLP「ソングブック」を買いました。
クラシックス42
美しいメロディーの曲ばかりです。
メンバーはデニス・ヨースト(vo)、ジェイムス・コッブ(g)、ウォルター・イートン(g)、ジョー・ウィルソン(k)、キム・ヴェルブル(ds)とプロデューサーのバディ・ビューイーです。
そしてこの美しいメロディラインを作るのがジェイムス・コッブとバディ・ビューイーです。
クラシックス44
この二人はバンド解散後アトランタ・リズム・セクションを結成するのです。
印象的なサックスはマイク・シャープです。
デニス・ヨーストは日本の演歌歌手みたいな人で、声も良いし歌もうまいのでホワイトカラーお気に入りです。
そもそもClassics IVはインストゥルメンタル・グループでしたがデニス・ヨーストがボーカルになってスプーキーがヒットしました。
彼らはロックというよりポップな曲を得意としていました。
カバーが恋はフェニックスやイパネマの娘などです。
少しずつジェイムス・コッブとバディ・ビューイーの曲が出来てきます。
彼らは音楽を熟知していて素晴らしいメロディラインを作り、心憎い演出をします。
「ソングブック」に駄作はありません。

Ωベストアルバム 「ソングブック」

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp



音楽の話 その26(ムーディ ブルース)

ガンジーファ - 043
当時ロックは色々なジャンルの音楽と接触を試みていました。
ムーディブルースはR&Bを演奏していましたがクラシックとの融合を試み、このアルバム「DAYS OF FUTUR PASSED」が誕生しました。
朝から晩までの一日の時間の流れを題材にしたトータルアルバムです。
ムーディブルース
A面に針を落とすとロンドン・フェスティバル・オーケストラによるオヴァーチェアー「The Day Begins」です。この時点でサテンの夜のメロディーの美しさを再認識します。
ここでナレーションが入ります。
これがイギリス的でまた良いのです。
曲を引き締めます。
つづいて「Dawn」に入ると周囲が次第に白々明けてきます。
ドラムが入りジャスティン・ヘイワードのボーカルで「Dawn Is A Feeling」がはじまります。
よいですね。
「The Morning」明るくなりました。
朝です。
「Another Morning」は明るく楽しい曲です。
ムーディブルーズ4
「Lunch break」で演奏する「Peak Hour」はテンポが変わったり元気一杯の曲です。
続いて「The Afternoon」は前奏のオーケストラ抜きでいきなり始まります。
メロトロンが美しい名曲です。
「Evening」も前奏無しで始まります。
そして「The night」で「Nights In Wight Satinーサテンの夜」です。
ムーディブルース5
すごく渋いブルースナンバーですがクラシカルで複雑な展開になっていきます。
間奏部分のフルートとベースラインが印象的です。
ジャスティン・ヘイワードの作曲能力は大変なものです。
ロックとクラシックを融合させるとどうなるか、という回答を見事に出しました。
おそらく今制作してもこのような形になると思います。
ロンドン・フェスティバル・オーケストラも本気で演奏している様です。
一枚のアルバムとして素晴らしい曲と演奏が詰まった傑作です。

Ωベストアルバム  「DAYS OF FUTUR PASSED」

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp