映画の話 その46(ブルースブラザーズ)

72プラゴト
ジョン・ランディス監督の「ブルース・ブラザース」です。
すべての音楽ファンにとってマストの映画です。
R&Bファンには一生の宝物です。
ブルースブラザーズ2
あらすじは『ジョリエット・ジェイク(ジョン・ベルーシ)は強盗を働き、3年の刑期を終えてシカゴ郊外の刑務所(ジョリエット刑務所)を出所する。
弟のエルウッド(ダン・エイクロイド)が彼を迎えに来ていた。
兄弟はかつて育ててくれたカトリック系の孤児院に出所の挨拶に行くが、そこで孤児院が5000ドルの固定資産税を払えないため立ち退きの瀬戸際にあることを知る。
孤児院の危機を救うため援助を申し出る二人だが、犯罪で得た汚れた金は要らないと逆に院長に追い払われてしまう。
そこで孤児院で世話を焼いてくれたカーティスに相談するとジェームス牧師の移動礼拝に行けと言う。
二人は教会で説話を聞いている最中に「バンドを作れ」と神の啓示を受ける。
こうして昔のバンド仲間を探し出しあの手この手でバンドに引き入れ、音楽で金を稼いで孤児院を救う「聖なる任務」に立ち上がる。
行く手にはイリノイやシカゴの警官、州兵、マッチョなカントリー・ミュージック・バンド、ネオナチ極右団体、そしてジェイクの命を付けねらう謎の女が待ち受ける。
あらゆる伝手を使い、満席となった会場で“凱旋コンサート”を催し、舞台裏でレコード会社の契約を受けた二人はレコーディング費用として現金$10000を手付金で受け取る。
孤児院存続に充分な資金を得た二人はブルース・モービルに乗って追手を振り切りシカゴ市本庁舎に到着、クック郡を担当する窓口で期限前に納税を済ませるも、州警察や軍隊の総動員によって身柄を拘束され刑務所に収監される』というものです。
ブルースブラザーズ4
ブレードランナーを思わせる空撮から始まり、刑務所です。
ジェイクの出所ですがまだ顔を正面から映しません。
指に彫ったジェイクのタトゥのアップです。
やっと手続きを終えて門で待っているのは弟のエルウッドです。
エルウッドも顔を映さず、指に彫ったエルウッドのタトゥのアップです。
二人とも黒のスーツに黒のネクタイ、サングラスです。
二人は抱擁します。ここで顔がアップになり「SHE CAUGHT THE KATY」です。
上手い!と思わずうなってしまいます。
二人は中古のパトカー(ブルース・モービル)に乗って孤児院へ向かいます。
車の中ではサム&デイブです。
孤児院で働くカーティスこと伝説のキャブ・キャロウエイは、後のステージで素晴らしい「MINNIE THE MOOCHER」をきかせてくれます。
ジェームス牧師のシーンはもう最高で二人が啓示を受け踊りだすシーンでは身体が動きだしてしまいます。
初めはわからなかったのですが聖歌隊にチャカ・カーンがいたのです。
バンドメンバーを捜しに行くシーンも素晴らしいのですが特にギターのマット“ギター”マーフィを勧誘に行くシーンは最高です。
かみさんのアレサ・フランクリンの「THINK」にあわせてお店のお客全員が踊りだし、誘いにきたジェイクとエルウッドも踊りだし、怒られているマット・マーフィまで身体が動いてしまいます。
そしてレイの楽器店です。
ブルースブラザーズ5
レイの歌「SHAKE A TAILFEATHER」に合わせてバンドメンバーはもちろん、店の前の通行人全員で、ツイスト、モンキー、チキン、スイム、ジャーク、マッシュポテトなどのダンスを踊ります。
この映画のハイライトです。
バンドメンバーが揃い、レイの楽器店で楽器が揃い、いよいよステージです。
田舎のカウボーイの集まるバーで初演です。
金網越しのステージでジェイクのカウントで「GIMME SOME LOVIN' 」です。
鳥肌モノです。
カントリーしか聞かない客には大ブーイングです。
カントリーを知らないバンドはとっさにテレビ映画の主題曲♪ローレン♪ローレンの「THEME FROM RAWHIDE」です。そして「Stand By Your Man」で大成功です。
ブルースブラザーズ3
バンドはパレスホテルのボールルームで一夜限りのコンサートにこぎつけます。
しかし時間になっても二人は現れません。
そこで時間稼ぎでカーティスが「「MINNIE THE MOOCHER」を歌い会場を沸かせます。
ギリギリ到着した二人は「CAN'T TURN YOU LOOSE」で迎えられ、最初の曲「EVERYBODY NEEDS SOMEBODY」を歌います。
会場は大興奮状態です。
ブルースブラザーズ
続く「SWEET HOME CHICAGO 」の途中で二人は納税するために抜け出します。
警察との大迫力のカーチェイスがあります。
音楽映画のカーチェイスとは思えない素晴らしいカメラワークです。
何台のパトカーをクラッシュさせたのでしょうか。
無事納税を済ませるのですがこの税務署員がスピルバーグ監督のカメオ出演なのです。
エンディングは逮捕されたバンドが刑務所内で「JAILHOUSE ROCK」を演奏します。
乗ってきた囚人が踊りだすのですが、一番先に踊るのがイーグルスのジョー・ウォルシュです。
最後は囚人全員が踊りだします。
何回見ても楽しい映画です。
監督のジョン・ランディスを始め、出演者はもとよりこの映画に携わった人達のブルースやR&Bに対する愛情を感じます。ジョン・ベルーシの死は早すぎました。

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp

映画の話 その45(地獄の黙示録)

70エロワティ
コッポラ監督の大作「地獄の黙示録」です。
「ディア・ハンター」より先に作られましたが撮影が延びて公開は後です。
ベトナム戦争が泥沼の中にはまり込んだ時代です。
「ディア・ハンター」の衝撃が治まらないままテアトル東京へ行きました。
黙示録1
「ディア・ハンター」同様大変疲れた映画でした。
ベトナム戦争後期、陸軍空挺士官のウィラード大尉(マーティン・シーン)はサイゴンのホテルに滞在中、軍上層部に呼び出され、元グリーンベレー隊長のカーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺指令を受ける。
カーツ大佐は米軍の意向を無視して山岳民族の部隊とともに国境を越え、カンボジアに侵攻し、王国を築いているらしい。
任務の出発点、ナン川には海軍の硝戒艇と若い4人の乗員が待っていた。
ウィラードは海軍の河川哨戒艇に乗り込み、乗組員に目的地を知らせぬまま大河を遡行する。
その中で一行は戦争の狂気を目の当たりにする。
黙示録6
ワーグナーの「ワルキューレの騎行」を流しながらの爆撃、サーフィンをするためにベトコンの前哨基地を襲撃する司令官(ロバート・デュヴァル)。
ジャングルに突如として出現したプレイメイトのステージ。
指揮官抜きで戦い続ける最前線の兵士。
プランテーションを経営するフランス人入植者達。
そして目的地に近づくにつれ、騒がしさは薄れ、静けさと静けさゆえの狂気がウィラードたちを包み込み始める。
原住民からの攻撃は、もはや現実の出来事とも思えない。
黙示録5
しかし現実に乗組員は死傷し、ウィラードは何とか王国にたどり着く。
出迎えたのは、狂った白人カメラマン。
彼の案内で、ウィラードは王国に入り、カーツ大佐と邂逅する。
黙示録4
カーツは自分がどんな地獄を見てきたかを語り“地獄を知らぬ者に私を裁く権利はない”と言う。
そしてウィラードに帰国したら息子へ真実を伝えて欲しいと依頼する。
さらに訓練された兵士は手を下すときに躊躇をしてはいけないと暗にウィラードを誘導する。
黙示録2
ウィラードはカーツが裏切り者の脱走兵ではなく誇り高い軍人としての死を望んでいることを悟り、カーツ殺害を実行する。
カーツは抵抗しようとはしなかった。
ウィラードはカーツの手記を持ち、ランスとともに川を下る。
黙示録3
軍から何度も無線の呼び出しがあるが、ウィラードは無線を切ってしまう。
今回、新たに見たのはコッポラ自身が49分のフッテージを追加した特別完全版です。
プランテーションを経営するフランス人入植者達のエピソードは必要だったのかわかりません。
オープニングはヤシのジャングルとヘリコプターで「ジ・エンド」のイントロが流れてきます。
ジム・モリソンのボーカルと同時にナパーム弾がジャングルを焼尽します。
マーティン・シーンの顔のアップと天井の扇風機。
扇風機の羽根とヘリコプターの羽がシンクロして始まります。
沢山のヘリが朝日の中を飛んでいきます。
前半の主役は間違いなくヘリコプターで脇役はロバート・デュヴァルです。
ヘリからのナパーム弾の投下はまるで仕掛け花火を見ている様です。
中盤の主役は乗組員のクリーン(ローレンス・フィシュバーン)です。
後半の主役はもちろんウィラードとカーツです。
脇役はデニス・ホッパーとカーツが居住するクメール寺院です。
この映画の主役であるウィラードもカーツも生死ぎりぎりの戦場でしか生きていけないPTSD(戦争後遺症)でお互いに似た者どうしであることを直感します。
「ディア・ハンター」でも主役の二人はPTSDです。
この2つの映画に共通するのは戦闘シーンがあまりないことです。
それにもかかわらず戦争の恐怖を描ききっていることです。
コッポラもチミノも完全主義者です。完全主義者バンザイ!

8-2ウィジョヨクスモの花

ホームページ  www.ravana.jp

映画の話 その44(ディア・ハンター)

68バスデウォ
マイケル・チミノ監督のディア・ハンターです。
あまり知識がなくベトナム戦争映画のひとつと思って軽い気持ちで見ましたがとても重い3時間でした。
ディアハンター
ペンシルベニア州ピッツバーグの鉄工所で働くマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーブン(ジョン・サヴェージ)、スタン(ジョン・カザール)、アクセル(チャック・アスペグレン)、ジョン(ジョージ・ズンザ)は休日になれば鹿狩りに行く仲の良いグループである。
そんな彼らにもベトナム戦争の影が迫っていた。
徴兵されてベトナムに向かうマイケル、ニック、スティーブンの壮行会が、スティーブンとアンジェラ(ルターニャ・アルダ)の結婚式も兼ねて行われた。ディアハンター2
彼女は別の男との子供を妊娠していたが、スティーブンはそれを承知の上で式に臨んだ。
式も終わりに近づく頃、ニックは突然リンダ(メリル・ストリープ)に結婚の申込みをする。
彼女は喜んでそれを受け入れた。
一夜明けて彼らは揃って鹿狩りに出かけ、マイケルは見事な鹿を仕留めた。
ディア・ハンター7
彼らはヴェトナムの前線に贈られ、捕虜となってしまう。
閉じ込められた小屋の中ではロシアンルーレットが行われていた。
北ベトナムの兵士たちは捕虜に一発の弾の込められたリボルバーを渡し、それを自らのこめかみに向け引き金を引かせて、それを楽しんでいた。
銃弾が放たれる音を聞いたスティーブンは発狂寸前となった。
だが冷静なマイケルはサディスティックな北ベトナムの兵士の心理を逆に利用して脱出することを考えた。
そこで彼は半狂乱を演じながら兵士たちに弾倉に込める弾を3発に増やすことを提案した。
ディアハンター5
このことは兵士たちにとって自分達を瞬時に殺傷する機会を相手に与えてしまうことを意味したが、愚かにも彼らはそれに気が付かず、複数の弾の込められた銃をマイケルに渡してしまった。
果たして目論見は成功し、隙をついたマイケルは次々に北ベトナム兵士たちを射殺しスティーブンとニックを連れて脱出に成功した。
ディアハンター4
丸太にしがみついて濁流を下るところを自軍のヘリコプターに見つけられたが、マイケルとスティーブンは力尽き川へと落ちてしまい、ニックだけがヘリコプターで救出される。
スティーブンは脚を骨折したが2人は無事救出される。
ニックはサイゴンの町に繰り出し、そこでロシアンルーレットの賭けに興じる集団を目にする。
観衆の中にはマイケルもいたが、ニックは彼に気づいていない。
怪しげな男からプレーヤーになれば金を稼げるという誘いを受け、すぐに断ったニックだったが、実際に引き金が引かれるのを目にした彼は急に使われていた銃を奪い自らのこめかみに当てると、躊躇なくその引き金を引いた。
弾は出ない。
場が騒然となる中、呼び止めようとするマイケルの声も届かず、彼は誘いかけた男と夜の闇へ消えていった。
2年後、マイケルは帰還。
故郷の仲間たちはマイケルを温かく迎えたが、彼はどこかよそよそしく、ベトナムへ発つ前とは雰囲気が変わっていた。
スタン達と久々の鹿狩りにでかけるマイケルだが、鹿を仕留めることはできなかった。
そのころスティーブンは両脚を失い陸軍病院で治療の日々を送っていた。
スティーブンを訪ね、サイゴンから彼宛に謎の送金があることを聞いたマイケルは、ニックの生存を確信し陥落寸前のサイゴンへ飛んだ。
賭博小屋でプレイヤーとなりロシアンルーレットに没頭するニックを発見し連れ帰ろうとするが、ニックにはマイケルの記憶がない。
ニックの記憶を呼び戻すために、マイケルは自分の命を懸けニックと対峙する。
ディア・ハンター8
マイケルはニックへの思いを語り家へ帰るよう説得しながら引き金を引くが発砲しない。
マイケルがかつての鹿狩りの思い出を語ると嬉しそうに微笑むニック。
鹿狩りの記憶が甦ってきた刹那、銃弾がニックのこめかみを打ち抜いた。
倒れるニックを抱きかかえ泣くマイケル。
ニックの遺体はマイケルによって故郷に帰され、かつてスティーブンの結婚式が行われた町の教会で葬式が行われた。
ディアハンター3
こんなに精神的にきつい映画はありませんでした。
そして素晴らしい映画に巡り会ったことに感謝しました。
オープニングから流れるスタンリー・マイヤーズのメインテーマ「カヴァティーナ」です。
なんて美しいメロディでしょうか、ジョン・ウィリアムスのギターが素晴らしい。
前半で主人公達の性格を描写し、戦場での体験、除隊後の心の変化を自然に描いています。
鹿狩りから帰ってきて、バーに集まったみんなの表情が素晴らしい。
帰還したが家には戻れず、モーテルに泊まるマイケルがとても良いです。
マイケルがニックの遺体を持って帰り、葬式のあとみんなでバーに集まり朝食の用意をし、ゴッドブレスアメリカを歌い、ニックに献杯をした所で終わります。
とても良いエンディングです。
そして「カヴァティーナ」が流れクレジットです。
完璧主義者マイケルチミノ監督はすごい。

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ  www.ravana.jp

映画の話 その43(エクソシスト)

67クンティボジョ
こんな怖い映画はありませんでした。
大オカルトブームの始まりです。
テレビのコマーシャルで十分怖く、映画館に行くのがためらわれましたが、興味が先に立ち出かけました。
Bt8MtrC6X5WghTcE7T93dmVpMXr7IYWmuD8rSLdC.jpeg
イラク北部で古代遺跡を発掘調査していたランカスター・メリン神父(マックス・フォン・シドー)は、悪霊パズズの像を発見する。
彼は「この邪悪な宿敵と再び対峙する日が近い」と予感する。
c0d704d1-abba-49fa-a397-ee3f09c47da4-1.jpg
一方ワシントン近郊のジョージタウンでは、撮影のために家を借りた女優のクリス・マクニール(エレン・バースティン)は娘のリーガン(リンダ・ブレア)と共に滞在していた。
クリスはやがて一人娘であるリーガンの異変に気付く。
その声は邪悪な響きを帯びて形相も怪異なものに豹変したうえ、荒々しい言動は日を追って激しくなり、ついには医者からも見放される。
57973c07.jpg
その矢先、友人の映画監督のバーク・デニングズが殺害される事件が発生する。
死体が発見されたのはクリス宅の近くの階段であった。
キンダーマン警部補(リー・J・コッブ)が捜査に乗り出す。
そして、悪魔はリーガンに十字架で自慰行為をさせ、バークの声を使ってクリスを嘲笑する。
ekusoshisto.jpg
おなじジョージタウンに住むデミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー)は時々、ニューヨークに住む母親を見舞いに訪ねている。
母親はギリシャからの移民で、ラジオでギリシャの音楽を聴いている。
娘が悪霊に取り憑かれたと知ったクリスは、カラス神父に悪魔払いを依頼する。
悪魔憑きに否定的なカラスは調査を進めていくうちに、リーガン自身からの助けを求めるメッセージを発見する。
カラスは悪魔払いの儀式を決意し、大司教に許可を求める。
主任には、悪魔払いの経験があるメリンが選ばれた。
2823_002.jpg
メリンとカラスの両神父は、少女リーガンから悪霊を追い払う儀式を行うが、その途中にメリンは持病の心臓病が悪化し絶命。
カラス神父は格闘の末、悪霊をわが身に乗り移らせると窓から身を投げ、全身を打って絶命する。
二人の神父の命掛けの戦いに少女リーガンが救われ、悪魔は破れ去った。
ウイリアム・フリードキン監督も素晴らしいが、原作脚本のウィリアム・ピーター・ブラッティがとても良いです。
メリン神父はベルイマン監督の第七の封印で死神を演じた名優マックス・フォン・シドーです。
イラクで発見されたバズズ像はこれから恐ろしいことが起こると暗示します。
この段階でもうドキドキです。
そしてリーガンの変貌です。
exo.jpg
この特殊メークを行なったのがディック・スミスです。
彼の元で学んだのがギレルモ・デル・トロ監督です。
ギレルモ・デル・トロ監督の出発点はエクソシストです。
怖くない訳がありません。
リーガンの首が回るのですよ。
ブリッジしながら階段を降りて行くのですよ。
蛇のように舌がペロペロするのですよ。
音楽担当のジャック・ニッチェはマイク・オールドフィールドのチュブラー・ベルズを使います。
とても控え目に使います。
壮絶なカラス神父とリーガン(リーガンに憑りついている悪魔)の戦いです。
全てにおいて、革新的なオカルト、ホラー映画でした。
「決して一人では見ないでください」

8-2ウィジョヨクスモの花

ホームページ  www.ravana.jp
ホームページに宮崎県をアップしました。






映画の話 その42(欲望のあいまいな対象)

66ロジョモロ
ルイス・ブニュエル監督の遺作です。
ストーリーは一人の娘に翻弄される初老のブルジョワ紳士の姿をブニュエル風に描いたものです。
欲望のあいまい
テロ事件が頻発していたセビリアからパリまで列車で移動する初老のブルジョワ紳士マチュー・ファベールは一等のコンパートメントで子連れの婦人、判事、心理学教授と乗り合わせた。
皆が見つめる中で列車に乗り込もうとする若い女にバケツの水を頭からかける。
不審に思うコンパートメントの人達に説明を始める所から物語が始まります。
欲望のあいまい2
水をかけられた女はコンチータと言いマチューの家のメイドで初日に関係を持とう迫ったが断られ、翌日彼女は辞めて出て行きます。
次にコンチータにあったのはレマン湖畔です。
再び関係を迫るが断られる。
パリで彼女に聞いたアパートを訪れると、コンチータはクリスチャンの母親と慎ましく暮らしています。
マチューは母親に大金を払い、コンチータを引き取ろうとするが断られます。
再びバーでマチューに会います。
今度こそと別荘に連れて行くがなんと彼女は貞操帯を着けているのでした。
欲望のあいまい4
失意のマチューはセビリアに旅行します。
そこでフラメンコダンサーをしているコンチータに出会うのです。
マチューはコンチータに家を買って一緒に暮らそうとするが、コンチータは家に鍵をかけて入れないばかりかマチューが見ている前でギター弾きと抱き合い、マチューに罵詈雑言を浴びせます。
欲望のあいまい6
ついに怒りが爆発してパリに戻るために冒頭のセビリアの駅に来たのです。
そしてなんとコンチータが追いかけて来て、マチューに水をかけられたと言うことだったのです。
話が終わったときコンチータがコンパートメントに入って来てマチューにバケツの水をかけ返します。
なんとパリの駅から出て来た二人はとても仲が良さそうです。
後日パサージュを仲良く歩く二人。
突如パサージュが爆破され映画は終わります。
この映画の特徴はコンチータが二人一役なのです。
欲望のあいまい5
やせ形のキャロル・ブーケ、豊満なアンヘラ・モリーナが演じます。
しょっちゅう入れ替わりますが気になりません。
77歳で素晴らしいアイディアです。
もう1つの特徴はズタ袋です。
冒頭のセビリアのシーンでおじさんがズタ袋を担いでいます。
カメラはズタ袋を追います。
コンチータが別荘へ行くことを承諾した場面でもズタ袋を担いだおじさんがカメラの前をよこぎります。
次のシーンではマチュー自身がトレンチコートにズタ袋を担ぎます。
セビリアのレストランから出て来た時もズタ袋をお忘れですよと係の人から言われます。
パリの駅でもズタ袋が沢山運ばれるシーンがあります。
ズタ袋の中身は白い下着や寝間着が入っていることがパサージュのシーンでわかります。
そのなかの1枚は血が付いて破れている。
それをお店の人が繕っています。
マチューはそれを真剣に見ています。
欲望のあいまい3
ズタ袋の意味は私にはわかりませんがこのシニカルなブラックコメディにはとても似合います。
最後の爆破のシーンは伏線として何回も起るテロの爆破やハイジャックの新聞記事で想像がつきます。
ルイス・ブニュエルの懐の深さが解る名画です。

8-2ウィジョヨクスモの花


ホームページ www.ravana.jp

ホームページに宮崎県をアップしました。